シンプルさと多機能
ITmediaニュース:iPod shuffleは怖くない? ライバルは余裕の反応というニュース記事が出ていました。大人気のiPod shuffleに対して、弱点である液晶が無い点や、FM機能や録音機能が無い点などを指摘して、「敵ではない」と酷評しているようです。しかし、個人的にこれはナンセンスな話。gigabeatを常にランダムで聞いている自分としては、FMラジオ機能などどうでもいい。音声録音も、あれば会議とかで便利かもしれないが、それは非常に限られた場面であり、無ければないでいい機能だ。液晶については、たしかに無いのは厳しい印象はある。自分もたまに局名を確認するため見ることはあるし。だが、「ユーザーがほしがっているのは複数行液晶」としているのはまたちょっとずれている。たしかにそれが欲しいとは思うが、それだったら別にiPodやiPod miniでもいいわけで。
たしかに、iPodはあくまで割り切りまくった製品であり、他社がやったら問題外とされるところ。だが、それを王者であるiPodがやったからインパクトがあるのだ。iTunesもあることだし。実際、同じような見解を、ITmediaのこちらの記事「ITmedia ライフスタイル:AppleしかiPod shuffleは作れない」でも述べている。
もし、「シンプルさこそがAppleの狙い」ということに本当に気付いていないとしたら、対抗メーカー各社はいつまでたってもiPodの後塵を拝しているだけだろう。
このコメント、たしかにiPod shuffleとその他のフラッシュ機器についてのものだが、これはPSPとニンテンドーDSにもそのまま当てはまるのではないだろうか?
シンプルだが目新しい要素を盛り込み、ゲーム機に徹したNDS。
最先端の、異なるベクトルを持つ機能を多数詰め込んだマルチメディア機器PSP。
それが現在どうなっているかは販売台数がしめしている。フラッシュプレーヤー市場も同様のことが起きそうな気がしてならない。
昔から、多数の使わないような機能をてんこもりにして、製品を高く売りつけるのは日本メーカーの得意技だった。しかし、ニンテンドーDSやiPod shuffleを見ても、時代は明らかに移っている。
「シンプルで、目新しいものを、高いブランドイメージで、安く」
これが今のヒットの条件だろう。故横井軍平氏の「枯れた技術の水平飛行」は、いつになってもヒットの根幹にあるものだな、と感心させられる。