NewsweekにおけるWiiに関する記事

海外の大手マスコミ雑誌、NewsweekWiiに関しての3ページにわたる記事が載っているらしく、その内容がMSNBCのサイトで公開されています。

Playing with Gaming - Newsweek: International Editions - MSNBC.com

上記記事について、2ch任天堂Wiiスレにおいて、全ページを日本語訳されて公開している方がいらっしゃいました。なかなか読み応えがある内容でしたので、以下にその日本語訳を転載させていただきたいと思います。
注意:こちらの記事は自分が翻訳した記事ではありません。また、日本語版Newsweekの記事とも一切関係ありませんのでご注意ください。内容に問題がある場合は削除します。


引用元:任天堂新世代機 Wii 総合スレ 第248革命の>>755


>755 名前:名無しさん必死だな[sage 受信PASS:Wii] 投稿日:2006/05/24(水) 17:49:24 id:hzvxjjvy
>http://www.uploda.org/uporg399187.txt.html
>
>http://msnbc.msn.com/id/12891555/site/newsweek/を翻訳してみた。

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Playing with Gaming
Nintendo's recently unveiled Wii gaming console could cap off a remarkable comeback.

By N'Gai Croal
Newsweek International

2006年5月29日 - 映画におけるカンヌにあたる、300億ドル規模のビデオゲーム市場に最も重要な展示会がElectoronic Entertainment Expo(E3)である。ロスアンゼルスで毎年5月に開催されるE3では、各メーカーが自社の宣伝と市場における影響力を見せつけようとする。このE3に続けて、3大ゲームコンソールメーカー(Sony、Nintendo、Microsoft)それぞれのプレスカンファレンスが次々に行われる。しかし脚本を読むだけで映画の出来がわからないのと同じく、ゲームは実際にプレイしない限り出来栄えは分からない。任天堂は切羽詰まっており、性能が低い彼らのコンソールは、現在日本ではソニーに遠く及ばない二番手であり、北米とヨーロッパではマイクロソフトに続く三番手となっている。
今年のE3において、任天堂Wii(ウィーと発音する)の革命的な新型コントローラを触るまで三時間もまたなければならなかったという事実は、任天堂の経営陣を大きく喜ばせたに違いない。テレビのリモコンに似たコントローラを付けたWiiにて、任天堂は背水の一発勝負を挑んでいるからだ。彼らの望みは、楽しげで人目を引くジェスチャー主体のコントローラである。テニスゲームをするにはコントローラを前後に振ればよいし、マリオに石を投げさせるにはコントローラを一振りすればよいし、敵を射撃するには画面に照準を合わせればよい。このコントローラは、女性や中高年に幅広く受け入れられるだろう。
今回のE3は、これまで多くの専門家たちにコンソールビジネスを酷評されてきた任天堂にとって、大きな転換点となるだろう。任天堂は1985年から1994年に渡りゲームビジネスの根幹を握っていたが、そこからおかしな決定やミスを繰り返したため、多くのサードパーティを失うこととなった。それに連れてアメリカ市場における任天堂の市場シェアは、80年代に記録した90%から現在では14%にまで落ち込んでいる。日本ではまだましであるが、ヨーロッパではさらにひどい。しかしようやく、新経営陣による新しい戦略動き出したこと、および長年に渡り収益を提供した携帯ゲーム機部門のおかげにより、任天堂は据え置きゲーム機においても市場シェアを奪還する準備が整いつつある。「マイクロソフトソニーは、もうずっと据え置き市場の大戦争を続けている」とTHQのCEOであるBrian Farrellは語る。「任天堂は一貫して冷静であり『この戦争には加わらない。別の進路を進もう』と言いつづけています」と彼は続けた。
『別の進路』に舵を取ったのは、任天堂の社長である岩田聡氏だった。長年代表取締役の地位にあった山内博氏の後を継いだ2002年、当時リリースされたゲームキューブ任天堂は5000万台販売すると彼は高らかに宣言した。このとき任天堂が見落としていたのは、西洋における青年以降のゲーマーたちの動向が変化しつつあったことだ。彼らはルイージマンションスーパーマリオサンシャインのような低年齢向けゲームを嫌い、Grand Theft Auto 3やHaloのようなリアルな残虐さを求めていたのだった(ある重役は不機嫌そうに「マリオは間違っても売春婦を殺し始めたりしないからな」と言い切ったものだ)。岩田氏の時代となって一年後には、販売不振のため数ヶ月ゲームキューブ向けの開発を中断しなければならない羽目に陥った。同じころプレイステーション2は爆発的な売上を続け、Xboxは立ち上げに成功していたのだった。さらに追い討ちをかけるように、2003年中旬にはソニーが「21世紀のウォークマン、Play Station Portable」を引っさげて携帯ゲーム市場に参入すると発表した。当時の任天堂にとって携帯ゲーム市場は独占状態の金城湯池である。この直後には、セガが2001年に苦渋の決断をしたように、任天堂がハードウェアから撤退して他社ハードウェア向けのソフト開発会社になるのではないかとの噂が飛び交うようになっていた。

