マジェスティック

ショーシャンクの空、グリーンマイルに続いて、フランク・ダラボン監督の作品を視聴。この作品も暖かみがあり、ハッピーエンドで爽快な後味を残してくれる作品だった。
個人的にジムキャリーは好きだ。元々はMASKを見て好きになったのだが、トゥルーマンショーといい、この作品といい、非常に好感の持てる青年役が合っている。
この作品の大きなテーマに、赤狩りという共産党撲滅の活動があるのだが、まず出だしからその話だったので少々とまどった。アメリカ人には誰でも知っている出来事なのかもしれないが、日本人はあんまりしらないよなぁ。歴史でも習わないし。この間見たALIといい、アメリカの歴史をあつかった映画は、ちょっと取っつきが悪いところがある。ちなみに、この赤狩りについてはギャラリーにハリウッドのブラックリストというのがあり、これを見るとわかりやすかった。しかし、第二次大戦後の標的として共産党狩りをするって…、なんかタリバン倒した後のイラク侵攻とめちゃだぶるんですけどw。歴史は繰り返すというか、進歩がないというか。
事故で記憶をなくした主人公ピーターが、戦争でなくなったルークという人と間違われ、町はお祭り騒ぎ。ずっととまどっていた主人公だが、ピアノでブギを弾いていこう開き直る。この後の映画館復興のところは爽快。
しかしこのあと自分の撮った映画を見て記憶をとりもどし、父も死んで、なおかつ赤狩りに捕まると、急展開。このままおわったら完全なアンハッピーだよなぁ。この時点で30分のこっていて、どうやってハッピーエンドに持って行くのだろうと思ったが、その後の展開もなかなか見事。司法取引みたいなのを持ちかけられた主人公に、ルークの恋人アデルからハッパかけられて、いざ聴聞会。ここで当初予定と違って正論を繰り広げる。「もしルークだったら…」という論調で言うところがにくいね。ラジオやTVで聴聞会を聞いていたルークの町の人も、ルークが以下に偉大だったかを主人公が公共の場で立証してくれたのだから。
でも、さすがにこれだけぶちまけたら捕まって終わりでしょう、と思ったら、実は主人公が話の流れで出した名前の人物が、自分を密告していたと判明。そのおかげで主人公は助かる。この密告した女性が主人公の発言を聞いたときの表情が思い浮かんで爽快。
で、結局最後はもどって来て大団円なわけだが、ここの演出もいい。主人公はアデルにだけ愛の告白みたいに手紙を書いていたのに、帰ってみたら町の人総出で祝福。壮大なOKサインというわけだ。最後も幸せそうなシーンが続きハッピーエンド。後味のよい映画でした。

追記
興味があって調べてみたら、ハリウッドのブラックリストのおもしろいページが。
ハリウッドテン
この中のハリウッドテンであげられている、ダルトン・トランボ、実はローマの休日の脚本もしていたのねー。こうやって虐げられていた状態で、あれだけの名作の脚本を書けるところは本当にすごい。