SCEのスタッフに問いたい -「あなたはPS3を発売日に買いますか?」:Slash Games (オンラインゲーム総合サイト) 2006/05/10

PS3の衝撃的な価格発表。それに対するマスコミの反応はさまざまですね。その中でも非常に興味深いというか共感がもてる記事がこちら。
非常に素直な、ショックの受けた様子が語られています。値段発表直後の何とも言えない雰囲気、動揺の表現がリアルです。そして、一貫して「ゲーム機」としてのPS3についてコメントしています。PS3のコントローラについても、MSの「SideWinder Freestyle Pro」に近い、とはっきりコメントしているところが素敵です。PS3コントローラをつかった「ならでは」のソフトがないことにも不満を見せています。開発状況が厳しいと思わせる事項についても冷静につっこみを入れてますね。
そして何よりも重い言葉が以下の部分ですね。

ここで改めてSCEスタッフに質問を投げかけてみたい。

 「あなたはPS3を発売日に買いますか?」

うーん、これは作り手としては痛いところでしょうね。3万ぐらいだったら社員全員買っていてもおかしくないですが、7万となるとさすがに考えるのではないでしょうか?しばらくPS2でもいいや、と思う人がいる可能性もありそうですからね。でも、それが消費者に知れたら「社員も買わないものを売るのか!」と悪いイメージを与えかねませんし。
とはいえ、会社から社員に全員PS3を買うよう強制することは難しいでしょう。そんなことしたらほとんど給料の現物提供レベル。労働組合がだまっちゃいないでしょうから。結局は社員一人一人の判断となるでしょうね。

で、この記者はどうするかというと、これもまたなかなか味のある締め方をしています。

筆者はどうか。ゲームライターという職業柄、発売日に60GB版を購入するのは責務だ。HDMI端子などの機能が省略された20GB版は、SCEのいう「世界最高のエンターテイメント向けコンピュータ」という形容にふさわしくないように思えるからだ。もちろん自費である。ただしフルスペックHDTVを同時購入する予算は、残念ながらない。

廉価版の方をさらっと「世界最高という形容にふさわしくない」と劣化版扱いしておいて、さらに高い方を買ってもそれを生かすためのHDTVは買わないと皮肉でしめています。まさに、ここが現状のPS3の矛盾しているところですからね。

6万円の方はPS3のコンセプトからすると以下の点でおかしいですからね。

  • HDMIがない
    • 1080p出力してもD5搭載TVがほとんどなく、1080pで表示できない
    • DVDをHDにアプコンして表示することができない(アナログは480pまで)
  • 無線LANがない
    • PSPと連動することができない
  • HDD20GB
    • HDD前提でないはずのXbox360でも足りないという声が出ており、容量が足りなそう。
    • BD1層(25GB)にも満たず、フルインストールもできない可能性あり。

まあ、言ってみればXbox360の海外におけるコアパックのようなものですね。あっちはHD出力用ケーブルすらなかったですが、PS3HDMIを後から足すことができない分たちが悪いかも知れません。要するに、PS3通常版と呼べるのは60GBモデルのほうの訳です。そちらをオープン価格にして高そうに見せないところなど、本当にソニーの血のにじむような(間違った方向での)努力が見られますけどね。それでも、部品単価が9万円とか見積もられていたぐらいですから、60GBモデルが約7万5000円とすると、これですら結構な赤な訳ですけどね。

とりあえず、久多良木氏には、「PS3をいくつ買いますか?」って聞きたいところですねw。買えば買うほど、赤字は増えるわけですけど。