任天堂へのあこがれと身内への失望感〜スクエニ和田社長インタビュー後編

7/28の記事で触れたスクエニ和田社長への野安ゆきお氏のインタビュー、その後編が先週末に出ていました。

「シェアのためのM&Aに意味はない」 (デジタルエンタメ天気予報):NBonline(日経ビジネス オンライン)

内容的には、前編ほど引っかかる内容は無かったのですが、最後の方のぐちっぽいコメントになんだかなぁ、とは感じましたね。だらだらとして、締めがないインタビュー。ちょっとまとめ方が微妙な印象でした。
『「スケール(規模)」ではなくて「スコープ(範囲)」が大事』とか、そのほかの危機意識、ビジョンとしての大まかなイメージは特に間違っていないとは思うのですが、やはり本人自身実行にうまく移せていないという感覚があるようですね。あと、ファミ通浜村通信とのインタビューでもありましたが、未だに現場の開発部隊との温度差を感じているように見えます。和田氏自身がゲームと全く関係ない業界から入ってきただけに、開発部隊とお互いの意識を共感することも難しく、和田氏としても歯がゆく感じているのでしょう。また、和田氏自身は自分の先見性と経営手腕に自信はあるのでしょうが、やはりどこか畑違いであることのコンプレックスを抱えているようにも感じます。それが、最後のところにある、任天堂にたいしてのあこがれのようなコメントにつながっているのではないでしょうか。『ノウハウが足りない』というコメントですよね。
正直、和田氏は畑違いなこともあり、ゲームそのものについての創造性はありません。また、ゲームに対する愛情もありません。そのかわり、ビジネスモデルや経理面などでの工夫には長けているのでしょう。本来は、ゲーム作りのところは開発部隊が先導して創造的なものを提案できればいいのでしょうが、そうした創造性が開発部隊にも欠けているのが、現在のスクエニのネックなところではないでしょうか。ゲーム作りの熱意も、FF13のような中二病グラフィックといった変な方向に注いじゃっていますし。
自分はとかく和田社長ばかりを批判してきましたが、たとえ和田社長がよりゲームに詳しく、愛情を持てるようになったからと言って解決する問題でもなさそうに思えて来ました。開発部隊も、よくユーザの嗜好の変化、飽き具合を考慮して、自らの情熱の注ぎ方を間違えないようにする必要があるでしょうね。