WiiFit国内販売ミリオン達成〜Wiiで最速

ロンチのWiiSports移行、しばらくキラーソフトが生まれていなかったWii。しかし、発売1周年に合わせて発売されたWiiFitが非常に好調な売れ行きを示し、今やすっかりWiiの新しい代名詞となっています。

Wiiフィット (「バランスWiiボード」同梱)

Wiiフィット (「バランスWiiボード」同梱)

バランスボードという大型で特殊な周辺機器を同梱ということもあり、供給が不十分になることも想定されましたが、発売以降毎週10〜15万ほどの安定した出荷が行われ、品切れは毎週生じながらも次週には買えるという、なかなか絶妙の需給バランスになっていたこともすごいですね。

そんなWiiFitですが、先週の販売分で早くも100万本を突破。WiiではWiiSportsを抜いて最速のミリオン達成となったようです。

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周辺機器同梱では異例の早さでのミリオン

今回のWiiFit、バランスボードがついて定価が8800円と、絶対的な価格ではそれほど安いものではありません。また、パッケージ自体も大きくて重く、かさばるものでもあります。こういったものが、これほど早くミリオンを達成するというのは驚きでしたね。じわ売れしてミリオンぐらいは思っていましたが。これまで、周辺機器付きでこの値段設定なのにこれほど売れたソフトは無いのではないでしょうか?

その要因として、任天堂の広報戦略と強気の出荷があるように思います。「社長が訊く WiiFit」でのバランスボード制作の話などを見ると、開発している人的にはここまで任天堂の戦略的柱となるものを作っている感じはなく、タルコンガなどと同様の、ある一つの周辺機器という感じなんですよね。

Wii.com JP - 社長が訊く『Wii Fit』

これを、任天堂は大量のCMやウェブなどでのタイアップ記事などで積極的にアピール。任天堂が自身を持って提供する中心的作品である事を示しました。これにより、DSやWiiSportsで任天堂に対して信頼感を感じていた人たちが大きく動いたのではないかと思います。また、大量の広告に合わせて、供給の方もミリオン売るつもりで継続的に出荷し続けたことも、今回の結果につながった大きな要因でしょう。任天堂のリーダーシップを握る岩田氏と宮本氏の姿勢にぶれが無かった、ということなんでしょうね。

自分のWiiFit体験談 〜 ゲーム感覚での健康管理

個人的には、販売前は正直Wiiにもだいぶ飽きが生じており、いつもなら新デバイスで飛びつくはずのバランスボードにもいまいち興味がわかない状態でした。ただ、ファミリースキーのバランスボード対応で急に興味がわき、購入した形です。

ファミリースキーがバランスボードに対応決定!〜発売は1/31 - わぱのつれづれ日記

実際、購入以降すでに40日間毎日継続プレイをしています。プレイスタイルとしてはまずはからだ測定をして体重の変化を把握。夜型のため0時をまわった時間ぐらいで計っています。バランス測定時、「気分転換に目をつぶって」というのが半分ぐらいの確率で生じるのがちょっとバグっぽい印象がしますね。その後、バランス年齢も毎回測定していますが、こっちはランダムで選ばれる項目で特異不得意があるため、年齢はちょくちょくバラバラになりますね。(ちなみに、得意は片足バランスと静止と基本バランス、苦手は敏捷とウォークです。)

レーニングについては、まずヨガについてプレイ回数の少ないものを優先して実行。それが終われば基本的に付随する「おすすめの組み合わせ」が出てくるため、そこで紹介された筋トレをプレイします。その後気が向けばバランスゲームを適当に1つプレイした後、最後は「ながらジョギング」か「ながらステップ」でテレビでも見ながら10〜30分運動。これが毎日のセットとしてプレイしています。

