「Call of Duty 4」日本版がXbox360でも発売 〜 12/27にPS3と同発

日本ではあまりなじみのないアクティビジョンという会社。しかし海外ではEAやUbiSoftと同様に、ミリオンヒットを飛ばすタイトルを抱えている会社だったりします。特に今年の年末は「Call of Duty4(COD4)」と「Guiter Hero III」というビックタイトル二つをそろえ、共に北米だけでミリオンを獲得し、マルチ展開のソフトも好調でランキングを席巻するような状態となっています。

北米チャート (11/17〜24) - vgchartz

マルチ展開が当たり前の海外ではXbox360PS3、そしてPS2Wii、PCなどで同発で展開されている訳ですが、国内でローカライズされるものについては、なぜかXbox360版は外された形になっていました。

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そんなアクティビジョンの作品の内コンシューマーではPS3版のみとなっていた「Call of Duty 4」ですが、12/13のPS3版発売が昨日急遽12/27に延期されるという情報が飛び込んできましたが(参考:あるゲーム屋経営者の本音ブログさん)、本日これにあわせてXbox360版も電撃的に同日発売されることが発表されました。

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不可解なアクティビジョンジャパンの動き

今回の件、かなり不可解な動きを見せていますよね。まず、そもそもアクティビジョンジャパンがローカライズ対象からXbox360をはずしていたこと。確かに日本では壊滅的状態であったXbox360ではありますが、元々洋ゲーが強い土壌ではあります。PS3用にローカライズすれば当然その翻訳データ自体はXbox360版にも利用できるわけで、わざわざPS3だけに絞る理由が見あたらなかったんですよね。ネットでは、アクティビジョンの流通がSCE系となっており、SCEが独占タイトル確保のためにアクティビジョンと何らかの契約をしたのではないか、という話もあれば、Xbox360のあまりに悲惨な売上に、海外では好調でも日本ではソフトを発売しないという方針なのでは、という噂もあって、いろいろモヤモヤする展開ではありました。

しかし、それがPS3COD4発売の2週間前になって急遽延期→12/27にXbox360と同時発売というのですから、そりゃ驚くというものです。12/27にXbox360版を発売できることから見ても、明らかにPS3版と同時にXbox360版もローカライズしていたのは明白。意図的にPS3版を先に販売し、あとからXbox360版を発売するという、時間差戦法だったんでしょうね。PS3では以前にアーマードコア4やブレイブストームでも似たような状況(開発は同時なのに発売はPS3先)が見られましたので、それと同様のケースを想定したのだと思われます。

それが、ここに来ていきなり同時発売ですからね。一体、裏で何があったのか気になるところではありますが、我々消費者は想像する程度しかできませんね。

混乱要素の多い今回の発表

しかし、こうしたあまりに急な方針変更は、いろいろ混乱や遺恨を呼んでしまいそうですよね。洋ゲー好きのコアなXbox360ユーザーの中には、すでに通販などを使ってアジア版COD4(英語)を購入してしまった人もいるようですし。小売りも受注までの時間があまりなさそうですし、Xbox360ユーザーとしても他にゲーム購入計画を立てていてCOD4まで手を回せない人も出てくるかもしれません。

ただ、Xbox360ユーザーとしては、現状では国内売上が悲惨な状況なだけに、海外の好調さのおこぼれを預かるような形でソフトが継続して出る&マルチ展開されることを期待していたわけで、そうした意味ではアクティビジョンが日本でもマルチ展開をとってくれたことは安心感が増すというところでしょうか。この調子で「Guiter Hero III」などもマルチ展開されることに期待、というところでしょうか。海外版は出ているのに日本だけ出ないというのは、やはり不条理さを感じますからね。

一方、DMC4に続き独占タイトルをマルチ化された形になるPS3ですが、今回のものはそもそも海外ではすでにマルチ化されていたものだけに、そこまで大きな影響とはならないのではないでしょうか?PS3は現状ではXbox360以上に洋ゲー比率の高いハードではありますが、客層は基本的にPS2の延長だと思われます。そもそもCOD4自体が無双5やウイイレ2008などと比べれば存在感は相当低いものだったと思うんですよね。ですので、洋ゲーが一つマルチ化されたからといってさほど大きな影響は無いのではないでしょうか?(むしろ、時間差で独占するメリットもあまりなかった気もしますが。)ただ、PS3版は現状振動機能が付いてないそうなので、この辺は今後のアップデート待ち、というところでしょうか。

洋ゲー同発の売上対決は?

さて、今回同発となったことで興味深いのは「PS3版とXbox360版のどっちが多く売れるか」というところですね。これまでのマルチタイトルでは基本には本体台数の差を反映してかPS3版の方が多く売れています。

ソフト売上データ Wii PS3 Xbox360 - ゲームデータの部屋

特に先日の同発マルチ真三國無双5やウイニングイレブン2008などでは10倍近い差が付いていたりと、PS2で育った有名タイトルは純粋にPS3がよく売れる傾向が見られます。

ただ、唯一例外として「オブリビオン」があります。これは海外で非常に評価が高かった洋ゲーRPGなのですが、先に発売されたXbox360版が7万、あとから発売されたPS3版が4万となっています。eMなんかは後発であってもPS3の方が売れているところを見ると、やはり洋ゲーについてはXbox360で比較的売れる、PS3で比較的売れにくい土壌があるのかな、という感じがします。

そんな中、今回「洋ゲーの同時発売」が奇しくも実現することになりました。純粋にハード販売数の差を見たらPS3版:Xbox360版=3:1ぐらいの割合になるのが自然ですが、上記のような洋ゲー受けの土壌からすると結構いい勝負になるかもしれません。逆に、PS3ウイイレなどの同様にXbox360版に普及台数差以上の大差をつけるようであれば「洋ゲーが売れるのもPS3」となり、今回最初に懸念されていた「日本だけXbox360にマルチ展開されない」という危惧が再燃することにもなるでしょう。(まあ、受注までの日が浅いので受注が集まらなくてその時点で爆死という展開も十分ありそうですけど。)

COD4自体は、FPS洋ゲーという日本では売れないジャンルのゲームではありますが、GAME Watchのレビューでも非常に高い評価を受けています。

Call of Duty 4: Modern Warfare - Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」

12/27という年末差し迫った中での発売ですが、果たして日本でどの程度の売れ行きを見せるのか。マルチ展開のソフト売上動向を探る意味で興味深いサンプルになりそうですね。