SCEJA Press Conference 2013開催〜PS4は2/22発売、新型Vitaに据置Vitaも

先週末はオリンピック開催都市、最終候補競技発表と大きな発表が続きましたが、今週もまた大きな発表が続きます。明日深夜にはAppleiPhone発表が控えていますが、まず今日はソニーが日本向けの販売戦略を発表する「SCEJA Press Conference 2013」が開催されました。

USTREAM: SCEJA Press Conference 2013 (Japanese): 国内のプレイステーションビジネスにおける販売戦略の発表、 『SCEJA Press Conference 2013』の模様を皆さまにお届けします。 【放送日程】 2013.09.09.(月)15:00〜終了まで...

注目はなんといってもPS4の国内展開だったのですが、発表はまずPS Vitaから。

新型PS Vita発表〜値段据え置き、液晶化、microUSBコネクタ、内蔵1GBメモリーカードなど

値下げ以降、それなりの勢いは継続しているPS Vita。とはいえ、相変わらず30万本超えるタイトルが出てこないなど、キラータイトルに欠ける状況は続いています。そんな中、まず本体側で次なる一手が打たれたようです。

【速報】新型PS Vitaが10月10日より19929円(税込)で発売!【SCEJAプレスカンファレンス】 - ファミ通.com

値段は据え置きながら、より薄く、軽くなった形。また、画面が有機ELから液晶に変わっているのが一番大きな変化でしょうか。有機ELはたしかにコントラストの面では非常に優れているのですが、暗転時のシミが気になったり、寿命が液晶に比べると短ったりしますしね。コスト的にも今は液晶が無難ということなんでしょう。また、コネクタが専用コネクタから汎用のmicroUSBに変更となった模様。これも朗報ですね。Vita充電用のケーブル、専用の割に太くてかさばるんですよね。汎用のmicroUSBなら巻き取り式とかいくらでも種類ありますし、使い勝手が良さそうです。

また、内蔵メモリーカードとして1GBを搭載。これも非常に大きいですね。初代の時から、少しでいいので内蔵メモリを持っているべきだと思っていたので、これはやっとかというぐらい。なにせ、Vitaは「メモリカードがないとできること半減」といった状態で、実質同時購入必須のような感じでしたから。Twitterやらニコニコやら、各種無料で落とせるアプリをまず買って楽しむぐらいなら1GBでも十分でしょうし、これでやっときちんとした商品になった感じがします。

デザイン的にも、丸みが増えてよりいっそうPSPっぽいイメージになった感じです。色はライトグリーン&ホワイト、ライトイエロー&ホワイトなんかはかなり可愛い感じで好感触です。

内蔵メモリカードも3割近く大きく値下げ。前述のとおりVitaはメモリーカード必須なところがあっただけに朗報でしょう。ただ、それでもSDカードに比べると高いんですけどねぇ。今更汎用メモリは採用できないってことですかね、互換性的に。せめてmicroSDが変換アダプタ経由で使えるだけでも違ったんでしょうに。

ちなみに、3Gモデルについては新型無し。在庫が溜まっているから、と思われましたが一応ファミ通の追加取材によれば、これはこれで生産続けるようです。逆に言えば、もうメインラインでないからコスト度外視、ってことなのかもしれません。
PS4国内発売日、新型PS Vitaなどについてカンファレンス終了後、SCEJA河野弘プレジデントに直撃 - ファミ通.com

ゲームもいろいろ発表されていましたね。セガとAAAのファンタシースターノヴァとか、ソウルサクリファイスデルタとか、「そうくるか」とちょっと驚きも。ただ、相変わらずキラー不足な感じですかね。どれもそこそこファンを抱えているので、まあこういう路線で堅実に良く感じですかね、Vitaは。

PS4、国内での発売は2014/2/22〜

さて、続いてPS4。注目の発売日ですが、なんと2014/2/22。

速報:プレイステーション4は国内2014年2月22日、4万1979円。 - Engadget Japanese

てっきり年末発売だと思っていたので、これはびっくりしましたね。年末商戦を捨ててくるとは。それだけ海外ロンチの方が重要ということなんでしょうね。シェア的にも。台数もロンチにそろえないといけないですし。しかも3ヶ月遅れというのは、結構なブランクです。リージョンコードとかもないですし、秋葉とかで海外版PS4を購入する人が出てくるかもですね。割高でしょうけど。

値段は約4.2万円。これもやはりなかなかの価格です。ロンチラインナップも、E3などで明らかになっていた洋ゲー中心。サードのロンチも無双や龍が如くなどのPS3,Vitaとのマルチ。そもそも和ゲーはPS4PS3でどれほどの差が出せるのかも不明ですし、なかなか厳しい感じではありますね。消去法的には次世代機ではPS4だと思っていましたが、うーん、という感じも。

