E3 2010レポート〜PlayStation Move編

E3からすっかり時間も経過してしまいましたが、E3で体験したPS3の注目機能、PlayStation Moveの体験レポートです。

MicrosoftKinectと違って、PSMoveはSCEのブースでの展示が主で、サードのソフトはあまり見かけられませんでした。そのかわり、SCEブースはガラス張りの部屋がずらっと通路に面して用意されており、大々的なアピールがされていましたね。

外観〜非常にシンプルかつ軽量なコントローラ

まずは、PSMoveのモーションコントローラの外観から。外観は非常にシンプルで、持った第一印象は「軽い」というものでした。実際、Wiiリモコンよりも重量は軽いのですが、充電池が内蔵されていて、グリップ感や重心のバランスがよいことからそう感じられるのでしょう。先端の丸いところは柔らかい材質でできており、指で持つとふにゃっとへこみます。Wiiリモコンのようなカバーが無いため人に当たった際の被害が懸念されるところですが、材質の面でカバーしているという感じでしょうか。

Wiiリモコンとの比較ですと、自分がどのプレーヤーなのかを明確にするインジケーター表示がありません。丸い光源のところが色が変わるので、これで対応する、ということなのかもしれません。ただ、この光の色は技術的に「背景に無い色を選ぶ」ということでいつも固定されている訳ではないようなので、その辺混乱するところもあるかも。またサブコントローラ(Wiiで言うヌンチャク)側はその丸い光源も無い訳で、サブコントローラの必要なゲームを4人でプレイ、とかすると、どのコントローラが誰のものか、訳分からなくなりそうな懸念もあります。

プレイ感覚〜Wiiに非常に近い印象

PSMoveで体感したのは以下のゲーム。終了間際の空いていたときに何回か並んでプレイしました。

・THE SHOOT(レールシューティング)
・SPORTS CHAMPIONS(スポーツゲーム
・start the party!(パーティゲーム
・EyePet(拡張現実ペットゲーム)

最初に体験したTHE SHOOTはレールタイプのシューティングゲーム。しかも、わざとキャラが平面な演出になっており、レトロな演出になっています。その感じもあって、やってみた感じは非常にC級なノリ。ゲームも単調で出てくる敵や弾を、一般人を避けながら撃つだけとシンプルで、正直あまり面白くありませんでした。

次にプレイしたSPORTS CHAMPIONSはWiiSportsのようなスポーツゲーム。プレイ前には腕をのばしてキャリブレーションも行います。デモプレイでは卓球がプレイできました。これも、WiiSportsResortと似たような感じ。モーションプラスと同様、手の傾きなどをきれいにトレースしてラケットの面を表示してくれます。また違う点としては、横移動が実際の身体の横移動でできるということ。これは、カメラでこちらを撮影していることのメリットですね。これだけでだいぶ臨場感が高まります。ただ、残念だったのがCPUの出来。右に打っても左に打っても、どうやってもフォアハンド側にしか返してくれませんでした。バックハンドを試したかったのに、なかなかそれが体感できず。フォアからバックの切り替え時に振ったことに誤認識されてしまうのも、Wiiと似ていますね。


start the party!はパーティゲーム。自分のカメラが画面に映り込み、その手の位置にあわせていろいろ行うことができます。eyeToyの流れですね。このゲームはちょうど紹介されたときハングアップしていて、PS3の再起動&最初のPSMoveの注意書きをたまたま見ることもできました。Wiiと同様な感じですね。いくつかミニゲームがあり、一つはギャラガのようなゲーム。虫が何匹か連なって出てきて、それを手に持ったハエたたきでたたき落とします。このとき、たたくと爆発するものも混じっており、それを避けながら横や縦、斜めにコントローラを振る形。基本はリモコン先端のトレースなので、画面に映る範囲ではきれいにトレースできていました。ただ、全般的にノリがアメリカンカートゥーンな感じで、日本人にはちょっとつらい感じ。

最後はEyePet。ゲーム自体はeyeToyで既に出ていたもので、それがPSMoveにも対応した形ですね。視点としては上記のパーティゲームと同様。自分がカメラで画面内に映り込み、その姿と画面内のペットとを重ねて拡張現実を体感することができます。ペットについては、さすがPS3という見事な表現力。ふわふわの毛並みにリアルで柔らかな表情など、これは日本人でも受け入れられると思います。実際のプレイとしては先のパーティゲームと似たような感じ。持ったコントローラをシャワーに見立て、水をかけたりすることが出来ます。この際、鏡面状態でのプレイとなるのが、結構違和感がありました。というのも、左右の方は同じなのですが、奥行きが逆方向になるんですよね。ペットの前から顔の方に水をかけようとすると、実際には手を奥に突き出し、手首を手前に向ける必要があります。鏡を見ながら自分の目の前にあるものを操っている感じですね。モーションコントローラで距離や傾きがとれるようになった分、こうした違和感が発生してしまったのかもしれません。また、画面に映り込んだ自分の身体を使って操作する訳ですので、カメラと自分の距離によっては非常に大きく手を動かさないと画面端まで届かないこともありました。

まとめ〜きれいなWiiという印象

以上、ざっと自分のプレイしたものを紹介してみましたが、やはり予想下通りというか「きれいになったWii」という印象は強く残りました。カメラで自分が映り込んだり、PS3ならではの描画能力もあったりするのですが、体験したゲームのテイストがそもそもライトなものが多く、ゲームの印象、体感としてはWiiと大きく変わらないところがあります。

何も持たないKinectだと、メニュー選択や決定などがちょっと面倒というのがあったりして、高精度で機能性も高いPSMoveは個人的には堅実な解だと前から思って入るのですが、やはりWiiをさんざん経験した後だと、体感できる感動の差分がそれほど大きくない、というのはやはり気になるところです。体験したゲームではやはりゲーム的にも操作的にも大味なものですし、この路線ではWiiと大きく差別化はできないような気もします。家族層をとりこむのにこの路線は必要不可欠だとは思いますが、あとはやはりHDゲーム機ならではということで、コアゲームでどの程度Wiiより実用的に高度な操作性を実現できるか。インパクトより精度などを重視した訳ですから、その辺りを今後どの程度充実できるかが鍵になってくるような気がします。