「モンスターワールド コンプリートコレクション」レビュー

先日、「わぱのつれづれ日記 - バーチャルコンソール配信内容更新〜メガドラ充実・MSXとNEOGEOも」で触れた「モンスターワールド」。IIIについては今月バーチャルコンソールで配信されていることになっているのですが、一足早くPS2で「モンスターワールドコンプリートコレクション」が出たので、我慢できずそちらを購入してしまいました。

こちらは、モンスターワールド全4作と、高橋名人の冒険島のオリジナルとしても有名なワンダーボーイや、同じワンダーボーイシリーズであるモンスターレアが一緒になっています。さらに、各ゲーム複数のゲーム機のバージョン、英語版なども入っており、まさにコンプリートの名にふさわしい内容ですね。
値段は実売2400円程度と、バーチャルコンソールメガドライブ用ソフトの4倍ぐらい。モンスターワールドIIIとIVだけ欲しいという人はバーチャルコンソールの方が安い感じはしますね。ただその一方で、いろいろおまけが付いているので、お買い得感はかなりあります。

実にPS2のゲームを買うのはパワプロ13以来、パワプロ以外のソフトだと「風雲新撰組BEST版」以来となるソフトなわけですが、以下に各ゲームについて自分の思いで話などを交えながらレビューしてみたいと思います。

基本要素

まずは、基本部分の紹介を。おそらく、他のセガエイジス2500と同じような仕様だとは思いますが、自分は初セガエイジスなので。

ゲームを起動すると、パッケージ絵にもなっているモンスターワールドIVのアーシャの絵が。スタートを押すとメニューアイコンみたいなのに行くのかと思いきや、いきなりゲームのタイトルが現れてびっくりしました。十字キーの左右でタイトル画面が切り替わり、○ボタンで決定するとそのゲームのエミュレータが起動する、という作りのようですね。

『各種設定』

各ゲームは、セレクトボタンでいつでもメニュー画面を呼び出すことができます。ここでは、対象ゲームハードの選択、各種コントローラの設定や画面コンフィグ、その他おまけ要素をいろいろ楽しむことができます。
コントローラの設定ではボタン連射機能を余ったボタンにも割り当てられます。画面コンフィグは結構凝っていて、PS2ですが480Pなどの選択もできます。ただし、自分はD端子ケーブルを持っていなかったので確認はできませんでしたが。拡大の時のスムージングなども細かく設定できますが、基本的にはノーマルでいいように思えました。

『ギャラリー』

ギャラリーは当時の資料、マニュアル、楽譜など。選択するとまず画像全体が表示され、右スティックの上下で拡大・縮小、左スティックで視点移動ができます。かなりのサイズにまで拡大できますので、文章もしっかり読むことができます。拡大率の微調整は結構難しいですが。その他、ライブラリという項目があるゲーム(モンスターワールドIIIなど)では設定資料なども見ることができました。ちなみに、IVのライブラリだけは???に。これは一度クリアなどが必要っぽいですね。

サウンドテスト

サウンドテストも各ゲームについています。これは各ゲームハードごとに異なるサウンドテストになるので、アーケード版とマークIII版の音を聞き比べる、ということもできて楽しいですね。個人的にはモンスターワールドIIIの最終ステージの曲を聴くのがこのソフトを買った楽しみの1つでもあったので、結構堪能させて頂きました。(ちなみに、あの最終ステージの曲はモンスターワールドIの最終ステージの曲のアレンジだったことを、このソフトで初めて知りました。モンスターワールドIIでも最初の曲として使われており、名曲をいろいろなアレンジで聴くことができてよかったです。)
ちなみに、サウンドテストを起動すると、一旦ゲームにリセットがかかるのがちょっといまいちなところはありましたね。

