「DSらしさへの慣れ」とは

最近、公式ページも作られて、いよいよ発売が見えてきたパックピクス。世間的にも注目度は高そうです。そんな中、著名な忍さんがパックピクスのネガティブなコメントを出しています。
忍之閻魔帳:DSらしさに早くも慣れが「パックピクス」

正直なところ、今のままでは「ちょっと難しい『さわるメイドインワリオ』」
の域を出ていない気がする。

という切り口。また、新しいギミックの矢印なども、その認識率がいまいちだったらしく、不満を持っている模様。似た感想はたしかに、他でもよく聞かれます。
個人的にニンテンドーワールドでパックピクスをプレイした際には、特にパックマンを描くのに苦労しませんでした。すぐにコツをつかみ、画面上に10匹ぐらい大量に増殖させて、結構爽快だった。ただ、列に並んでいるときに後ろから見ていると、かなり苦戦している人が多い。まず書き順が分かっていない人が多い。また、しっかりとパックマンを描こうとしすぎて、時間がかかりすぎている人も多い。
PDAとかで、手書き文字入力をしたことをした人なら分かると思うのだが、こうしたペンによる入力は、「最終的にどういった図を書くか」、ではなく、「どういう順序で線を描くか」が重要となる。というのも、内部的には、タッチペンでなぞられた座標を一定距離で区切って座標を設定。あとはその点を結んだ細かな線分について、線分同士の角度を判定して文字認識を行うわけです。
つまり、重要なのは、「どこでどの程度曲がったか」ということ。パックマンで言えば、正直「くの字」だけちゃんと描けば、残りの丸いところは適当で良いわけです。実際、自分は、三日月藻みたいな縦長のパックマンを描いて量産してましたから。

さわるメイドインワリオ」と「パックピックス」の大きく違うところは、ワリオがタッチペンで描くことそのものを体験させて楽しませるゲームであったのに対して、パックピックスは、タッチペンで描くことをあくまで入力ツールとして使わせることにあると思います。
忍さんは、下のような感想を述べられています。

DSらしいソフトと言えばそうなのだが、タッチパネルを使ったソフトは
既にいくつも発売されており、使い方も微妙に似通っている。
そこへきてさぁ今度は「パックマン」ですよと言われても、
DSらしさにもそろそろ慣れてきた身としてはあまり食指は動かなかった。

この指摘は、たしかにある一面では真実をついていると思う。ただ、「慣れ」という言葉の定義を、もう少し細かくすべきではないだろうか?
「タッチペンで描くこと自体を楽しいと思うこと(feeling)への慣れ」と言うことでは、たしかに見本的な作りのさワリオで慣れているかも知れない。パックピクスも二番煎じに感じるだろう。
ただし、「タッチペンを入力ツールとして使いこなすこと(operating)への慣れ」という意味では、まだまだではないだろうか?PDAなどをふれている人は、比較的慣れが早い。友人などでも、タッチペン操作のコツをつかんでいるかどうかで、かなりDSを扱う腕に差が出てましたから。

忍さんの記事のタイトル、「DSらしさに早くも慣れが」という言葉ですが、、自分は逆に、パックピクスこそ、より一層の「DSらしさへの慣れ」が必要だと思いました。