定番圧縮・解凍ソフト「ExpLzh」がフリーソフト化

インターネットを利用していると、度々ZipファイルやLzhファイルなどをダウンロードする機会が生じます。主にフリーソフトをダウンロードしたり、PCのバージョンアップファイルやファームウェアのダウンロードなどが多いでしょうか?

そんなときに必要となるのが、圧縮・解凍ソフト。この手のツールとしてはダブルクリックするだけで解凍までしてしまうソフトが主流で、Lhasaなんかは昔から定番のソフトですね。

ただ、自分の場合はファイルを解凍するかどうかはファイルの中身を見てから決めたいタイプで、圧縮ファイルを開くとエクスプローラ風のウィンドウで表示されるアーカイバを好んで使っていました。単に中のReadme.txtを見たいだけなのに、いちいち解凍していたら面倒ですからね。最初に使っていたのは「LHAユーティリティ32」。これもよくできたソフトではあったのですが、ネットでCABやらRARやら圧縮ファイルの形式が増えてくると、ちょっと力不足に。

そんな時に出会ったのが「ExpLzh」というソフトでした(Explzh のホームページ)。このソフトは非常によくできたソフトで自分は長らく愛用しているのですが、アーカイバの中では珍しくシェアウェアとして提供されていました。しかし、このほどフリーウェア化されたようです。

窓の杜 - 【NEWS】定番のエクスプローラ風圧縮・解凍ソフト「Explzh」がフリーソフト化

すでに定番化したソフトだけに、ご存じの方も多いソフトだとは思いますが、せっかくフリー化したことなので、自分なりにいいと思うところを紹介してみたいと思います。

シンプルな見た目と高いカスタマイズ性

ExpLzhは、見た目がWindowsと親和性がいいのが特徴ですね。こうしたソフトの中には、とかく個性的な見た目を持つソフトが多いのですが、ExpLzhはシンプルでなじみやすいインタフェースがいいと思います。

一方で、カスタマイズ性にも優れています。ツールバーなどのカスタマイズ性が高いだけでなく、ウィンドウの配色やフォントなども細かく設定できます。個人的には、ウィンドウの背景色をいじれるのがうれしかったですね。結構こうしたところの色を変えられるソフトが少ないんですよね。自分はウィンドウ背景色を若干暗めの色にしていたので、デフォルトで白固定のソフトだと逆にどぎつく見えてしまったんですよね。こうしたかゆいところに手が届く仕様が、自分好みでした。

その他、動作も比較的軽く、実行ファイルのアイコンを表示しないことでより軽く表示したりできるのも、好きなところです。

充実の機能〜自動アップデート機能も

使い始めの頃はまだそれほど多機能ではなかったのですが、途中から怒濤の勢いで機能追加。特に、圧縮・解凍用DLLや本体自身のアップデート機能が非常によくできていますね。ウィルスバスターなど、商用ソフトでは自動的にファイル更新機能がついている物も多いですけど、こうした個人制作のソフトでソフト上からのスムーズなアップデートが可能というのは、未だによくできているところだと思います。

また、対応する圧縮形式の数も多く、関連付けやアイコン登録などもExpLzh上から簡単にできるのもいいですね。統合アーカイバプロジェクトの多数のDLLにも対応しているのは最近では当たり前ながら、LZHやZIPという定番形式には独自エンジンで対応しているのもなかなか面白いところです。

その他便利な機能が、「シェルエクステンション」機能ですね。エクスプローラ上で圧縮したいファイルを複数選択し、マウス右ドラッグ&ドロップで手軽にZIPファイルなどを作成できるので、ログファイルをちょこっとバックアップ用に残しておくときなどに重宝しました。複数のZIPファイルを同様の処理でまとめて一カ所に解凍とかもできましたし、役立つ場面がいろいろあります。「試験実行」機能でフリーソフトなどをちょこっと試しに利用したりなども、結構便利な機能ですね。

フリー化で更新頻度はどうなる?

ExpLzhの特徴としては、とにかく細かいブラッシュアップが頻繁に行われることもあると思います。上記で上げた充実の機能も、細かいバージョンアップの中で少しずつ追加、ブラッシュアップされていったものなんですよね。このあたりは、やはりシェアウェアだから、という面もあったかと思います。他にシェアというと、WinRARとかWinZipといったあたりぐらいですしね。

ただ、アーカイバでは有名どころでも更新が止まってしまっているソフトがかなりあり、UIが古くさくなっていたり、ちょっと使いづらいな、というところがいつまでも直らなかったりという面も多いですよね。そんな中で、ExpLzhは絶えずそのときの情勢に合わせて微妙なチューニング・不具合修正をされており、お金を払う価値があったと思っています。とにかく、かゆいところに手がとどき、「これさえあればいい」というソフトなので。

今回フリー化されるということで、おそらく更新頻度などはある程度少なくなるのでしょう。まあ、現時点でも相当な完成度だとは思うので、あまり必要がないといえばないですけど。ただ、今後Vistaが主流になってきたときにそれとの親和性を高めるなどの更新は、今後も期待したいところですね。

「解凍だけ」ではないアーカイバを求める人にはイチオシ

以上紹介してきたExpLzhですが、ソフトの出来はいいものの、やはりシェアウェアというのが難点でしたね。人に安易に進められませんし、シェアウェアの使用が制限されているような機会では利用出来ないのもネックでした。
自分も、ExpLzhが使えない場面では、代用ソフトをいろいろ探して使っていました。その中では、DeacesがExpLzhライクに使えていい感じですかね。ただ、このソフトも5年以上更新が止まってしまってますからね。最近では韓国製のALZipなんかも複数フォーマット対応で高機能ではあるのですが、デザインがちょっとゴテゴテしすぎな感じがします。

そうした意味で、どんな場面でもExpLzhで一本化できるようになったのはありがたいですね。今後、他人にも勧めやすくなりましたし。ある程度PCに詳しい方で、解凍だけのソフトに物足りなくなった方、中のテキストを読みたいだけなのにいちいち解凍し、そういった残骸がデスクトップ上にあふれかえってしまっているような方は、一度このExpLzhを試してみてはいかがでしょうか?