葛西選手、ラージヒル個人で銀メダル〜20年ぶりのメダル、個人では初

昨日は羽生選手の金メダルで湧いたソチ五輪。今日はレジェンド葛西選手のラージヒル。7度目のオリンピック、41歳でなお世界トップ争いをしているというすごい選手です。ノーマルヒルでは残念な結果でしたがある意味本番はラージヒル。メダルが期待される試合となりました。

1回目、葛西選手以外の日本選手もいいジャンプを見せる中、葛西選手の一本目は大ジャンプ。139mで最長不倒距離。テレマークがわずかに乱れましたが飛型点も19.0三人と高く140.6でこの時点でトップとなりました。ただ、その次のノーマルヒル金メダリストのストッフがまたすごいジャンプ。距離は139mでなおかつ着地も完璧。143.4と上回ってきました。

1回目を2位の状態で迎えた2回目。風の状態がいろいろ変わり、ゲートが2回下げられるなど難しい展開。ゲートが下げられる直前に飛んだ選手がしばらくずっと1位にいましたが、やはり一回目上位の選手は次々と1位の位置に。そしていよいよ葛西選手の番。ここでも葛西選手は見事なジャンプ。仮想トップの青ラインを越え、着地もしっかり。133.5mの大ジャンプでした。下に降りてきたときに他の日本選手がだーっと駆け寄ってきた光景は本当感動的でしたね。しばらく時間がかかったあと、それまで1位の選手がカメラに写ってる時に「そっち」と葛西選手の方を指さし、暫定1位に。ここまで本当見事な展開でした。最後ストッフ。なんとか昨日の再現でミスが出ないかと思ってみていたのですが、さすがのジャンプ。距離は132.5mと1m葛西選手よりも短かったですが、着地もまとめました。祈るような気持ちで点が出るのを待ちましたが、残念ながら葛西選手の得点を上まってしまいます。わずか1.3点差。1回めの2.8点差から1.5点つめたものの、逃げ切られた形ですね。

点差が非常に惜しかっただけに、悔しいところも残ったのですが、それでも銀メダル。葛西選手は個人では初のメダル。団体としてリレハンメルで銀を取っていますが、これはもう20年前ですからね。20年ぶりのメダルというだけでも異次元です。まさにレジェンド。インタビューでは他の日本選手が口々に葛西選手のメダルを自分のことのように祝福。年齢差が10歳以上ちがったりしますからね。へたすれば親と子かというような。そして葛西選手は他国のプレスにも引っ張りだこで日本の順番にくるまで長いこと待たされます。そのせいで、リプレイ祭りになっていました。リプレイの中でスピードスケートの清水さんと岡崎さんのペアが観戦して喜んでいるシーンがうつり、ニコニコ実況では「不倫w」と弾幕が踊っていたのが面白かったです。

そしていよいよ葛西選手の番。メダル獲得に喜び、金でなかったことに少し悔しがり、という感じでベテランらしくしっかりと長く語っていましたね。インタビューした工藤アナもさすがの安定した聞き方でした。レジェンドと呼ばれていることに対して「本当は金をとって本当にレジェンドと呼ばれたかった」「金という目標に向かってさらに頑張る」と。この後の団体のことを指しているのかもしれませんが、なにか4年後の五輪まで現役をそのまま続けるんじゃないかみたいな勢いでしたね。怪我とかそういうものでどうにもならなくなるまで、こうなったらとことん続けてほしいなと期待してしまいます。7回目、41歳になってもメダルはとれるということは、何歳になっても諦めないで現役を続ける選手たちにとって大きな励みになったと思います。

僅差で金を逃したのは残念でしたが、見事な銀メダルでした。他の日本選手も皆15位以内と好調ですし、団体でのいい戦いを期待したいと思います。