いつのまにか被害者に?〜怖いネットフィルタ誤検出:いじくるツールがウイルスバスター誤検出問題で更新停止に

いろいろなヤバいデータが飛び交っている昨今のネット。見ただけでFlashJava、ブラウザのバグをついてウィルス感染してしまうサイトや、犯罪関連、詐欺のページなど、様々な情報に溢れています。こうしたネットから人々を守る目的で導入されているのが、インターネットセキュリティ関連ソフト。ローカルのソフトでフィルタリングするもの、プロバイダや携帯キャリアが提供するもの、様々あります。ゲーム機でも、各社提供していますね。

そんな中、日本では比較的知名度の高いウイルスバスターが、かなりたちの悪いことをやらかしているようです。

窓の杜 - 【NEWS】INASOFT矢吹氏、度重なるウイルス誤検知の影響により一部ソフトの更新停止を宣言

度重なる誤検出〜直接交渉も改善見られず

被害にあったのは、いじくるツールというWindowsカスタマイズ定番ソフトを提供されているINASOFTさん。どうやら、ウイルスバスターの検出アルゴリズムが過剰すぎて、いじくるツールを公開するたびに誤検出されてしまったようです。

このあたりの経緯が当人のHPで公開されています。

いじくるつくーるがウイルスバスターによりダウンロードブロックされる件 - INASOFT 管理人のふたこと

いやぁ、なんかいろいろひどいですね。繰り返し誤検出、そのたびに解除依頼、直接面談しても状況改善しないどころか、どうも向こうもよくわかっていない様な状態。そして、モニタリングしていたはずなのに窓の杜とかで報じられる前に対処もできない。誤検出されない方法もあるようだが、それはどうもINASOFT側に費用が発生する手段っぽいとも書かれています。

被害者に与える社会的信用低下

このような事態に、作者の方が痛々しく語っています。

現在の作者の心境を語るとしたら、すぐ近くにナイフを持ったストーカーがいて、過去に2〜3度そのナイフで刺された経験があって、そして昨日も刺された状態で、また次いつ刺されるかわからない…ような状況です。

引っかかっているリンクを見ると、vectorとかまで含まれています。窓の杜vectorは大手のソフト配布サイトで、ウイルスチェックは万全と謳っているだけに、それらの会社の信用すら損なうような結果です。窓の杜では、このニュースに併せて以下のようなことも言っていますね。

また、窓の杜ライブラリでは通常、収録ソフトを更新する際、「ウイルスバスター」を含む3種類のウイルス対策ソフトで収録ファイルを検査し、問題がなかったファイルだけを収録している。しかし「ウイルスバスター」の“危険なWebサイト”認定については誤検知が多いため、その結果を参考程度と捉え、「ウイルスバスター」を含む3種のウイルス対策ソフトでダウンロードしたファイル自身を検査し、問題が検出されなければ更新対象とするよう方針を転換した。

ウェブフィルタの誤検出は窓の杜も認識しており、あくまでローカルチェックだけ信頼するとのこと。

知らないうちに自分も被害者に?

この件ですが、今回はウイルスバスターの案件でしたが、他にもフィルタリングソフトで自分がブロックされてしまう、という事態が発生している可能性もあります。

というのも、自分も以前、PSVita 3G版のドコモプライベイトSIMでアクセスした際に、ブロックされていたと報告を受けたことがあります。自分はドコモSIMの代わりにイオンSIMを使っており、確認ができなかったのですが、「なんで自分のサイトがブロック?」と驚いたものです。一体何が引っかかったのでしょう。

こうした事態は、自身がフィルタリングを使っていないとなかなか知ることができないものです。PSVitaの件も、現在すでにブロックが解除されているのかどうか分かりません。その他の会社のフィルタでもどうなっているのか気になるところです。

もし、本ブログを何かフィルタリングソフト、ウイルス対策ソフト経由で閲覧した際にブロックされたということがあった方は、よろしければコメントをいただければ幸いです。自分で何か起こせるかどうかは分かりませんが、いつの間にかネットで危険されていた、というのは気持ち悪いことですので。よろしくお願いします。