『セーブ・サスペンド

セーブ機能については、ちょっと複雑な感じになっています。そもそもワンダーボーイモンスターワールドI、モンスターレアはセーブなし。モンスターワールドIIはサスペンドのみ対応で、セレクトメニューからSUSPENDを選んで終了すると、その時点の状態をどこでも一時セーブしてタイトル画面に戻れます。この一時セーブは次回タイトル選択時に自動でロードされます。このあたりは、Wiiバーチャルコンソールと同じ仕様ですね。
一方、モンスターワールドIIIとIVはサスペンド無し。その代わり、ゲーム中でセーブしたときに自動的にPS2のファイルセーブ画面が割り込んできて、逐次セーブデータをメモリカードの方に保存することができます。ただ、サスペンドがないのでちょっと遊ぶときには不便ですね。この辺はWiiのVCの方が優れている感じです。(ちなみにモンスターワールドIIIもマスターシステム版だけはサスペンド付きでした。対応ハードごとにセーブの扱いが違う、という感じですね。)

『リプレイ機能』

ワンダーボーイモンスターワールドI、モンスターレアのアーケード3つにはリプレイ機能がついています。このうち、ワンダーボーイモンスターワールドIについては最初からスーパープレイ集が3つずつ付加されている形です。

以上が、大体のシステム部分ですね。非常に多機能で、コンソール上のエミュレータとしてはよくできている感じです。

ワンダーボーイ

続いては、各ゲームについて。とはいっても、まともにプレイしたのはIIIぐらいなんですが、一応簡単に。
ワンダーボーイは、モンスターワールドの前の作品ですね。今では移植版の高橋名人の冒険島の方が有名な形です。自分も、近所のデパートのゲームセンターに子どもの頃よく行っていたのですが、そこで他人がプレイするのを後ろで見ていた感じですね。
このゲームについては、すでにゲームセンターCXでも激ムズの難易度が紹介されていただけに、スーパープレイを見るだけですませました。スーパープレイも1時間以上の大作。しかも、説明書の方に実際にプレイされた方の解説が2ページに渡って書いてあったので、非常に面白かったです。かなりの神業プレイ満載で。スケボーとってすぐ壊し、得点だけもらうとかも、なかなか面白いです。
ちなみに、オリジナルのワンダーボーイでは、各ステージに1つドールがあり、これを全部集めないと最終8ステージにすすめなかったんですね。しかも、そのドールの出し方も敵におもむろに体当たりとかで、これをよく当時の人はゲーセンで見つけたなぁ、と感心してしまいますね。

モンスターワールド

これも、コロコロ読者だった自分としてはPCエンジンへの移植版、ビックリマンワールドの方が有名な印象ですね。ただ、このオリジナル版も、同じくデパートのゲーセンに置いてあり、長い時間他人のプレイを見ていた記憶があります。アーケードなのに、RPG的要素があるのがいいですよね。最初は裸の状態から徐々に武器を変えるごとに見た目がかっこよくなっていくのが、見ていてワクワクするものがありました。
ちなみに、こちらもスーパープレイがあったのでそちらを視聴。とにかく隠しコインを片っ端から出しているプレイで、「こんなところにあるのかよ!」という要素が満載ですね。しかも、敵に当たりながらだと高確率で出せるとかやってますし。こちらもなかなか見応えがありました。

モンスターレ

流れ的にはモンスターワールドのだいぶあとの世界という感じです。ゲームはワンダーボーイを強制スクロールシューティングにした感じ。前半はソンソン的、後半は普通のシューティングですね。フルーツを取ると体力回復できるあたりがワンダーボーイです。
このゲームは、とりあえずアーケードモードでコインを入れまくってプレイしてみました。敵の一団を倒すとパワーアップアイテムが登場、これを取ると10秒間武器がパワーアップします。この10秒というのがなかなかシビアで、すぐに切れてしまう感じです。出てくるアイテムの種類は様々で、時間切れしたくないなら次々に新しい武器にする必要もあります。なんかごちゃごちゃした感じですね。また、10秒縛りのせいで、ボス戦は基本ノーマル弾での闘いというのも、ちょっと微妙な感じです。
ゲームはワンダーボーイ同様、敵の配置がなかなかやらしい感じですね。後半のステージに行くと、ほとんど死にまくりでした。ボスとかも、ノーダメージで倒すとかかなり難しそうな印象でしたね。
ちなみに、コンティニューを繰り返してなんとかラスボスまで到着したのですが、ラスボス相手に1度でもゲームオーバーになると、コインが残っていても問答無用でゲームオーバーになってしまいました。これはそう言う物なんでしょうか?ボスはワンコインクリア必須?詳しい方情報いただければ幸いです。
とりあえず、ざっとやってみた感じではちょっと微妙な感じ。メガドライブ版も中古ショップで1000円ぐらいでたたき売られており、当時モンスターワールドIIIが面白かったので買おうかとも思ったのですが、見送って正解だったかもしれませんね。

