Wii本格的大量広告開始

11/16は、任天堂Wii予約開始推奨日。それもあってか、Wii関連のTVCMとしても、これまでのティザー広告からより本格的なゲームのCMが打たれるようになってきました。

Wii.com JP - CM

任天堂からロンチで出るソフトについて、ゼルダ以外のCMが公開されている形です。今回はこれまでE3やTGSWii体験映像などと同様に、実際にプレイしている人を積極的に見せている感じですね。Wiiの場合はゲーム画面自体はPS2からそれほど飛躍的に進歩しているわけではないので、いかにこうしたプレイ感覚の違いをアピールするかが重要になる、ということでしょうね。個人的にはベースボールのCMで子どもにホームラン打たれた親父が、いくらなんでも愕然としすぎだろ、とは思いましたがw。でも、そうした実際のスポーツでは絶対起こらないことが体験できる、というのも魅力的ではあると思います。

2億ドル規模の広告戦略

さて、この任天堂の広告戦略、以前のWii Previewの質疑応答でWii本体の価格について質問された際、岩田社長から以下のような発言がされていました。

私たちはあるべきペースで、普及するのに自分たちとしてベストだと思う値段、そしてプロモーションにものすごくコストが恐らくかかるであろう、それはだってゲームに興味のない人に最終的に届かなくてはいけないプロモーションをこれから任天堂はやらないといけないわけですね。無関心と闘うために。それを考えると、その予算も多く取らなくてはならない。いろんなことを考えて、この値段にいたしました。
Wii Preview Q&A - Wii

Wii本体は、PS3のように明らかに大幅赤字、というわけではないものの、ハード単体では若干赤と言われてます。これに大きくかかる広告費がプラスされ、それらをソフト売り上げなどで埋めていくという感じのようです。

では、実際にどれだけ広告費をかけるのか、ということが注目されていましたが、これがなんと、2億ドル(約234億円)規模という、すさまじいものになるようです。

任天堂、Wii販促に2億ドルを投入して空前の広告キャンペーンを展開 - Engadget Japanese

上記engadgetの記事を見ると、いろいろな形で広告戦略を仕掛けてくるようですね。

  • Discovery Chennel、Animal Planet、Discovery Kids Networkでの特番。
  • ドラマNick @ Nite劇中へ物語のキーとなるアイテムとして登場。
  • 全米のセブンイレブンにて711台のWiiプレゼントキャンペーン。Slurpee(飲み物)に"StrawberrWii Banana"味が登場。
  • プリングルスWii缶登場。100台のプレゼントキャンペーン。
  • Comedy Centralでは毎時間一台Wiiプレゼント。
  • サウスパークでは「Wiiが待ちきれない」前後編エピソード(すでに放送)。
  • 米国ではいまだに人気のリアリティTVではWiiを使ったいたずらネタ。
  • 人気オーディション番組Objetivo Famaとタイアップして「Wiiで遊んで緊張をほぐす参加者」。
  • Nickelodeonでは11月20日から60秒の特別スポットCM。

このあたりはどれも海外での話ですが、最近の任天堂の日本におけるCM量を見ても、似たようにタイアップ広告を打ってくる可能性はあるような気がしますね。DSも、芸能人が使い始めたり、宇多田ヒカル松嶋菜々子の影響は大きかったですし。


北米のCMについては、なんとYouTubeに公式動画を任天堂自らが投稿していたりします。(Embedding disabled by requestとのことなので一応リンクで紹介。はてなだと、普通に以下のリンクに[(URL):movie]とつければ埋め込められちゃうんですけどね。)

http://www.youtube.com/watch?v=CkS2DJ6VX_g

YouTube自体、利用者には便利ですがどこでお金を稼ぐのかがまだしっかり確立していないビジネスでしたが、まさか任天堂が積極的に使ってくるとは思いませんでしたね。YouTubeトップページに常に貼られているようなので、この部分でおそらく任天堂YouTubeに広告費を払っているのではないかと思います。(CM内容自体は、RedSteel同様海外のへんてこ日本観が全開のものなので、日本人から見るとあまり面白くないですけどね。)

ヨーロッパでも、日本同様のWii広告が流されているようです。DSのころから、ヨーロッパは日本CMのアレンジが基本ですね。

購入予定者は予約を推奨

事前情報によれば、今日ぐらいからWiiのソフトなどのチラシなんかも、各種ゲームショップなどに到着し、これまでにまだ予約を受け付けていなかった店では予約がそろそろ始まるとのこと。PS3がいまいち微妙なスタートを切った中、こうした大量の広告が打たれることで、DS品薄状態もあわさって、ある意味過剰にWii人気が煽られてしまう可能性もあります。
任天堂自身は「DSとWiiでは大きく違う」と公言しており、だからこそこれだけ必死になって広告費を注ぎ込んでCMしているわけですが、消費者側がDSと同じように錯覚してしまう可能性はあります。任天堂も、DSと同じナレーターを使っているところを見ても、それは狙ってはいるでしょう。仮にDSLiteなどと同一視されてしまうと、雰囲気に流されてなんだかんだで初回出荷にも消費者(および転売屋)が飛びついてくる可能性があります。そう言う意味では、DSの時とはちょっと状況が異なっているので、できるものなら予約をしっかりと取り付けておくことをおすすめします。