今月のニンテンドードリーム

今日発売の任天堂ゲーム関連雑誌ニンテンドードリーム。その特典がなかなかすごい。

2大付録
-スーパーマリオシリーズサントラCD
-ファミコンミニ スーパーマリオブラザーズ完全攻略本

マリオはなんと全曲集。トータル72分越えとか言ってます。というか、普通にサントラCDとして売れるんじゃないの、これ？
ということで、自分もコレクションの意味で買ってきました。買うのはファミコンミニディスクシステム編が出たとき以来かな？このときもディスクシステムゲームの豪華サントラがついていたので。
で、内容を見ていましたが、まず冒頭の「サウンドビッグ対談／すぎやまこういち＋近藤浩治」がなかなか熱い。あのドラクエの作曲者すぎやまこういちと、マリオ＋ゼルダシリーズの作曲者近藤浩治。どちらも日本ゲーム界を代表する音楽家です。自分はゲームミュージックマニアですが、ファルコムやZUNTATA、SSTといった、いわゆる格好いい系の曲が好きだったので、とくに近藤浩治さんとかは名前をよく知りませんでした。しかし、ゼルダやマリオの曲が名曲であることはしっかり体感してましたからね。この対談は豪華です。

その内容もなかなか熱い。まず、すぎやまこういちのドラクエ話。たぶん、どこか他のところでも語られている話なんだろうけど、エニックスのアンケートはがきを出して、それを機にエニックスの仕事をするようになったと。ウイングマンとか書いてありますが、ちゃんと自分は持ってますよ。ウイングマン＋ジーザスのゲームミュージック。非常にいい曲です。そして、肝心のドラクエは、実はすでに話が来たときは完成間近で、曲も入っていた模様。ただ、ここでエニックスのだめ出しが入り、「全部プロを使おう」という視点で堀井祐二、鳥山明に続いて音楽でもすぎやまこういちを採用したそうだ。このあたりは、ドラクエを伝説にしたのはエニックス側の企画力の力もあるのだな、と痛感。
そして、ドラクエの曲はなんと1週間で作成することに。現場の開発者は、外部の人間であるすぎやま氏を敵視していたけど、すぎやま氏がモノポリーとかやりこんでるマニアだと知って逆に尊敬されたらしい。そして、本当に1週間であの曲を作ってしまったのだからすごい。
既に2chなどでも話題になっていましたが、トラック数に関する話はまさに爽快です。

「３トラックで音楽ができるわけがない」という声も聞かれたんですが、僕から言わせると「それは力がないだけだ」ということになるわけです。
バッハの「フルートのための無伴奏パルティータ」は、フルート1本ですばらしい組曲ができているわけです。あれは、1トラックなんだよね。1トラックでもメロディ、ハーモニー、リズムを全部表現できるということを、大先輩のバッハがやっているわけですから、「２トラックではできません」というのは、プロのセリフではないわけです。

このあたりのコメントは、実績のなせる技ですね。2chでよく対比としてあげられるクタタンのコメントとは雲泥の違いです。

もっとも驚いたのは、ファミコンをやってるときに、サウンドトラックが4本しかありませんと、音のディレイもありませんと、それで音楽を表現しないといけないと。そんなもんで音楽なんてやれませんよね。ところが、その狭い世界でもある種の“美学”があってね、こうやればこう鳴りますと。それも確かに音楽だよね。それをぼくは否定しないんだけども、だけど一般の人、普通の人はそれで感動するかというと、ぼくは感動しないと思う。なぜかというと、それを感動させるのはクリエイターなの。その場合、クリエイターが感動してない、クリエイターがやりたいと思ってない。それで聴いた人が感動するはずがない。要はクリエイターがやりたいと思ってることがやれるかどうかというのがキーなんです。
これがプレステ２だ！―SCE久多良木健氏インタビュー―

ドラクエのフィールドの曲についても、コメント有り。近藤氏が「なぜこんな哀愁のある曲にしたのか」という質問に対して、ゲームとしての実際のシーンをイメージしたと。たしかに、あの曲は名曲ですよね。めっちゃくちゃみじかいんですけど、完成されている。これだけ短くていい曲はなかなかありません。（個人的には、ファミコンの「ドラえもん　ギガゾンビの逆襲」の魔界面フィールドの曲がこれに通じる短くて名曲に入ると感じていますが…、だれも知らないだろうなw。）

一方、すぎやま氏と比較するとボリュームは少ないが近藤氏のコメントも。近藤氏の方は、けっこうすぎやま氏とはスタイルが違っていて、スーパーマリオの曲の制作も3ヶ月かけていたり、アクションゲームということで、場面が切り替わったときのつかみが重要、とか視点が異なっているのがおもしろかったです。

ということで、今月のニンドリ、マリオのCD＋攻略にあわせてこのBIG対談。値段は650円程度ですので、気になったら購入されてみてはいかがでしょうか。