あまり根を詰めてやっていないのと、ながらトレーニングはテレビを見ながらでトレーニングとあまり意識せず運動できるのが、毎日続いている要因かもしれません。また、単純に体重の継続的な記録を見るだけでも結構面白いです。意外と大量に食べた後の体重増加が日をまたいで来たりするんですよね。食事をたくさん食べた割に体重が減らず、2日後ぐらいに食事をほとんど取っていないときに図ったときに増えていたりと、なかなか狙い通りに体重が減りません。

こうした状況を見て、さらにトレーニングしたり、食事に気を付けたりと取り組みを行い、その結果にまた一喜一憂するわけですが、ある意味これも一つのゲーム感覚なんですよね。自分が学生時代の頃、学校のテストを「将来役にも立たない、嫌々やらされるもの」と思わず、「他人とテストの点数を競うスコアアタックのようなもの」とゲーム的にとらえて取り組み、それなりにうまく行った経験があります。このWiiFitも、健康管理やダイエットというものに、ある意味ゲーム感覚で取り組めるため、モチベーションを継続しやすいというのが、実によいものだと思いますね。

家族でのプレイもなかなか好評

また、年末年始に家族ともプレイしたのですが、思った以上に盛り上がりました。当初は、バランスボードが1台しかなく、家族での同時プレイができないのでパーティゲーム的なものには不向きかと思ったのですが、普通に毎日各自の体重がどうかわって、その原因がなんだろうと会話するだけでも楽しいんですよね。

また、フラフープなどは単純に端から見ている分には爆笑もので、携帯で動画をとって見せ合い盛り上がったりもしました。ヨガなどで、意外と親が好成績を出したりするのもよかったですね。明らかに身体が硬く、「そりゃその程度しか伸びてなきゃ安定するよ」とずるくさい印象は持ちながらも、普通のゲームではどうしても親に圧勝してしまうところが無くなるのが、親のモチベーションにつながるようです。

もっとも、バランスゲームについては敏捷性が求められるものも多く、基本的には若い方の圧勝になってしまいますけどね。バランスゲームは日々のトレーニングではあまりプレイしませんが、家族でのプレイなどではなかなか重宝する形です。ただ、バランスボードでのスキーだけは、スキー好きの親から大不評。というのも、右に曲がるのに右に重心をかけるという、本当のスキーと逆の体重移動になっているからなんですよね。親は画面を見てどうしてもリアルなスキーの体重移動をしてしまい、逆に曲がってしまうという現象が起きて怒っていました。自分も最初とまどいましたが、途中からは「これは実際のスキーとは別物」という割り切りをして対応したんですけどね。

(ちなみに、よりリアルな操作を期待していたファミリースキーも同様な操作で、右に曲がるには右に重心をかけるという仕様の模様。個人的にはこれを見てファミリースキーを購入する気は無くなりましたね。(右に重心をかけると左に曲がるモードも選べるようになっていれば考えなさなくも無いですけど。)

バンダイナムコ、「バランスWiiボード」にも対応! Wii「ファミリースキー」

まあそれはともかく、家族でも色々楽しめるところが、流石最初から家族での利用を想定しながら開発しただけはあるな、という印象です。

今後どこまで伸ばすか〜他のゲームでの応用は?

さて、早くもミリオンを達成したWiiFitですが、果たしてここからどこまで数を伸ばしますか。WiiSports同様、Wiiを代表するタイトルとなったため、「Wii本体を買ったらついでに買うもの」の定番化される可能性は高いと思います。そうなると、脳トレなどのようにじわ売れモードに入っていくことになり、まだまだ伸びて行きそうですよね。

また、それだけのバランスボードが出回るのであれば、他のソフトでも気軽にバランスボード対応のゲームを出してきそうな気もします。ファミリースキーのようなスポーツ系での対応だけでなく、例えばFPSにおける前後左右への移動に用いたり、それこそタイムクライシス4をリモコン+バランスボードを用いてアーケードのガン+フットペダルをリアルに再現して移植とか出来そうですよね。

岩田社長が繰り返しているように「常に消費者が驚かせること」を重視している任天堂。今度はどんな想定外の応用で我々を楽しませてくれるのか、期待したいと思います。