次世代ゲーム機のホーム機能について

CellやBDなど様々な最先端技術を取り入れながら、結局従来ゲーム機の延長というビジネス展開を強いられて苦戦しているPS3。現状のホームメニューもソニーが以前より注力していたXMBを採用したものであり、特に斬新さがあるという物ではありませんでした。

そんなPS3についてですが、もっと違ったホーム機能が取り入れられるのではないか、という噂が上がっています。

[PS3] 『Playstation Home』 の噂。「どうぶつの森」のようなバーチャルタウン? - ゲーマーホリック
PS3 FAN || 「PlayStation Home」というサービスが開始されるという噂

3/8のGDCの講演で発表される内容の流出?と言われていますが、真偽のほどは不明。ただ、『Playstation Home』という商標は取られているようなので、何らかの展開はあるかもしれませんね。

内容としても結構面白いものですね。以下ゲーマーホリックさんのところの記事を転載しておきます。

  • (Wiiでいう所のMiiのように)PS3アバターを作ることが出来る
  • このアバターはそれぞれ自分の部屋を持っている
  • (Xbox360でいう所の実績解除システムのように)ゲームプレイ中に条件を満たすと、ゲーム特有のアイテムをゲット
  • そのアイテムを、アバターの部屋に飾ることが出来る
  • SNS(ソーシャルネットワーキングシステム)のようなものになる
  • そこで、テキスト・音声・ビデオによるメッセージング機能を利用することも
  • フレンドと、ミニゲームを一緒にプレイすることも
  • どうぶつの森」のようなバーチャルタウンのような、仕組みになる?

アバターはネットなどではかなり前からおなじみの機能で、ゲームの世界でもWiiMiiとして導入した概念ですね。部屋にアイテムを置いてカスタマイズなどもネットゲームなどでよくある展開で、どうぶつの森は成功している代表例ですね。また、海外では最近「Second Life」というネットゲームが注目を集めているらしく、PS3のものはそれと近い感じになるんじゃ?と予測している人もいるみたいです。

[年末特集:2006]始めてみよう!仮想世界「Second Life」--基本操作編 - CNET Japan

すでにPS3は「まいにちいっしょ」という優れた日刊コンテンツを配信しており、ここではアイテムを買って部屋をレイアウトなどを楽しむことができます。こうした機能とも連動して、PS3の性能を生かした自由度の高い空間を標準機能として作り出せると、結構魅力的な感じがしますね。

Wiiで「ぶつ森ホーム機能」は可能か

一方で、任天堂も「どうぶつの森」という、世界中で大ヒットしているコンテンツを保持しています。それに、WiiにもチャンネルやWiiConnect24を使った様々な特殊要素を備えています。この二つを密に連携させることで、かなり魅力的なホーム機能が作り出せるんじゃ無いかと思うんですよね。
以下に、ざっと思う「Wiiぶつ森の連携」を上げてみたいと思います。

などなど、ざっと考えただけでも、Wiiの各種チャンネル、機能をどうぶつの森の中に落とし込んでいける感じがします。もともとぶつ森のコンセプトと、Wiiのコンセプトがあっている感じもしますしね。


とはいえ、こうしたホーム機能をWiiの標準機能とするのはなかなか難しいところもあるでしょう。通常のホーム画面と違い、各種機能にアクセスするためにわざわざキャラを移動させたりする手間が生じてしまうので。Wiiチャンネルとしてのホーム画面も、テレビの延長という位置づけとしてはなかなかよくできている機能ですしね。

ただ、Wii版のどうぶつの森の中にこれら機能を全て内包してしまえば、どうぶつの森に毎日触れる習慣のあるユーザなら、結構受け入れられるんじゃないかと思うんですよね。1日1回、どうぶつの森を立ち上げ、住民との会話や株価チェックなどをするついでにリアルな情報、Wii関連の機能も使ってしまう。もともとぶつ森が常習性の高いソフトだけに、結構おもしろいんじゃないかと思います。


今のところ公開されている情報だと、むしろどうぶつの森の方の情報がWii伝言板などに情報を投げる、という展開が示されています(特売情報の伝言が貼られるなど)。あと、実際にはニュースチャンネルネタなどは不謹慎なネタが入ることがあって難しいところがあると、先日の「開発スタッフが語る『ニュースチャンネル』の話」でも語られていたように、やってみるといろいろ問題はあるのかもしれません。DS版ぶつ森からファミコンをのぞいたのは、容量の問題だけでなく、ぶつ森の世界観を重視したため、ということもインタビューでコメントしていたので、VCとの連動とかも実際には慎重に考えるように思います。

ただ、個人的にはできる限りWiiぶつ森はこうした「Wiiならでは」の機能にいろいろアクセスできる作りになっていて欲しいな、と思います。Wiiチャンネルの機能自体どれもちょっとしたお遊びが入っている物が多いですし、それらにぶつ森からアクセスしてもそれほど問題ではないんじゃないかと思うので。そもそも、知り合いと通信とかすれば、普通にリアルな話題が出てくるわけですし。

各社のホーム機能戦争勃発?!

以上、PS3で噂されるホーム機能と、Wiiでのぶつ森の可能性についての個人的な期待を述べてきましたが、昔のように挿入したゲームが単に起動されるだけというのとは違い、次世代機はいずれもホーム機能が非常に重要な意味を持っているように思います。肝心のゲームソフトが楽しくなければ意味がない、というのはもっともではあるのですが、まいにちいっしょWiiチャンネルのように、とりあえず欲しいソフトが無いときでも本体を起動し、そのゲーム機本体になじんでもらうというのは、大きな意義があるのでは無いでしょうか。

とくに、昨今はコアゲーマー人口が減少傾向にあるだけに、コアゲーマー以外を以下にゲーム機に結びつけられるかは至上命題。コアゲーマーを結びつけるゲーマータグやゲーム中のボイスチャットももちろん重要ですし、これによりゲーマーの離脱防止、ライトゲーマーのコア化も計れるとは思いますが、コアゲーマーが減少傾向である以上、市場インパクトとしては爆発的なものは無いと思います。(コアゲーマーを喜ばすのももちろん重要なので、そっちはそっちで無視してはダメですけどね。)

今後はゲーム機能だけでなく、各プラットホームにおけるホーム機能の差も本体競争力に大きく影響してくるかもしれませんね。