任天堂、中間決算232億円の営業赤字〜WiiU苦戦、欧州ではマイナス出荷に

日本のゲーム市場では3DSで圧倒的なシェアを誇っている任天堂。ただ、経営という点ではWiiUの大苦戦、そして3DSの海外での伸びがまだ期待するほどではないなどで、3DS値下げ後の逆さやなどの影響を覆すほどに至っていない状態です。こうした状況の中ですが、岩田社長は「1000億円営業利益をコミット」という大きな目標を掲げ、それに向けていろいろキャンペーンを打ったりネットでのコンテンツ販売を広げたりと、いろいろ施策をとっていました。

その任天堂の4-9月の中間決算が発表となりました。

UPDATE 2-任天堂 、中間期232億円の営業赤字に 「WiiU」苦戦 | マネーニュース | Reuters

結果としては、円安による差益もあり経常利益的には12億の黒字なのですが、岩田社長もコミットメントしていた肝心の本業儲け、営業損益が232億円と大きく赤字。コミットメントである1000億円とは、逆の方向に伸びてしまいました。

課題となっているのは、なんといってもWiiU。これの販売不振と海外での値下げ、販促費用で営業利益を圧迫しているようです。特に特筆すべきは欧州の売上ですね。

「平成26年3月期 第2四半期決算短信」(PDF)

最後のページ、WiiUの販売台数で、日本23万台、北米23万台に対して、欧州を含むその他がマイナス1万台。マイナスというのはちょっと異常ですね。販売不振による在庫過剰で、海外ではベーシックパックの販売終了が伝えられていましたが、この回収分を新規の出荷分で挽回できなかったということでしょうか。以前、生産出荷を使っていた時代のソニーが、在庫過剰で生産出荷出来ずに北米でのPSP販売が1万台、というのがありましたが、それを越える事態になってしまいました。(まあ、生産出荷は生産数なので、出荷数と違って返品・回収でもマイナスになることはない数字ではありますが。)

決算報告で晒された「生産出荷台数」の歪み - わぱのつれづれ日記

この状況ですが、年度としての見込みは据え置き。1000億円のコミットメントもそのままです。「後ろを向くのではなく何としてでもやり抜く」というような意味合いなのかもしれませんが、さすがに無理があるんじゃないでしょうか。投資家の参考とする数字でもあるわけで、決意表明に使うための数字ではないとも思うんですけど。それに、営業利益にばかり必死になってしまうと、消費者へのサービスの点でしわ寄せがこないとも限りません。素直に下方修正して、既存顧客の満足度も重視した無理のない経営をした方がいいと思うんですけどねぇ。経営責任は取らないとだめかもですが、後になればなるほど岩田社長の退任の道しかなくなるわけですし。

ともかく、課題はWiiUと海外。国内ではPS4も遅れた関係で独壇場ですので、ここでどれだけ稼げるか。ソフト的にはそれほどこれといったソフトも思い浮かばないのが難ですが、ポケモンで引っ張る感じですかね。後は海外もポケモンだのみか。WiiUはWiiFitUが一つありますが、これだけではきついので、3Dワールドだのみ。これもちょっと弾としては弱いので、マリカとスマブラをいつ出せるか次第でしょうか。まだまだ正念場は続きそうです。