2005CESAゲーム白書

今週のファミ通より。パワプロ12の攻略別冊付録があったので購入したわけですが、面白いデータが載っていました。

○ソフト開発費

まず、一つはすでに2chなどでも話題に取り上げられていた「ソフト開発費の平均」。以下のようなデータのようです。

Xbox 2億200万円 13タイトル
PS2 9600万円 194タイトル
GC 9000万円 11タイトル
PSP 9000万円 6タイトル
PS1 8000万円 1タイトル
GBA 5300万円 47タイトル
NDS 3700万円 3タイトル
DC 2500万円 2タイトル

とりあえず、サンプルの数のばらつきが大きすぎです。あと、せめて平均だけでなく、分散か分布図も書いて欲しかった。これだと単純に平均値だけで比較するのは難しい、正確さに欠けてしまうでしょうね。
特に有名どころでは、PS2のデータはなんと「廉価版も含む」。廉価版なんて、基本的にパッケージを買えるだけだから、開発費など微々たるものでしょう。それで分母の数が減っているのですからあてになりません。また、本数から見ても、Simpleシリーズといったタイトルも入っていそうで、実際はもっと大きな数字となっているでしょう。
一方で、サンプルが少ないのがNDS。でも、さすがに3本しかないと、平均値自体は信憑性があります。問題はどのタイトルか、ですが。PSPも6タイトルということで、それほどおかしな平均値ではないのでしょう。
こうしてみると、PSPの開発費の高さ、NDSの安さが目につきますね。PSPでは据え置き並、NDSGBAより安いのですから。これについて、見方としては「消費者から」と「ソフト会社から」の両方のメリット・デメリットが見て取れます。
まず、消費者から見た場合。これはやはり、「ニンテンドーDSのソフトはもっと安くてもいい」というところでしょう。これは常々自分が主張している点です。NDSのいいところは、手軽にプレイできること、タッチペンなどにより、ちょっとしたアイデアでゲームにできることです。そして、現在爆発的に売れている脳トレややわあたも、その要因は値段が非常に大きいでしょう。自分が過去に買ったタイトルも、明らかにアイデアはいいけどボリュームに欠けるソフトが多いです。別にボリュームが少ないのは悪くないので、せめて開発費が安いなら、もうちょっと安くして欲しいですね。
さて、次にソフト会社から見た場合。それは「PSPソフトのうまみのなさ」でしょう。開発は据え置きゲーム並にかかるにもかかわらず、価格はニンテンドーDSと一緒。本当はソフト会社としてはもっと価格を上げたいのではないでしょうか?だが、GBA,NDSがあるせいで、とても値段をあげられない。利益率、という意味では明らかにうまみがありません。
それでも、PS2などであれば、ハードの絶対的普及率・支配率から、「数が売れること」を期待できます。これがうまみになるわけです。一方で、PSPでは、任天堂というライバルはいないものの、ハードは支配的ではありません。しかも、ゲーム内容はPS2とかぶる…となると、正直PSPでソフトを出すメリットが少ないのではないでしょうか?

たしかに、9月には多数のソフトが出てきます。しかし、これはおそらく、どれもPSP発売前、もしくは当初の段階で制作されたゲームばかりでしょう。問題は、その次の作品です。この9月のソフトラッシュで大きく売り上げを伸ばさない限り、ソフトを出す会社はますます少なくなるのではないでしょうか?

○その他のデータ

その他のデータとしては、ユーザのゲームに関する取り組みについてでしょうか。テレビゲームを今もしている層が31.9%に対して、今はほとんどしていないのが37.7%。さらにゲームのプレイ時間も、平日は一時間程度が32%。見事にゲーム離れしていることがよくわかります。こうした、ゲームから離れた層をねらったのは、本来PSPだったようなきもするのですが、移植が思ったよりすすまないのがネックでしたね。逆に自分もその一人ですが、DSの方が再びゲームの楽しさを教えてくれた感がある。応援団なんか、久しぶりにゲームとしての楽しさを堪能しましたから。


こうしたデータを見ていると、現状「ゲーム機」としてのPSPのずれっぷりがよくわかります。ソニーの新会長も、PSPを応援すると入っても、それは単なる携帯メディアプレーヤーとして。iPodの動画版が出たら、まじめに終了な予感もしてしまいますね。