ファミ通、ニコニコ、4gamerの3メディアが合同新会社「リインフォース」設立

コンシューマーゲームが下火になってきている中、業界再編も進んでいる日本のゲーム業界。その中でも動きが活発なのがコンテンツ事業の雄、角川です。任天堂と「零」関連で連携したかと思えば先日はフロム・ソフトウェアを買収。そして今度は複数のゲームメディア間での合同会社の発表です。

(CNET Japan) ニコ動とファミ通など大手ゲーム3誌が強力タッグ--新会社を設立 - CNET Japanニュース - テック&サイエンス:朝日新聞デジタル

合同会社を設立するのは4gamerを運営するHUG、ファミ通・電撃を運営する角川、そしてニコ動を運営するドワンゴ。社長は4gamer副編集長の人がなるようで、形としては4gamerが主体となって設立したような形ですね。

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ただ、4gamerと角川が組むというのがちょっと意外でしたね。角川関連はもともとゲームのメディアとして広告媒体として意味合いが非常に強く、ゲームの評価や紹介とかでも広告費を払う「お客様」であるゲームメーカーの機嫌ばかり伺うような記事が多く見られました。一方、4gamerはページ内の広告の量とかはむしろファミ通とかより多いぐらいで、MMO関連とか露骨に広告的な記事ばかりだったりしますが、レビューやインタビューとかでは結構ズバズバ切り込んだ記事があったり、松PPのアイマス記事のようにプレイヤー目線で書く記事があったりといろいろ面白いところもありました。自分もTwitterやブログでニュースを紹介するときは4gamerを多めに取り扱っていたところがあります。

そんな状況で、4gamerが角川だけでなくニコニコとも組むというのがなんとも。ニュースや報道とかでは会社ごとにバイアスが違うため、GoogleニュースなりYahooなりで複数報道を照らしあわせて見ることがバイアスに流されないための一つの手法ではあるのですが、こうやって複数媒体が合同になってしまうとやっかいですね。日本でのゲーム関連の報道ではかなり一方的なバイアスにさらされることになりそうです。角川のメディア支配が進んでいるというか。角川の意向に沿うものがヒットするように、流れが作られていくんだろうな、という印象です。任天堂が角川やニコニコとの連携を強めたのも、この辺の流れを受けてのものだったりするのかもしれません。

多角的な情報分析がしづらくなる和ゲー関連

一応海外メディアとかを見ていくというところもあるでしょうが、洋ゲーと日本のオタゲーはまた違いますからねぇ。かといって、まとめブログや素人情報とかでは個々人の感情に基づくよりつよいバイアスがかかってしまうところもありますし、口コミサイト関連も、サクラとかを疑うと鵜呑みにもしづらいです。国内だと後はdoope!とかでしょうか?比較的メーカーからのバイアス少なめな情報サイトというと。
doope! 国内外のゲーム情報総合サイト

全部買ってプレイして自分で判断が一番なんでしょうが、そんなお金も時間も普通の人にはないですしね。発売前のソフトなんてそれこそ無理な話ですし。情報の受け手側としては、多角的な判断がしづらい状況になってきたなぁ、という感じです。

ただでさえ下火傾向の和ゲー業界だけに、今後は角川などのレールに沿ったコンテンツだけが順繰りにヒットさせられていくサイクルになってしまうかもしれません。できれば、そういう予定調和的なものでない、斬新でイノベーティブなゲームがいろいろ出てきて楽しませてほしいところではあるんですけどね。この先どうなりますか。合同会社が具体的にどんなことをやっていくのかまだ不明なだけに、まずはそれが発表されてからですかね。