任天堂カンファレンス2008.秋 開催〜「ニンテンドーDSi」発表

事前に日経に「新DS」のリーク記事が出て注目を集めた「任天堂カンファレンス2008」。

ニンテンドーDSに新型登場?〜日経新聞でリーク記事 - わぱのつれづれ日記

本日開催され、その中で噂通り新型DS「ニンテンドーDSi」が発表されました。

任天堂、新型ゲーム機「ニンテンドーDSi」を発表

公式サイトでは、DSLiteとの比較もあって内容をよく知ることが出来ます。

ニンテンドーDSi

個人的な感想としては「予想外なほど予想通りなスペックの機種」でしたね。任天堂のことなので、ここまで当たり前の正常進化版ハードを出してくるとはちょっと思っていませんでした。悪くはないとは思いますが、ちょっとサプライズ要素に欠ける感じですね。以下、個々の要素について簡単に触れてみたいと思います。

外観の変更はほとんど無し〜液晶大型化&スリム化

まずは外観など、ハード面から。外観についてはほとんど変更無し。これはちょっとがっかりしたところですね。PSPPS2の型番商法と近いイメージですが、まず外見での違いがもっと分かった方が個人的には面白かったんですけどね。もっとも、細かいところを見ると、いろいろなところでスペックは異なっています。
まずは液晶の大型化。3型から3.53.25型にアップしています。ただ、解像度については変化はなさそうですね。バーチャルコンソールの持ち出しなどを少し期待していたのですが、ファミコンなどの解像度に対応する、ということは無いみたいです。極端に画面が大きくなった、とまでは言えませんが、もともとDSの解像度だったら逆にこの程度の大きさの方が粗が目立ちすぎず良かったかもしれません。

次に変わっているのは厚み。こちらは若干薄くなっています。要因としては、GBAスロットが取り払われたことが大きいですね。GBAスロットは、拡張用途でいくつか使われてはいましたが、DSLiteの時点で通常のGBAカートリッジがはみ出してしまうという中途半端な仕様だったので、取ってしまってもよかったでしょう。個人的には小さな拡張端子ぐらい残しておき、どうしてもGBAを遊びたいときは別売りのアダプタか何かをセットすればGBAカートリッジがつながるようになる、とかあるのかなと思ったのですが、そうした用途も無いようです。そのうち、GBAソフトのネット販売がされるかもしれませんね。

一方、GBAカードリッジ部分が無くなった代わりに搭載されたのはSDカードスロット。今時ならmicroSDでいい気もするのですが、Wiiとの親和性も考えて通常のSDカードスロットになっているようです。WiiSDHCに対応していないだけに、DSiSDHCには対応していないかもしれませんね。

P.S.
液晶大型化およびスリム化の影響か、バッテリ時間はDSLよりだいぶ持ちが悪くなっているようです。最高輝度だとDSLで約5〜8時間だったのが約3〜4時間と半減に。これだけ変わっていると、液晶の輝度(&消費電力)の上昇やバッテリ容量の減少などもあるかもしれませんね。日常行き帰りで使う分にはこの程度の時間でも困らないかもしれませんが、人によっては影響のあるところでしょう。バッテリについては技術的なブレークスルーに乏しく、どうしても容量=サイズになってしまうため、デザインを求めるとこうなってしまいますよね。薄型携帯電話を持っていますが、予備バッテリが欠かせませんし。

カメラは前後2つ搭載〜枯れた技術を応用

リーク記事で指摘されていたとおり、カメラも搭載。数は蓋側とヒンジ部分の2カ所に搭載。FOMA携帯など、TV電話系を考えると自分撮りは必要なので、分かりやすい仕様ですね。30万画素というのは少ないですが、DSの解像度的には十分でしょう。デジカメ的利用ではなく、あくまでトイカメラ的位置づけといったところでしょうか?

カメラを使った遊びとして、ニンテンドーDSiカメラというソフトが提供されるそうです。顔に表情をつけたり、モーフィングしたりと、かなり昔に流行ったような技術が任天堂風にアレンジされている感じですね。枯れた技術の…というやつでしょうか?(もっとも、そこまで「任天堂ならでは」というアレンジはされていないですけど。)

プレイやんニンテンドーDSブラウザー相当機能も〜音楽機能は独自要素も

こちらもリーク記事にあった音楽再生機能ですが、対応フォーマットはAACのみ。まあ、WiiでもMP3関連はライセンス関連もあってはずしていたようなので、これは仕方ないところか。再生についてはプレイやんのノウハウを引き継いでいる気はします。+αで、これからWiiMusicを売り出していくという時期だけに、音楽での遊びも提供している感じですね。

