任天堂、eShopの利用制限を実施〜18時から6時まで利用停止

昨日から大きな問題となっている任天堂のネットサービス全体の過負荷問題。3DSへのニンテンドーネットワークID導入とコンテンツ引継ぎに起因するもので、任天堂自らが招いた事態。わざわざ負荷の高い処理を年間最もアクセスの集中する時期に断行した任天堂経営陣の判断ミス、および負荷予測しきれなかったネットサービス責任者、eShop接続時に確認なく強制的にコンテンツ引き継ぎ処理をする仕様を考えた担当、さまざまな人的要因が重なって生じている形です。

この問題は今日になって幾分改善は見られたようですが、ここに来てさらなる対策が打ち出されました。

ニンテンドー3DSのニンテンドーeショップの利用制限実施について 任天堂ホームページ:お客様へのお知らせ

今回、他の国のサービスを止めてみたら日本の日中のアクセスが改善されたので、しばらくは国ごとに利用期間に制限をかけるとのことです。ただ、よくわからないのがその時間。日本の利用可能な時間は朝6時から18時まで。18時移行からは朝までアクセス出来ない形です。むしろ、18時以降から夜のほうがネットアクセス増えるんじゃないでしょうか?社会人なら夜に利用する方が多いわけですし。これから正月休みなので一概には言えないのかもしれませんが、年内はずっと仕事、みたいな社会人には酷な仕打ちですよね。「ゼルダ神トラ2のパッケージ売り切れだったからDLカード買ってきたのに!」という人はご愁傷さまというか。

アクセス制限を欠けるなら、むしろ「各国のピークタイムに、その他の国をアクセス制限する」方が筋がいいように思われます。これでは、前述のようにゼルダ2とか今日会社帰りにDLカードで買ってきた人とか、ダウンロード出来ないわけですし。アメリカのピークに合わせたいなら、別に夜12時から昼12時とかでもよかったように思います。そもそも12時間というのが長い気もしますが。それに、日本の会社の任天堂のサービスを日本人が受けているわけで、「世界的な混雑解消のために日本は18時以降利用禁止ね」と言われても、日本の客が「ああそうですね!」と納得出来るものかどうか。「え?週末の夜にわざわざサービス停止してるの?」と、想定外という感想の方が多そうな気もします。

任天堂側の不手際のツケを客がかぶる形に〜事態改善と再発防止策の提示を

根本的なところは、冒頭でも書いた「3DSへのNNID導入&引き継ぎに関する負荷見積もりミス」、「導入時期の判断ミス」、「引き継ぎ処理の仕様ミス」という、任天堂側もミスが重なったことによる問題。そのつけを、お金を出して商品を購入した客に負担を強いている形になっているわけです。できることなら、一旦3DSでのNNID登録と引き継ぎを中止して、負荷そのものを軽減した方がよいのではないでしょうか?もし3DSのこの前のファーム更新でそうした暫定対応ができないような状況だとどうしようもないですが。

せめてeShop接続時に「時間がかかるから後回しで。その間は本体認証のまま」という選択型にしていれば良かったんでしょうけどね。WiiUの初回本体アップデートでダイアログ表示した際に「更新しない」を選ばないとバックグラウンドダウンロードできず、更新するを選んでしまった場合は何時間も待たされるという問題がありましたが、どうも任天堂は「面白いゲームを作ること」には長けているのにこうしたサービスやOSレベルでは仕様レベルでおかしなところがありますね。社長が訊くで「なぜこんな仕様にしたのか」と、システム担当者と責任者並べて岩田社長にプログラマ目線で問いただして欲しいところです。まあ、そもそも年末年始商戦が明けた1月末とかにID導入するか、10月ぐらいに前もって導入できれていばもう少し違ったと思うんですけどね。なぜ12月に強行したのか、これについても岩田社長のコメントが聞きたいところでもあります。

クリスマス商戦の爆発的な売上にも起因するものではありますが、1000億コミットを定めていて前回の四半期決算でも「年末商戦次第」として達成困難と思われる目標も下方修正しなかったぐらいなのですから、年末年始にたくさん売ることは想定してなければおかしい話。それでこの事態を引き起こしているのは、いろいろお粗末な印象があります。なにより一番の被害者は「任天堂商品を買った客」なわけで。高い信頼性を得ている任天堂ですが、あまりこういった事態が続くようだと中には愛想つかす客も出てくるかもしれません。信頼は任天堂の何よりも大きな武器なわけですから、一刻も早く今回の問題を収束させると共に、今後再発しないような社内体制の見直しなどを実施して1月末の決算報告などで報告していただきたいものです。