シマンテック、PSPを標的としたトロイの木馬を確認。無認可のハックツールで侵入、システムを破壊し操作不能に

ちょくちょくセキュリティホールが発生していたPSP。これまではそれは主に自作ツール、エミュに使うために利用され、ぶっちゃけユーザ有利に機能していたわけですが、とうとうこれを悪用したトロイの木馬が開発されたようです。
まあ、正直このセキュリティホールが見つかったときから、PSPユーザ渇望のダウングレード機能に飛びつくのは目に見えてましたし、そうしたゆがんだ需要に対してはこうしたウィルスがすぐに発生する、というのはWinnyキンタマウィルスの件を見ても自明でした。そうした意味では、当たり前の問題が当たり前のものとして顕在したとも言えるでしょう。
しかし、とうとうPSPという、ゲーム機の名前を冠するウィルスが出てしまうとは…。本当に、ソニーはゲーム機という常識をいろいろぶちこわしてくれますね。もちろん悪い意味で。
今回の件も、そもそもPSPセキュリティホールがなく、エミュレータが動かないようにしてあれば起きなかった事態です。なまじエミュレータみたいな違法かつ魅力的なものが転がっているために、Winny同様一部の人たちがふらふらと吸い寄せられてしまうわけです。また、PSPファームアップデート機能というのも今回の問題に関与していると言えるでしょう。なまじファームを書き換えられてしまうから、その分ハッキングされるわけで、しかもそれを使ったアップデートをさせられてしまうのです。PSPはなまじ何でもできるようにつくられているために、ハッカーたちになんでもやりたいようにされてしまうわけで。DSやGBAもマジコンという大きな問題を抱えていますが、危険を冒して違法な物品を購入しなければいけないマジコンとくらべ、PSPはすべてオンラインで解決してしまいます。このあたりも問題を大きくしていますよね。
今回の件で、ソニーは一切サポートしないとのこと。まあ、改造しているのだから当然といえば当然でしょう。しかし、本当に許容力があるならば、なんらかのフォローはしてもいいのではないでしょうか。数千円でファーム初期化とか。最近ではMicrosoftWinnyのウィルス駆除ソフトを提供などもおこなっていますし。
マイクロソフト、ウイルス駆除ツール最新版で「Antinny」に対応
ユーザの行動が元とはいえ、根幹としては自らがそのウィルスが実行されうる環境を作ってしまっていたのですから、なんらかのフォローをしてあげてもいいと思いますけどね。某所じゃ、「セキュリティホールを使ってエミュをやられるのを防止するため、あえてウィルスを作ってながしたんじゃないか。嫌でもアップデートさせるように」とか噂が言われちゃってますしね。実際、今のところこれらのセキュリティホールはユーザのメリットにしかなってなかった訳ですし。

ともかく、ゲーム機用ウィルスという悪しき伝統を作ってしまったPSP。これからどんな対策を取るのやら。