Wii Music

Wii Music

ピッチをタッチ操作で変えられるというのは、なかなか直感的で面白そうです。ただ、常用する機能ではない気もしますけどね。

ブラウザー機能についても、これまでニンテンドーDSブラウザーとして別売りされていたものを同梱無料でダウンロード提供。メモリなどの制約や速度なども改善されているようです。PSPでのブラウザアクセスなどはマクドナルドなどでそこそこ利用されているようですが、DSiでもそういった利用が可能になる模様。こういった機能はおまけ程度の楽しみでしょうから、わざわざ購入しなければいけなかった今までの形式から見れば大きな改善ですよね。

このあたりは、これまでGBAスロットを使った拡張部分を本体に取り込んだ形ですね。カメラも「大人のDS顔トレーニング」にあったものを取り込んだ形ですね。結局はぶられたのは「振動カードリッジ」でしょうか。自分、これ持っているんですけどね。わざわざ通販で買って、未だにDSLiteに差しっぱなしなんですが、今回のDSiを見る限り今後のDSソフトで振動対応するものはほとんど出てこないでしょうね。残念。


P.S
DSiブラウザーはダウンロードでの提供だったため記述を修正しました。見出しも、プレイやん同梱という表現は語弊があったため修正しておきました。

暗号化機能が強化された無線機能

また、DSでは暗号強度の弱いWEPしかサポートされておらず批難の対象となっていた無線通信ですが、さすがにDSiではWPAに対応してきたようです。また、無線ルーターとの接続設定に対して、従来のBUFFALOとNECのものだけでなく、Wi-Fi Allianceの「WPS」という標準規格を搭載してきたことも、意義が大きいですね。

「ニンテンドーDSi」が発表。カメラやSDカードスロットを搭載

無線に関しては、どうしても専門知識が必要で難しいところが多いので、数が出るDSiでは積極的にこうした最新の仕組みを広める努力をしてほしいところだったので、これは歓迎ですね。また、DSi同士でのアドホック通信も速度などが改善されているようですので、見た名状にいろいろアップデートされていそうですね。

DSi向けソフト配信サービス「ニンテンドーDSiウェア」も

DSiではSDカードとブラウザが搭載されたこともあり、Wiiで展開してるWiiウェアのDS版、「ニンテンドーDSiウェア」も開始される模様。これに合わせて、Wii用だったポイントもニンテンドーポイントに変更されることに。PSPではすでに実現されていたサービスですが、DSでも同様のソフト配信サービスが始まるようです。

任天堂岩田氏「ニンテンドーDSiは1人1台の“マイDS”を目指す」

これまでのダウンロードサービスでは、電源を切ったら消えてしまうためちょっと厳しすぎましたからね。元々ライトなユーザーの多いDSだけに、もっとお手軽な小粒ソフトを手頃な価格で購入できるのはメリットがありそうです。

まとめ〜ニンテンドーDSの正統進化版・PSPに対抗

以上、いろいろ簡単に触れてみましたが、全般的にこれまでのDSで各種展開していたソフトや周辺機器をひとまとめにし、PSPなどが得意としているAV・ネット端末としての側面を強化したという感じですね。DSの正統進化、という感じです。

ただ、その分サプライズ要素には欠けますね。遊び要素はあるとはいえ、PSPと同じような方向を強化しているところがあり、若干守りに入ったような拡張にも見受けられます。もっとも、これからソフトサービスをがっつり充実差せていく上での土台がためというところもあるんでしょうけど。

個人的には、値段が18900円とDSLiteより上がってしまったことも残念です。機能が増えているとはいえ、新機種が出るたびに値段が上がっていくというのはあまり印象は良くないです。せめてDSiDSLと同じ価格で発売し、DSLの方を値下げするぐらいの対策はしてほしかったですね。まあ、DSは史上まれに見るほどの勝ちハードですので、任天堂としてはその恩恵を存分に味わいたいところなんでしょうけど。あと、またもやACアダプタの端子形状を変えてきたこともマイナス。大きさもそんなに変わらないんですから、これぐらいそろえましょうよ(電圧とかが違うのかもしれませんが、合わせることも出来たでしょうし)。

値段的には、今度出るPSP-3000と同価格帯となりました。DSiの差分機能には気になるところですが、自分だったら先に買うのはまだ持っていないPSP-3000の方かな、という感じですね。

とはいえ、ソフトラインナップでは現状DSが圧倒的ですし、ユーザー数も段違い。このDSiもかなり売れていきそうな感じはしますね。これから新規にDSを買うならDSiでいいでしょうし。買い換え需要も、DSを日常的に利用している人からしたら結構あるでしょうから。PSPMHP以降サードが力を入れてきてソフトがそろってきており、ここに来て両陣営がハードを更新します。消費者がどういった傾向を見せるのか、興味深いところです。