アップル、シリコンメモリ採用の小型「iPod shuffle」

先日のCESでSCEの平井氏がPSPを「iPodキラー」と表して失笑を買いましたが、それから日をおかずにアップルから強烈なカウンターパンチを食らいました。それが、前々から噂されていたiPodのシリコンメモリ版、「iPod shuffle」。
まず注目なのがその値段。512MBで10,980円、1GBで16,980円と非常にやすい。実際、メモリスティックDuoが512Mで約1万ぐらいのことを考えると、単純にメディア代だけで、iTuneと連動して使えるiPodが手にはいるわけだ。PSPのようにばかでかいこともなく、非常にスマート、USB端子もついてそのままUSBメモリとしても使えるわけで、単純にストレージとしても魅力だ。
ただ、再生は液晶無しでランダム再生主体という、思い切った作りになっている。どっちかというと、iPodを持っているユーザが、よりコンパクトに持ち運びたいときにサブで購入する、という使われ方を想定しているのだろう。実際、自分はgigabeatG20を使っているが、ほとんど全曲ランダムか、いくつかのアルバムをまとめたフォルダランダム再生紙か使わない。順番に聞くのは、最初の一回だけだ。それぐらい、ランダム再生は大量に曲があるときは重要であり、そのあたりの攻め方はさすがアップルと言うところだ。もっとも、液晶がないために、「聴きたい曲を選ぶ」ということをするのが非常にむずかしいとは思うが。これはまあ、割り切って買うしかないのだろう。値段も安いし、遊びで買ってみてもいいかな、と思う商品だ。
しかし、これでPSPは本当に売りが動画再生しか無くなった感じ。それがあったわけではないだろうが、『冬のソナタ』のPSPタイトル誕生へといった話も出ている。ただ、冬ソナは基本的におばさまがターゲットだし、たとえおばさまにPSPが売れたとしても、PSPソフトの売り上げがあがるとはとうてい思えない。そういった意味では、動画でPSPの世界を引っ張っていくこともできないように思う。八方ふさがりな感がいなめないところだ。
iPodという巨人に対して、頭でっかちなインテリが「iPodキラー」というジャブをペチっと打ったところ、強烈なクロスカウンターパンチを食らったというところか。ダウンさせられたPSP。立ち上がることができるのか、それともそのままKOか…。