E3が閉幕--2006年の盛り上がりはいまひとつ - CNET Japan

Wiiが話題の中心だったE3。しかし、盛り上がりはいまひとつだったという、思わず首をかしげるような記事が出てきました。しかし、これ、ものすごく不自然な記事だったのです。
CNET日本語版の記事では、一部のPS3のソフトとXbox360のソフトが注目を集めただけ、みたいな形でかいてありますが、あれだけ話題だったWiiの記述が全くかかれていません。あまりに変だったので、思わずすぐに海外版CNETを見てみました。すると驚愕の事実が。
Few games stand out at E3 | CNET News.com
そもそも、タイトルからして「あまりソフトは目立たなかった」と言う意味で「盛り上がりに欠ける」という意味とは若干異なります。それどころか、日本語版では一切なかったWiiおよびDSの記述が、海外版ではちゃんとあるわけです。しかも、むしろ記事の本質はこちらの感じすらするのです。その部分を日本語訳したものが2chE3の盛り上がりはいまひとつだったね」にあがっていたので引用してみたいと思います。

Wii controller steals spotlight
Wiiコンが注目を独り占めに

E3の展示の本当の注目作は、ゲーム自体ではなくコントローラであったと見ることもできる。
任天堂の新ゲーム機Wiiのコントローラを見ようとする行列はどの展示の行列よりも長く、4時間にわたるところもあった。
しかし、結局のところは、ゲームという点では今年の展示においては心に残るものはそう多くなかったと言える。
カプコンの"Dead Rising"が気に入ったよ、シャレにならないほど怖いもの」と Simon Carless。
「(任天堂の)"Elite Beat Agents"も良かったな、とてもバカっぽい」。
"Elite Beat Agents"とはぶっちゃけ英語版『応援団』である。
「犬がトラックに乗ってしまって数百マイルも迷子になってしまうんだけど、歌のチカラで家に帰してあげなければらないというわけ」
しかし、CarlessはE3の展示ではそれほど感銘を受けたとは言えないとも語った。
「これだ、といったものが無かった。ゲームというものにみんな慣れて来ちゃったんじゃないかな。
でも、これは別に出品されていたゲーム自体が良くなかったってわけじゃない」

これを読んでもらえばわかるように、たしかにおもしろいソフトが少なかった、という趣旨は同じであるものの、Wiiのコントローラが話題を奪ったことが見出し付きでちゃんとかかれていますし、海外応援団であるElite Beat Agentsについてもふれられています。一応一通りの機種について話題にしており、それほど不自然さはありません。

要するに、日本語版のCNETの記事が、翻訳記事とは言えないほど意図的に省略された、ねつ造に近い提灯記事なわけです。ソニーとMS、どっちに配慮したのかはわかりませんが、あまりに露骨すぎて辟易してしまいます。しかもひどいことに、この記事はすぐにYahooニュースで引用されました。
Yahoo!ニュース - CNET Japan - E3が閉幕--2006年の盛り上がりはいまひとつ
しかも、Yahoo!トップの見出しとして「秀作ゲーム少なかった? E3」と出ています。まあ、まだこの見出しの方が原文に近くはありますが、これだけをトップに出すと、Wiiまで注目を集めていなかったと見えてしまいます。Yahooも結構露骨に情報をねじ曲げて見出しを付けてしまうので、見るときはちゃんと中のニュース、その引用元まで注意深く見る必要がありますね。でもまずはいろいろ問題の多い日本語版CNETにちゃんとした記事を書いてほしいと思います。