DSソフト販売予想下回る、任天堂が連結決算を下方修正

id:wapa:20050124で、ニンテンドーDSに関するネガティブな部分をふれたばかりだったが、いきなり任天堂からそれを裏付けるニュースが出されました。決算の下方修正。第一報は共同通信の記事がYahoo!のトップで。これのタイトルが「ソフト販売不振で下方修正 任天堂、DS向けつまずく」というもので、非常にショッキングだった。しかも、その文章では、以下のような記述。

年末商戦ではソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション・ポータブル」との対決が話題になったが、ソフト販売では出足でつまずいた。

いや、たしかに間違ってはいないのだけど、これだとPSPに比べてソフト販売数で負けているかのような印象が。共同通信は速報で走り書きのような記事を書くことがあるが、これも最後の短評がなんか雑につけた感がある。
これは各方面で話題になっているが、タイトルでは朝日新聞の記事を引用。asahi.comに出るのはインパクトでかいよなぁ。それを証拠に、株価任天堂(株) (東証1部:7974)も、報道直後からすごい落下の仕方。これまで順調に販売を伸ばしていたと思われていただけに、その反動が大きかったらしい。とはいえ、ブルームバーグに載っていた分析によると、以下のようなものらしい。

大和総研の前田栄二アナリストは、任天堂の収益下方修正について「為替の要因は想定済みで、ソフト販売の不振もある程度は考えていた」と指摘した。株価については「会社側が早い段階で業績を下方修正し、マーケットではまだ織り込んでいない部分もある」として、売り圧力が強まると予想した。
ただ「業績下方修正の2つの要因は、ともに根が深くはない」として、株価が一段と下押しする場面は「逆に買い場になる」と強調した。

要するに、この間の、ソニーが下方修正したのに株価への影響が少なかった「逆ソニーショック」に対して、悪い話題の少なかった任天堂の下方修正は寝耳に水で、パニック売りが生じた、と言うことのようだ。
この下方修正の原因は特にソフトの販売数についてのようで、予想1500万が1000万になるとのこと。その中で、注目のNintendogsが4月に遅れて発売されることになった。やはり、NDSのキラーソフトと思われたこのソフトの遅れが、大きく響いたのだろう。あと、ピクトチャットGBA互換も予想を下げる原因だと言っている。

自分の感想としては、まずそもそもの1500万という数字が誇大すぎた。たしかに、NDS本体は予想以上に売れ、最初350万台を500万台に上方修正、そしてさらに今回600万台へと修正しているのだからすさまじい。だが、本体が売れたからといってソフトが売れるわけでもないのだ。「ハード50万だから『みんGOL』も50万」という、どこぞの会社と同様の「やっちゃった」感がありますね。
そもそも、繰り返すように現在のDSのソフトラインナップは不十分。みな、とりあえずニンテンドーDSという新しい遊びを体験したいために、ソフトと本体を買うと思いますが、売り上げがマリオとワリオに集中しているところから見ても、おそらく最初に1本、飽きてもう一本買うかどうかじゃないでしょうか。自分もワリオとヒトフデだけですし。
PSPといい、DSといい、ソフトが売れない1月をあまりに軽視しすぎてソフトをそろえられなかったのが痛いですね。特に、ニンテンドーDSはマシン自体は非力で、夢を見せることで売ってきた商品です。そのためには、絶えず新しい提案をして、消費者を夢から覚めさせてはいけなかった。夢から覚めてしまえば、ライトユーザでは、あえて継続的にゲームソフトを買おうとはしないでしょうから。
NDSについて、極度な悲観はしていませんが、楽観もできません。この後のキャッチ!タッチ!ヨッシー!アナザーコードメテオスの3本柱で、Nintendogsまでの間、夢を見せ続けることができるのかどうか、それが勝負でしょう。