発熱地帯: ネット上の評判空間

ここ数日、旅行があったためアクセスログとかケアしてませんでしたが、見ると妙にアクセスが増加していたので調べてみると、以前id:wapa:20041027で話していたPSP価格発表の分析に、
発熱地帯さんのところからリンクを張って頂いていました。そこで書かれていたことで、なるほどなぁ、と思うところがあったので、引用しながら自分の感想など。

それと、日本人って、一度ダメだといったものを簡単には撤回しないんだよね。元々、静観していたようなサイトは価格発表に反応したけど、元々ダメだといっていた人たちは依然として問題点を指摘する傾向が強い。たとえば「ギャハハハハハ。某不動産サイコー。PSP脂肪」とかいってた人がいきなり「PSP安い!ソニー様サイコー」なんて変わったら、そりゃ人格変わってるよ、もはや。

これは、鋭い指摘だなぁ、と思いました。特に、以下のところが。

とくに毎日文章を書いているような人間は、流れを重視する傾向が強いから、いきなりコロッと変わったりしない。人の心理をつつけない発表では、効果も半減。

この「毎日文章を書いているような人間」というところがポイントですよね。ブログと2chとの違いでもあります。ブログの方は、HNとは言え、一つの名前を名乗って、Web上で発言するわけです。だから、記事の内容にもある程度個人の思想を入れて、ころころ意見が変化しないものののべ方をするわけです。2ちゃんねるだったら、匿名の雑談みたいなものですし、別に主義主張をころころ変えたってどうってことないですからねぇ。

これを受けた、ブログに関する考察がまた、頷かされます。

この1年ほどの間に、ネット上の言説活動は2chが空洞化しつつあって、積極的に情報を発信する人たちはその外に移住して、BLOG網をきずいている。そういう層は相対的にロジカルな説得力を好むから、ただのサプライズでは動かしきれない。ちゃんと1つずつステップをふむ必要がある。

最近のブログの広がりを見ると、実際にこうした流れは感じます。実際に今日のニュースで、「ITmediaニュース:Blog認知度は着実に向上」というのもありましたし。
ブログが特徴的なのは、ちょっとした商品に関するコメントでも、Googleなどでその商品を検索したときに上位に表示されることがある、ということがある。自分だと、Googleで目的の商品の善し悪しを知りたい、と思ったときは、むしろ掲示板やブログなど、消費者の意見が書かれているところを積極的に見ようとします。公式発表や、報道などでは、画一的な情報しかなく、つまらないので。
いろいろな人の意見を知りたい場合、よく参考にするのが2chや価格コムなどです。しかし、2chではすぐに罵詈雑言や荒らしなどが発生してあまりに情報が薄いですし、価格コムでも感情的なコメントやあまりに知識不足なコメントが目立ってしまい、情報が薄いです。
その点、ブログでの内容は、執筆者が名前を背負って書いている以上、ある程度しっかりとまとまった記事、レビューが書かれていることが多い。そのため説得力があり、製品購入の際、数個のブログの評価が大きく影響を与えてくる、ということが結構あるのです。
最近大企業では2ちゃんねるの評価をデータ会社にまとめさせて参考にするなど、当たり前のようにやっているようです(もっぱら悪評の監察でしょうが、なかにはRDみたいにあきらかに2ちゃんねらー仕様な商品も存在する)。ブログも、おそらく同様に企業がケアするようになると思います。
ブログを書いている人間というのは、まだまだ少ないですし、思想的にもある程度偏りがあるのは間違いありません。ですが、上記のように一般ユーザーに心理的に与える影響も大きいわけで、ブログの評判が実際の製品企画を動かしていく、という流れが今後必ず起こってくると思います。