北米でPS3とWiiが発売

日本では11/11にPS3が発売、Wiiはその約3週間後の12/2に発売するわけですが、北米では状況が異なっており、11/17にPS3が、11/19にWiiが発売するという、非常に近接した状態となっています。

Wiiは日本よりも北米の方が早い形で、DSのときもそうでしたが日本人としては残念なことではあります。せっかくの日本製ゲーム機を、北米よりも遅れて手に入れる形になるわけですからね。リージョン制限があるとはいえ輸入版Wiiを日本で手に入れる人も出てくるでしょうし、12/2日本発売のWii発売のワクワク感が若干薄らいでしまうのはちょっと残念ですね。北米のクリスマス商戦が日本より大幅に早いということがあるので、仕方ないとは言えますけどね。両方のクリスマス商戦を抑え、両方に商品を多く出すなら、最初は北米に注力、そしてその間に日本用もためておき日本にも多数の出荷、というのが非常に理にかなっているのは確かですし。ただ、PS3が少数ながらも日本が世界初というのを味わえたのに対して、Wiiはそれができないのはもったいなとは思います。

PS3発売日の様子&騒動

PS3Wii、両方とも大きく注目を集めている機種だけに、その販売の騒動もなかなかのものだったようです。まずは17日のPS3の発売の記事。現世代王者の後継、高いコストパフォーマンスと性能に、非常に多くの人が購入に列をなしていたことが分かりますね。

プレイステーション3、北米でついに発売 平井一夫SCEAプレジデント、ソニーのハワード・ストリンガー会長も / ファミ通.com


一方、このPS3北米発売を報じる報道では、単に爆発的に売れていること以外を取り上げるものもいくつかでています。1つは需要に対して大きく下回る出荷台数から起こる転売問題。

http://youtube.com/watch?v=2IQ9Ec9TIX4

上記日本のニュースの後半では、それについて大きく取り扱っていますね。現状、供給が追いつかない状態では、消費者にしてみれば転売の格好の題材の模様。とりあえず1,2週間は自分で遊び、その後高く売れるうちに売り払ってしまうというもの。ほとんど中古ゲームの同じ感覚ですね。使い古しでも本体購入価格の倍以上で売れるとすれば、これほどおいしい商品はないでしょう。SCEは大赤字で本体を提供し、購入者に多額の転売チャンスを与えてくれているわけで、実に太っ腹ですね。


また、販売を巡っては、いくつか騒動も起きている模様。1つは以下のもの。

asahi.com:PS3販売の行列に発砲、米国コネティカット州 - 国際

これはDSLiteの行列時にも自分は指摘したことですが、「行列で金を持っている奴らを狙った強盗」ってやつですね。現地のPS3報道の中でも触れられているようです。

そりゃ、明らかに5万円以上のお金を持つ連中が路上に固まっているのですから、それは悪人にとっては格好の的になるでしょうからね。こういったことが起きても不思議ではありません。この拳銃ほど直接的でなくても、寝込んでいる間にスリ、ぐらいは十分あり得るでしょう。

こうした騒動について、別の州ではありますが、ボストン市長がソニーに対して、今回の行列などの騒動について補償を求めるという話すら出てきているらしいです。
Boston mayor billing Sony for Copley chaos - Joystiq

行列を整理しなかったり入荷数を公表しないことを問題にしているようですが、通常だったらこの程度のことではこんな要求はしないでしょう。やはりPS3という化け物商品だけに、騒動まで常軌を逸している感じですね。品薄で行列が起こることで販売側は広告費をかけずに報道を通じて人気ぶりをアピールすることはできるのですが、同時に事件が起きたときのマイナスイメージを受ける可能性も内包している訳ですしね。できる限り「極度な品薄」は避けた方がいいとは思いますね。これはiPodDSLiteなど、どんな商品でも言えることでしょう。日本でも有楽町ビックでは事故になりかけましたし、どんな状態でも事件・事故だけは起こして欲しくないですね。

Wii発売日の様子

さて、一方19日に発売開始始めたばかりのWiiについても、その販売の様子がファミ通で紹介されています。

Wiiを求め3000人以上の長蛇の列 / ファミ通.com

3000人以上並び、それでも「全員分大丈夫」というのはちょっとすごいですね。日本のPS3の1800人というのも常識外でしたが、それすら越えてくるところは、流石アメリカというところでしょうか。発売日のイベントの動画も、YouTubeに上がっていますね。

これだけ並ぶと、PS3のときと同様の騒動も当然想定されるわけですが、とりあえず今のところは事故、事件などは報じられていない模様。あと、タイムズスクウェアトイザらスの先頭に並んでいた人が、面白いことをしていたそうです。

この行列を取材していて、とくに感心だったのが、行列の先頭集団のひとりが自発的にトイザらスに掛け合って、行列をきちんと整理、管理していたこと。「プレイステーション3のときに銃撃事件などが発生してあぶなかったでしょ?」と、行列に並んでいる証となるシールをひとりひとりに渡し、名簿のようなものを作って順番を管理する周到さ。それゆえか、"殺伐とした争奪戦"のような雰囲気はなく非常に平和な様子。大都会の真ん中で、マットレスをひいて寝転がってるのは通行人の邪魔だけど……。
Wii北米発売で午前10時に100人の行列  任天堂ファンは個性派揃い / ファミ通.com

まあ、この程度のことは本来は店側がやることなんですけどね。ちなみに、このパワーグローブをつけて、発売時にレジーから最初に受け取っている男性は、以下のinside記事で引用されているEngadetの記事によれば、ゲームコミュニティ「Empire arcadiA」のIsian Triforce Johnsonという人物のようです(Triforceというのは実際に法的に改名したらしいというのがすごい)。

北米でWii発売!トイザラスの第一号購入者はパワーグローブ! - Nintendo iNSIDE
Live from Nintendo's Wii launch in New York - Engadget(本家)
Wii 北米発売イベント - Engadget Japanese(日本版)

Engadetの記事は写真も多く、熱気が伝わってくる感じですね。こっちは殺伐とした、というよりはお祭り騒ぎ的感じがして面白そうですね。発売日が先の日本としては実にうらやましい感じです。

また、上記と同じくタイムズスクエアWiiロンチイベントの動画が上がっていたので紹介します。

今後の展開はいかに?

とりあえず、PS3Wii両方とも、盛り上がり方の種類に差はあれ、熱狂的に迎えられたのは確かな感じですね。この先どうなって行くのかは予断を許しません。ただ、需要と供給は、そのバランスが極度に崩れると非常にいびつになって変な事象が起こってしまいますからね。今回のPS3事件や転売騒動などが今後起こらないよう、両陣営とも需要にあった供給を一日も早く確立して頂けるようお願いしたいものです。