上村選手、女子モーグル4位、惜しくもメダルならずも素晴らしい滑り

いよいよ開催したソチ五輪。開会式で五輪が四輪になるようなハプニングで始まり、フィギュア団体が先に進んでいましたが、個人での注目競技としては上村愛子選手の登場する女子モーグルがありました。

一日で一気に予選2回めから準々決勝、準決勝、決勝と連続で滑る激しい試合日程。この中で、予選2回めでは星野選手が脱落。村田選手が見事突破したものの準々決勝直前の練習で怪我をして危険と、伊藤選手につづいてアクシデントに泣き、結果最年長の上村愛子選手に期待がかかることとなりました。

準決勝では見事な滑走をしてその時点でトップ。6位まで決勝に残れるという中、徐々に追いぬかれていって残り3人で4位と微妙な位置。そして二人に抜かれて6位、最後の一人に抜かれたら決勝ならずというところで辛くも上回り決勝進出となりました。

そしてその後進行が押していたためか間髪入れず4:10に決勝に。6位だった上村選手はトップバッター。ここで上村選手は準決勝をさらに上回る素晴らしい滑りをします。ターンでも大きなミスがなく、タイムも30秒台前半と十分な早さ。ただ、点自体は思ったよりも伸びず、どうなるかという感じでした。

その後、最初の上村選手の得点が基準となったからか、他の選手もあまり点は伸びず、残り3名の段階で上村選手は1位。3人のうち、誰かを上回れればメダルというバンクーバーと同じような展開となりました。しかし、そこから2人の姉妹が見事な滑り。タイムは上村選手より悪かったもののターンでの大きなミスがなく、採点では上村選手を上回ります。そして最後は情報カーリー。女王だけに半ばあきらめていましたがここで、ターンの時に大きくバランスを崩すシーンが2、3回。「これはメダル行ったか!」と非常に期待したのですが…、残念ながら採点ではわずかに上村選手を上回り、またも4位となってしまいました。

愛子、惜しい…2大会連続4位で日本勢初メダルならず/モーグル (1/2ページ) - ソチ冬季五輪2014 - SANSPO.COM(サンスポ)

採点を見ると、上村選手がターン点が3.5+3.5+3.6の10.6、エアーの点が4.2、タイムでのポイントが5.86で合計20.66。一方、カーリー選手の場合はターン3.7+3.6+3.8の11.1、エアー(4.88+4.64)/2の4.76、タイム点が5.63で21.49。合計では0.83差で、ターンとエアーで各々0.5ぐらいつけられており時間差ではそれを覆せなかった形でしょうか。カーリー選手のそもそもターン・エアーの完成度が高かったということなんでしょうね。バランス崩した後のリカバーがうまかった、と。

しかし、上村選手は本当に残念でした。7、6、5、4と順位を上げてきて、今回メダルに届けばきれいなストーリーだったのですが、非常にも今回も4位。でも、5大会連続でオリンピックの入賞・メダル争いを続けているだけでもすごいことです。立派な成績であり、できれば上村選手に笑っていてほしいと思ってインタビューを待っていたのですが、インタビューではベテランになった上村選手が非常に晴れやかな表情でコメント。滑り終わった時点で、今日最高の滑りができたことで泣いてしまった、メダルも手が届くかと考えたが届かなかった、と。最後、メダル取れなくて申し訳ない、と言われた時はこちらこそ申し訳ない、あげたいぐらいだと泣けてきてしまいました。

インタビューの話を聞いても彼女のオリンピック挑戦は今回が最後かもしれません。惜しくもメダルはなりませんでしたが、メダルだけではない価値を彼女は見せてくれたと思います。感動をいっぱい届けてくれた彼女を大いなる称賛をもって迎えてあげたいと思いますね。4位入賞お見事でした。そして、お疲れ様でした。