「Wiiは時代遅れ」発言の米セガサミー役員が釈明

昨日、『「Wiiは時代遅れ、近く人気が薄れる」by 米セガサミー』という内容を紹介しましたが、やはりいろいろと問題があったからか、早速釈明コメントが出たようです(情報提供ありがとうございました >nawayaさん)。

GameDaily BIZ: Sega's Steinberg Clarifies Wii Comments

セガサミー スコット氏の補足コメント

以下、新たに出たコメントをざっと訳して紹介してみます。

セガは当初からWiiを十分に支持してきましたし、今後も支持し続けるでしょう。我々がとても親密なパートナーであることは明らかです。任天堂はビジョンを示し市場を拡充することにおいて主導的な仕事をしてきました。それは、Wiiの可能性の利点を得ることについて、産業全体が責任と機会を共有しているということです。もし我々が真のポテンシャルを理解しなかったら、創造的な発展を行う素晴らしい機会を逸してしまうでしょうし、私がロイターのインタビューにおいて警告しているのはそのことに対してなのです。私はイノベーションの責任を任天堂に押しつけているのではありません。セガも、そして全てのパブリッシャーと開発者達も推進したほうがよいことなのです。

セガは当初からWiiを応援していました。E3 2006では、我々のブースは任天堂のブース以外でWiiのゲームをプレイできた限られた場所の1つでした。我々は「スーパーモンキーボール」と「ソニックと秘密のリング」のプレイアブルバージョンを用意し、実演しました。我々はまた、「マリオ&ソニック in 北京オリンピック」をを制作するという、任天堂と歴史的なパートナーシップも発表しました。このタイトルはWiiとDS向けに独占的にセガ任天堂が共同開発するものです。我々は現在、Wii向けとしてアナウンスした7つのタイトルを持っています。それは、「黄金の羅針盤」や「NiGHTS」、「GHOST SQUAD」、そして開発中のより多くのものです。

WiiXbox360、そしてPS3の全てがそれぞれ独自の利点を持っています。セガは3機種全てに対してゲームを提供していくことを喜ばしく思っています。」

やはり思った通り、セガが当初より任天堂といい関係にあったことをアピールしていますね。その上で先日のスコット氏の発言は、「このまま任天堂以外が協力しない状態だと、大きな可能性の芽を摘むことになる、ということに対する警鐘」と弁解している形です。要するに「ぼろくそ言ったけど、それは何も手を打たなかったら、ということで、そうならないよう努力するよ。」という感じですね。

実際のところは、HDゲームよりなスコット氏が、自社の任天堂との関係をしっかり考慮せずうっかり私見を口を滑らせてしまい、あわてて理由をとってつけたんじゃないか、という予想を自分はしますけどね。あの批判のコメントだけを見て、ここまで裏で考えていたのだと読み取れる人なんていないでしょうし。まあ、真相は我々では分かりませんけどね。

サードも一緒になってWiiの可能性を広げられるか

とはいえ、今回の発言で言っている、「任天堂だけにWiiの可能性を広げる責任を押しつけていけない」という発言は、実にごもっともな内容だと思います。ニンテンドーDSでも、これまでと違う操作性にサードはただとまどうばかりで、任天堂が必死になってソフトを出して可能性を示した後も、安易にその二番煎じ的なソフトを繰り返し出すだけという、実に非創造的な活動をするサードが多数存在しました。Wiiでは、任天堂さえまだWiiSports以降の革新的なソフトはなかなか示せないでいます。しかし、ハードはそのWiiSportsのおかげで全世界で好調な売れ行きを見せているわけで、スコット氏の言うとおり大きな可能性が秘められているわけです。

現在プレイしているバイオハザード4は、既存のゲームをWii操作に当てはめただけですが、カプコンWiiの持つシューティングアクションへの可能性を大いに示してくれました。セガも、ソニックで高評価を受けていますし、NiGHTSも控えているのですから、是非任天堂より先に可能性を広げるぐらいの意気込みで頑張って欲しいですね。そして、そうした「任天堂以外」の頑張りにより、他の任天堂に非好意的なサードも参入しやすい環境ができるといいですね。PS2時代の同じようなゲーム作り、続編連発で従来路線の行き詰まりは明確に出てきてしまっているわけですから、任天堂がこの先こけたからといって、PS2時代のようなゲームの売れ方が戻ってくるわけではないんですよね。ゲーム業界の発展のためにも、いろいろな可能性について、いろいろな企業が挑戦していって欲しいものです。