「任天堂は、任天堂プラットフォームとしてのシェア拡大を強めていく」 by 西川善司
先日、自分も日記でとりあげた(URL)ゲームライターの西川善司氏。その西川氏が、自身のHP「突(善)変異」にて、自身のE3記事の総括を公開されています。
DIARY MAY 06
この中で、西川氏はかなり大胆なコメントをいくつかされています。とくに、黄色で強調されている部分をリストアップしてみますと、以下の通り。
どれもあくまで西川氏の予想ではありますが、本当だとすればなかなかインパクトがある事柄ばかりです。PS3が上位モデルのみ、というのはPSPで実際にとられた戦法ですよね。単体売りはごくわずか、本当はバリューパックばかりという戦法です。世間的には安い方を基準に報じられるので、ずるっぽいですがうまい戦略でもあります。Xbox360についても、PS3に対抗してHDMI搭載、HD DVDドライブ搭載という発売当初に出ていた噂と同レベルの予想ですね。
そして、任天堂については、かなりネガティブな記述。「ナンバーワンは諦める」という過激な発言です。とはいえ、たしかに任天堂の岩田社長や宮本氏自身も、「他のゲーム機と争っているのではなく、全く新しいところをねらっている」と言っているので、それにそっていると言えなくもありません。ただ、現状のXbox360の苦戦、PS3の高価格を考えると、意図して無くても結果的にナンバーワンになってしまう可能性は残されていると思うんですけどね。
ただ、その後に続く以下の発言はちょっとひどいなぁ、と感じました。
任天堂自体は、先日の説明会でもサードを支援していくと返答しているんですけどね。それに上記の発言の主な根拠も「スピーカーの機能がサードに知らされていなかった」というだけのようですし。たしかにこの機能は任天堂社内でしか知らされていませんが、そもそもこの機能自体が先日のEGMのインタビュー(URL)にあるよう、任天堂のハード&ソフト開発部の試行錯誤で生み出されたもの。そして、最近になって追加されたものであり、下手に情報を流すと安易に他社にまねされかねないものでもあります。まだ本体が発売もしていない段階で「サードに情報が知らされていなかった」というだけで「サードの扱いを寒くする」と解釈するのはあんまりでは、と思いますね。ゲームキューブ用の開発機材で開発しているのだって、その開発機材を任天堂が頑張って作っているんだから、仕方ないでしょう。それを言ったら、PS3だってSCEしか最新開発機材を持っていなくてサードに冷たい、ってことになってしまいますし。
また、「ファミコン、スーファミ時代の再来」という引き合いもよく分かりません。ファミコンやスーファミの時に、開発機材に任天堂と他のサードとで差があったのでしょうか?自分にはそう思えないのですが。単に、ファミコン、スーファミの頃に任天堂がROMでロイヤリティをサードから多く取っていたとか、そういう点で「サードに冷たい」と言っているなら、それは今回のWiiの例とは関係ない話なんじゃないでしょうか?どうも、西川氏の意見には、感情的な偏見が混ざっているように思えてしまいます。
もっとも、この文章はマスコミに投稿されている記事ではないですし、個人のHPで個人の意見を言うのは当然自由です。でも、そのわりにはコメント中で「確率の高い予測」などという、信憑性があるようなニュアンスの言葉も含まれているんですよね。個人のHPでも公然とさらされるわけですし、当然読む側の中にはゲームライターの発言として真面目にとらえる人もいるわけですので、ある程度自身の影響力を考慮された発言をしただければ、と自分は思います。