PS3の60GB版は79,800円?! 〜 オープン価格の功罪

昨日の記事「 PS3の実機写真レポート 〜 60GB版と20GB版の違い」で、60GB版の価格を62300円ぐらいと紹介しましたが、コメント欄のDさんの指摘によれば、とんでもない価格をつけていたところが出てきたようです。それも、無名のゲームショップなどではなく、日本最大のコンビニエンスストアセブンイレブンの通販サイト、セブンドリームです。

その価格、なんと「79,800円(税込)」!


予想されている価格に比べて17500円ぐらい高いです。というか、20GBモデルより3万も高いって…。もっとも、現在トップページからはリンクが張られていないっぽいですし、予約受付もしていないのに「在庫なし」表示であることから、本当にこの価格のまま販売するかどうかは不明です。ちょっとした手違い、TGSでの価格改訂前に適当に価格入力されていたのが見えているだけの可能性も十分ありえます。


P.S. (10/16)
日経の記事で、この価格(らしきもの)が仮のものであることが書かれていたのでリンクは削除しておきました。
「プレステ3」予約受付で攻防戦・少数限定、情報流出も デジタル家電&エンタメ-最新ニュース:IT-PLUS

混乱を呼ぶ?「品薄商品の“オープン価格”」

ただ、一応60GB版の価格は正式には「オープン価格」ですからね。こうした価格設定をしても一応間違ってはいないわけです。とくに、発売当初は極度な品薄が予想されるため、本当にこの程度の価格でも売れる気もします。ヤフオクでの転売も、こういった価格設定がされる可能性がありますので。未だに品薄がつづくDS Liteも、発売以降ずっとヤフオクで定価以上の価格でやりとりがされていただけに、DSLiteがオープン価格なら2万近い値段で普通にゲームショップで流通されていたかも知れませんしね。

とは言っても、そもそもオープン価格というものも、本来は製品が発売以降だんだんと安くなっていくときに、定価が高いままだと実売価格とのギャップが大きすぎて定価の意味がなくなったり、不当に「お買い得、定価の○○%引き!」という表示があふれかえったりするのを避ける意味で導入されたものです。つまり、基本的には定価より大幅に売価が低くなるものへの対策だったわけです。

オープン価格 - Wikipedia

ですので、今回のように品薄になりそうな商品をオープン価格してしまうのは、本来の意味と異なっているんですよね。SCE的には、明らかに高い60GBモデルの価格を隠匿する目的でおそらく60GBモデルだけ価格をオープンプライスにしたのでしょうが。しかし、小ずるい施策のために、ゲームショップ側は単なるヤフオク的価格つり上げと同じことが、やろうと思えばできちゃう訳なんですよね。現状でもヤフオクにて同様のことをやっているゲームショップもあるようですが、これからは公然と店頭でやれるわけです。

目先の利益をとるか信用をとるか

とはいっても、こうしたオープン価格で品薄だからといって小売りが価格をつりあげてしまう、というのはネット社会では容易に消費者にばれてしまうものです。実際、以下のようにゲームショップの人からコメントが出てますしね。

そうそう、オープン価格の60GB版の本体価格ですが
恐らく相場は62000円台〜64000円くらいの販売価格になると思われます。
例えば70000円くらいの価格をつけてもオープンなので問題はないのですが
その店はちょっとお客さんに優しくないと思ってもらっていいと思います。
恐らくそのような店はないでしょうけどね・・・

100MEGA ショック!:プレイステーション3の入荷状況 - livedoor Blog(ブログ)

ヤフオク転売だって、一般の品薄で買えない人たちからは非常に反感をあびています。ただでさえ手に入らないものが、転売目的で買われることでさらに品薄になり、しかも定価以上で販売されてしまうのですから。どうしても欲しい人などは手を出すこともありますが、不満は消えないでしょう。ですので、上記コメントにあるように店頭でそんなことをすれば、「客に優しくない店」というレッテルを受けることは確実でしょう。


おそらく、セブンドリームでこの価格で売られることは無いと思いますが、小売りが品薄だからと値段をつり上げるような事態は避けて欲しいですね。目先の利益におぼれてしまうと、「お店の信用」という何よりも貴重なものを失ってしまうと思いますので。