モンスターワールドII

これは、マスターシステムゲームギアでしか出ていないので、若干グラフィックがしょぼいですね。ただ、冒頭からいきなり前作のラストダンジョン、ラスボス倒すと呪いを掛けられて、そこからゲーム開始というのはなかなか斬新な感じです。
こちらはスーパープレイなどがないので、そのうちプレイしてみてもいいですね。

モンスターワールドIII

モンスターワールドIIIは、たしかこれも中古で購入してプレイした覚えがあります。記憶的には、前述したように「ラストステージの曲がかっこいい!」というのが支配的ではあるのですがw。少しプレイしてみましたが、グラフィックもポップできれいでして、メガドライブの画質ながらこの絵柄ならまだ十分いける感じです。こちらもそのうちプレイしてみてもいいかも。

モンスターワールドIV

そして、このソフトのある意味代表作ともなっているモンスターワールドIV。当時、BEEPメガドライブを見ていて「これはおもしろそう!」と感じたソフトだったのですが、当時はお金があまりなく、年間1,2本ぐらいしかゲームを変えなかったため、アクションゲームはクリアまでが早くて敬遠してしまって未プレイな作品です。ただ、評判は非常に高いソフトですし、前々からやってみたかったソフトなので、今回プレイしてみました。

とりあえず、二つめのダンジョンをクリアしたところですが、思った以上に歯ごたえがあって面白いですね。アクションもジャンプ中の上突き、下突き、ペペログゥを使った二段ジャンプや遠距離ジャンプなどと多彩で、しかもそれらを結構駆使する必要があります。かといって、極端に「やってらんない」というほどの難しさでもなく、なんどか繰り返せばなんとかなるレベルなので、ほどよい歯ごたえがある感じですね。セーブポイントも、そこまで頻繁にはないので、ゲームオーバーになるとちょっとへこむところがありますが、逆に「次のセーブポイントまだかよ」とドキドキしながらプレイする感覚は楽しいものがあります。
キャラがかわいいのも、モチベーションが上がりますね。主人公アーシャは本当にかわいらしい。なんでこのIVの続編が出なかったのか、不思議なくらいですね。

まとめ

以上、全体をざっと触れましたが、どれもその独特のポップな雰囲気を生かしたゲームになっている感じです。そのくせ歯ごたえがあるのも、また特徴的ですが。
どうもPS以降3D機能が発達してから、この手のかわいい2Dアクションの良作がなかなか出てこない印象がします。今残っている2Dアクションというとマリオとドラキュラぐらいですかね?一時期、2D=古いという雰囲気があった気はしますが、3D側もどうもXbox360PS3など超絶リアル路線に走るものばかりで、ポップなかわいい絵柄を好む自分としては歯がゆく感じていたところがあります。DS以降、性能を生かし切ることだけがゲームじゃない、ということがだいぶ見直されてきたところですし、DSで新規入ってきたユーザは2Dというだけで「かっこ悪い」「古くさい」とはねつけることも少ないでしょうから、もう一度モンスターワールドIVのような「ポップでかわいい2Dアクション」を出して欲しいですね。任天堂カービィとかヨッシーとかありますが、任天堂キャラ物はあまり好きじゃないので、できればサード製の作品をよろしくお願いします(風のクロノアロックマンDASHとかの雰囲気がいいですね)。