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しかしゲームキューブがゆっくりとどん詰まりに向かいつつある中、岩田氏は任天堂の再生に向けて労力を費やしていた。彼は社内に特別チームを編成し、なぜノンゲーマーがゲームをしないのか、そして彼らにゲームをしてもらう方法を追求した。チームは任天堂の成功作である、ゲームボーイアドバンスの後継機から取り組みをはじめ、岩田氏とチームが得た結論は、インターフェイスを根本的に変革しなければゲーム人口を増やすことができないだろうということだった。この結果が、ニンテンドーDSだった。1枚画面で十字キーとボタンというゲームボーイ風デザインを捨て、2画面(そのうちひとつはタッチスクリーン)でマイクを付け、ニンテンドー64世代のグラフィックチップを採用したのだった。
一見これらはすべてにおいて、美しくてパワフルなソニーPSPとはまったく対照的であるように思える。しかし任天堂懐疑派たちが見落としていたのは、任天堂の伝説的ゲームプロデューサー宮本茂氏の才能だった。2005年の春までに任天堂はDSの新タイトルとしてニンテンドッグスを発表した。これはタッチスクリーンを使って子犬を撫でたりお風呂に入れたり、マイクを使って呼びかけたり、Wi-Fiを利用して他のプレイヤーとプレゼントを交換したりできるようになっていた。ニンテンドッグスは日本において稀に見る成功を収め、特に女の子と女性たちに評判が高く、世界中で600万本の売上を達成した。続いて発売された「脳を鍛える」シリーズ、これは日本の博士によって出版されていたmental-exercise本にヒントを得たものである。これは立ち上がりこそ緩やかだったが、年齢にかかわり無く購入され始めるにつれ販売数を増やしていった。そして日本だけで200万本を販売したのだった。これらヒット作のおかげで、DSはPSPに二倍の差をつけることになった。2004年時点において、ソニーのゲーム機(PS、PS2PSP)はソフトウェア販売総数の54%を占めていた。だが2005年、DSに救われる形で任天堂のゲーム機(ゲームキューブゲームボーイ、DS)がソフト販売総数の54%を占めた。
Wii(開発コードはレボリューション)は、岩田氏と宮本氏が放つ「市場拡大」戦略の第二弾である。Wiiの核心は(PS3Xbox 360のような)最新のCPUやグラフィックスチップではない。グラフィックスパワーという観点で見れば、Wiiは5年前に発売された初代Xboxと変わらないだろう。Wiiの核心は最新ハードウェアではなく、我々が普段手にしている家電のリモコンのようにデザインされた、ワイアレスのポインティング装置である。リモコンに似ているおかげで、初心者も操作を恐れないだろう。またWiiのコントローラは、腕の動きをそのまま伝えるモーションセンサーを備えており、これによってボタンを押したりスティックを操るよりも直感的な操作が可能である。「ちょっと遊ぶだけで誰もが面白さを感じられるようにしたかったのです」と宮本氏は言う。このコントローラは「一世代前の近未来デザイン」として登場したアップルのiPodを髣髴とさせる。
ハードコアなゲーマーたちが愛してやまない人気タイトルに(Wiiを)適応させるため、任天堂Wiiは「ヌンチャク」コントローラもつかえる。これはジョイスティックやボタンを装備しており、西洋のファンが「Wii-mote」と呼ぶ基本のコントローラに接続して使う。Wiiが巧妙で自然な操作を目指しているのに合わせて、ヌンチャクはゲーム内でリアルな行動を可能にする。このようなシステムを前提として宮本氏と彼のチームは、より楽しく感じられるようなゲームのために奮闘中である。「ゼルダではもともと、剣を振るにはプレイヤーもWiiリモートを剣のように振るようになっていました。しかしずっとWiiリモートを振ると疲れてしまいます」と彼は言う。現在はボタンを押すとゲーム内で剣が振られるようになっており、プレイヤーが実際にWiiリモートを振る機会は、下突きで敵に止めを刺す場合などに限られている。まだまだゲーム中で場所をポイントしたり、矢を射る動作などに調整が必要な段階であるにもかかわらず、ニューズウィークの記事によればWiiへの反応はきわめて良好だという。Wiiで開発されているゲームは、現在のところ「これまでと同じようなゲームを、新しい操作で遊ぶ」段階であることを、宮本氏も認めている。しかしこの状況はいずれ変わると宮本氏は協調する。「二年後、我々はこのコントローラでしか味わえないすごいゲームをたくさんそろえていることでしょう」と。

