「それがPSPの仕様だ」さまざまな訳

クタタンの「それがPSPの仕様だ」発言を取り上げた日経ビジネス。今日見たら、それの英語版の文章と、その英文のポイントがいろいろ書かれていました。
英文ニュース読みこなしのコツ 第7回〜「PSPの仕様だ」、SCE 久多良木社長の「自信の発言」を英語で読む - nikkeibp.jp - BP's Eye
英語が多少分かる方は、自然な英語の使い方を知ることができてなかなか楽しいです。
さて、英語の記事自体は、先日の記事で取り上げたよう、既にGameSpotで取り上げられています。二種類の英語が存在するわけです。ちょっとおもしろいので並べてみましょう。
元:「それがPSPの仕様だ」、久多良木SCE社長がゲーム機不具合騒動を一蹴 - nikkeibp.jp - 企業・経営

「使用する液晶画面はこれ以上小さくしたくないし、PSP本体もこれ以上大きくしたくなかった。ボタン位置も狙ったもの。それが仕様。これは僕が作ったもので、そういう仕様にしている。明確な意思を持っているのであって、間違ったわけではない。
世界で一番美しいものを作ったと思う。著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖をつける人はいない。それと同じこと」

英訳1:Gamers report PSP malfunction - News at GameSpot

"I didn't want the PSP's LCD screen to become any smaller than this, nor did I want its machine body to become any larger.The button's location is [architectured] on purpose, It's according to specifications. This is something that we've created, and this is our specification. There was a clear purpose to it, and it wasn't a mistake.
I believe we made the most beautiful thing in the world. Nobody would criticize a renowned architect's blueprint that the position of a gate is wrong. It's the same as that.

英訳2:Nikkei Business

"I didn't want the liquid-crystal screen to be any smaller than this, and didn't want to make the game machine itself any larger. The button positions are exactly where I wanted them to be. Those are the specs. I made the machine myself based on such specifications. I made it with clear intentions, and I don't think I made any mistake.
I think I made the most beautiful game machine in the world. When a prominent architect comes up with a plan, nobody is going to pick holes in it and say, for instance, the position of the gates isn't right. The same is true with our PSP."

同じ日本語なのに、英語がずいぶん違うのがおもしろいです。個人的には、GameSpotの方が直感的でフランクな感じがします。日経ビジネス英語版のほうが丁寧な印象でしょうか。

それから、おまけに2ch【日経B】「それがPSPの仕様だ」クタタン、騒動を一蹴 5であった改変ネタで、自分のお気に入りのものを紹介。

490 名前:名無しさん必死だな[age] 投稿日:05/01/28(金) 02:15:06 id:NLz180Vo
「それがソニーの仕様なのか?」 ソニー創業者・井深大氏、ゲーム機不具合騒動を一喝

ボタンを押しても画面が動かないことがある問題は、あくまでも作り方の問題に過ぎない。
これが、私が育ててきたソニーなのか?
収益や株価についていろいろ言う社員もいるかもしれない。
だが対応するゲームソフトを作る会社やお客様が、この事情に合わせる必要など全くない。
使用する液晶画面はこれ以上小さくできたし、PSP本体もこれ以上大きくできた。
ボタン位置も変えられる。それが常識。
ソニーは私が作ったもので、そういう仕様だった。
明確な意思を持っていたのに、誰が間違ってしまったのか。
世界で一番情けない会社に落ちぶれてしまったと思う。
著名建築家が書いた図面でも門の位置がおかしければクレームをつけられる。
それと同じこと。

この文章、基本的に久多良木健社長の言葉を、まるっきり逆にしただけの作りになっています。それだけなのに、どうでしょう、この説得力。顧客本位の商売人としての正論を吐いているように聞こえます。言い換えれば、以下にクタタンの発言が、何から何までふざけた発言であるのかを証明していると思います。
日経の記事では最後に、「『遺憾です』というコメントよりおもしろい」と結んでいますが、たしかにそうなのかもしれません。注目のURLでも1位になっていたりしますし。でも、おもしろいのと、世間に受け入れられているのは別物ですから〜残念。