性能について

Wiiが他の次世代機とくらべて劣ったグラフィック性能しか持たないことについてもコメントされています。ここでは、しきりに、「高性能化そのものを批判している訳ではない」という意見を繰り返しています。まあ、久多良木社長には「新技術に挑戦しないエクスキューズ(言い訳)」とか言われちゃってますからね(参照)。単なる逃げではないことを強調しておきたいのでしょう。
自分も正直、HDへの対応はぜひしてほしかったと思う一人ですが、他の機種の価格を見てしまうと、岩田社長の主張もある程度説得力はあります。いちおう、480p、16:9は対応してくれているし、HDTVでもそれなりに見れそうですから。あくまで、バランスの問題ということで。

この性能の件について、岩田社長が述べている以下のコメントが最高。

もちろん,リッチなコンテンツはリッチなコンテンツで否定するわけではありません。あれは大事だし,これからもなければいけない。でもみなさん,毎日フランス料理や会席料理じゃ飽きるでしょ。たまにはお茶漬けも食べたい。ゲーム・ビジネスがあまりに一方向しか向いていないので,「ちょっと待った,ほかにも道がある」というメッセージを込めたのが今回のWiiです。

以前自分が記事でふれた久多良木氏の「PS3=高級レストラン、Wii=社員食堂」を真っ向から、そして的確に否定するコメント。読んでおもわず吹き出してしまいました。久多良木氏のインタビューを聞かずにこのコメントをしていたらたいしたものですし、知っていたとしたら、なかなかにくいこと言うな、という感じですね。

また、別の比喩もわかりやすいですよね。

 我々は技術を全然否定していない。任天堂は技術否定論者と捉えられがちだが,全然そんなことはない。新しい技術の生かし方には,いろんな方向があるということだ。F1カーを目指す人がいれば,ハイブリッド車を目指す人もいる。決して競争じゃない。ただ,どちらの方向がお客様の数を増やすのに有効なのかを考え抜いた結果である。

ようは、技術は何もパワーだけじゃないよ、ということですよね。これは、最近のすべての業界における流れのような気がします。いつまでも馬力ばかりにこだわる方が時代遅れな感じもしますね。

まあ、任天堂Wiiではユーザインタフェースに注力したというだけで、Wiiの次の世代では普通にHD対応してくるでしょう。そのころには2011年のアナログ放送終了前後でしょうし、HDTV普及率も相当上がっているでしょうし。現状では消費者の7割近くはSDTVであり、TVでPS3Xbox360のCM見ても美しさが伝わりにくいだろう、という岩田社長の指摘もなかなか的を射ています。(もっとも、ハイビジョンTVで見るとXbox360のCMはきれいだなーと感じますけどね。)
この性能の件については、任天堂的には結びのコメントがすべてでしょう。

−CPUの動作周波数を教えて下さい。

岩田氏:ユーザーにとって,動作周波数の数字には意味がありませんから。

かっくいいいいいいいいーーーーー。