みんなのテニス体験版 ファーストインプレッション

PS陣営において、今年の第3四半期を支える重要な柱である「みんなのテニス」。すでに体験版を配布するなど、SCEの気合の入れようはかなりのもののようですね。この製品版ソフトについて、忍さんが試されてレビューを公開されています。
万人向け=無個性ではないはずなのだが「みんなのテニス」|忍之閻魔帳
こちらの忍さんのレビューでは、「無個性」という評価でしたが、自分が実際に店頭でプレイした感じも似たようなものでしたね。操作感覚としては、とくにファミリーテニスのころから大きく変化していない印象です。むしろ、ボタン3つを使い分けないといけない分難しくなっている印象も。ジャストインパクトしたときに勝手にリプレイが入るのもちょっとうざいです。

SCE的には、「みんなのゴルフ」同様の売れ方を期待しているのかもしれませんが、根本的にゴルフゲームとテニスゲームは違いますし、ゴルフをする層とテニスをする層も異なっています。ゴルフは動き回る要素よりもいかに精度よく、状況を読んでプレイするかが重要なスポーツ。身体能力として要求されるものは大きくはなく、道具などでもある程度カバーできるため、幅広い年齢の方がプレイされています。そうした層にとって、みんなのゴルフは実際のプレーと同様、アクション要素の少ないゲームとして、簡単にプレイできるということで人気が出たわけです。それに、ゴルフにはいろいろなコースの風景やつくりそのものを楽しむ、という要素もありますからね。それもゲームとはよくマッチしている感じです。
一方、テニスはどうしてもコートを動き回るためある程度の体力が必要です。また、道具だけでカバーできる要素も少ないです。そして、ゲームになってもやはりアクション要素は高い。いくらみんなのテニスが簡単にしていると言っても、ボタン3つ使うようでは、うまくプレイできない人もいそうですし、そもそもサーブすらうまくいかない可能性もありますよね。

こうしたことを考えると、正直テニスゲームと言うのは、ゴルフゲームほど幅広い年代に爆発的に売れるものではないと思うのです。せいぜい、ゲームに抵抗感がない30代ぐらいまででしょうか。みんなのゴルフが好きな層が流れで手を出す可能性はありますが、本当に満足に遊べるかどうかは疑問です。動きはオート、スイングもすべてワンボタンぐらいのモードを用意しておく必要があるんじゃないでしょうか?

また、普通のライトユーザにとっても、忍さんの指摘されるように、「無個性」であるというのがネックな気がします。SCE的にも、売り文句を作るのは難しいのではないでしょうか?「あのみんなのゴルフを作ったチームの新作!」「だれでも簡単にプレイ!」この程度のうたい文句しか思い浮かびませんし、この程度のうたい文句で買ってくれるようなら、どこの会社も苦労しないですよね。

悪いゲームにはならないとは思うのですが、ロコロコのようにあまりに過剰にSCEが広報活動してしまうと、また逆効果で爆死扱いされてしまう可能性も捨てきれません。WiiSportsでテニスが目玉になっていることもあり、SCEとしてはこのテニスゲームでWiiの出鼻をくじきたいところですが、果たしてどうなりますか。