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DSの成功、および岩田氏などがサードパーティとの関係を改善してきたことにより、Wiiゲームキューブよりも分厚いサポート体制を確立しつつある。DSよりもWiiの開発を他社へ開放したことにより、たとえばエレクトロニック・アーツ社は、「任天堂オタク」を自認するJohn Schappert(2つの大手開発スタジオを率いている)にWiiタイトルの開発に当たらせている。「我々は、任天堂が躓かずにDS立ち上げを成功させたという事実を見てきた。だから我々はWiiでもそれと同じ戦略を取る」とJohn Schappertは言った。フランスUbiソフトアメリカ部門を率いるLaurent Detocは、以前から任天堂とより緊密な関係を築こうと考えていた。だから任天堂UbiソフトWii初のFPS製作を打診したとき、他のFPSゲームが軒並みXbox 360で出されているにもかかわらず彼はそのチャンスに飛びついた。「私はNintendo 64の『ゴールデンアイ』をとてつもなくやりこんだんだ。だから任天堂ゲーム機でFPSが成功しないなんて思わないよ」と彼は言った。
E3 2006で見せたWiiのすばらしい登場は、ソニーが発表した499ドルと599ドルというPS3の驚くべき価格との相乗効果により、これまで任天堂を無視していたアナリストたちに、任天堂の復活がDS以降も続くという印象を与えた。「Wii任天堂ファンが買うだけではなく、PS3Xbox 360購入者が二台目として買うだろう」とWedbush MorganのアナリストMichael Patcterは言う。日本では、コナミのようなゲーム開発会社はもっと強気である。「Wiiの将来は、DSの爆発的な成功に基づいて考えることができる。なぜならWiiの戦略はDSと同じだからだ」とコナミのゲーム部門責任者である石塚通弘氏は言う。岡三証券アナリストの森田正司氏は、Wiiが過去のゲームを遊ぶ機能を持っていることが、ノンゲーマーだけではなく、一度ゲームをやめた人々を呼び戻すだろうと確信している。任天堂Wiiの価格と発売日をまだ明らかにしていないが、競合他社よりも安く、グラフィックス厨房を巡って対立するソニーマイクロソフトとは別の道を行くだろうと予想されている。もしゲーム機戦争が地獄であるとしたら、任天堂はむしろ平和をもたらすのかもしれない。