ソフト的には、個人的にはアイマスPS4参戦表明出たのが大きいでしょうか。

これからのアイマス!|アイドルマスター公式ブログ

もっとも、自分自身モバマス、グリマスを一切やらない関係で、ちょっとアイマスからは離れている感じもあります。どういったタイトルが出てくるのか次第ですかね。PS4の前にまだ家庭用の展開がありそうですが。

ギャルゲー以外だと、角川ゲームズの新作SRPGとかが新情報でしょうか。でもこれもPS3,Vitaとの縦マルチ。互換性も無いですし新ハードということですから、当分は縦マルチが続くんでしょうかね。ソニーも、縦マルチしやすいような開発環境提供しているんでしょう、おそらく。一応PS3版持っている人にPS4版を安価に発売、とかやるようですけど、UMDパスポートみたいなものですし、そこまでする人がどれだけいますか。しばらくはPS3がトップを走り続ける感じもしますね、日本の据え置きゲーム機は。

隠し玉として「PS Vita TV」〜据え置き型のPS Vita、約1万円

そして公園の最後になってアンドリュー氏が登壇。ここで隠し玉としてPS Vita TVが発表されました。

ソニーPS Vita TV 発表、9954円の画面なしPS Vita。11月14日発売 - Engadget Japanese

噂は出ていましたが、ディスプレイの無い据え置き型のVita。コントローラは既存のDualShock3を使います。値段も安く約1万円となっています。

位置づけとしてはAppleでいうAppleTVですかね、ネーミング的にも。ただ、物としてはどっちかというAndroidの据え置きゲーム機、OUYAに近いもののようにも感じます。

うー!やー!:据え置き型Androidゲーム機「OUYA」は“遊べる”か (1/4) - ITmedia PC USER

OSやハード的にはVitaと同様。ディスプレイが無いがソフト的な互換あり。ただ、一番大きな違いは「コントローラの互換がない」ということでしょうか。PS Vitaの特徴である前面タッチ、背面タッチ、両面カメラ、ジャイロ、そのあたりの入力がDS3ではありません。唯一ジャイロはありますが対応してないようです。せめてPS Vitaをペアリングしてコントローラがわりに出来ればいいのですが現状それもない模様。PS4のコントローラのタッチパッドへの対応も言及はありません。タッチパネルとタッチパッドは、たしかに似て非なるものではありますからね。タッチする前になぞってカーソルを出すようにしないと直感的な操作もできないでしょうし。タッチパネルが絶対的操作に対して、タッチパッドは相対操作、マウスに近いですしね。この辺の違いをOSで吸収するようにしないと対応が難しいということでしょうか。

ただ、このために遊べるゲームはかなり限定的な模様。

PlayStation®Vita TVで遊べるPS Vitaゲーム | PlayStation®Vita TV | プレイステーション® オフィシャルサイト

昨年のゲーム大賞を獲得したGravityDazeや話題性はあったシェルノサージュなどが対象外。積極的にPS Vitaの機能を活用しているソフトほど遊べないという皮肉な状態になっています。SCEのソフトに対応しないのが多いというのがなんとも。先日、任天堂が2DSを海外向けに発表した際に「これで立体視にこだわるゲームが減るかも」という懸念がありましたが、今回のVitaTVの発表で「タッチパネルやジャイロにこだわったゲームが減るかも」という懸念が生じる印象です。メーカーからしてみれば、みすみす遊んでもらえる、手にとってもらえる機会を減らすことになりますしね。DS3で操作できるような対応を取ってくるのが常識となり、冒険的なソフトがあまりなくなるおそれが有ります。まあ、そんなクリエイティブなものにこだわってられるほど甘い状況じゃないってことですかね、任天堂に続きソニーも。

もっとも、VitaとPS4でのリモートプレイがアピールされていた中、その仕組をそのまま応用できるVitaTVというのはなかなか面白いところがあります。PS4はデフォルトで動画録画対応、ネット配信も出来ます。高速エンコードに関しての工夫が入っているんでしょう。それを低遅延なフォーマットでVitaに転送、Vitaも動画デコードはHWで支援されているので、WiiUほどではなくてもかなりの低遅延なリモートプレイは実現してきそうな気がします。この辺のソニーの技術力は楽しみなところです。

まとめ〜既存の延長上として堅実な展開

以上、盛りだくさんの内容だった今回のSCEJAのカンファレンス。PS4が年末商戦を外してきたのは意外でしたね。XboxOneが元々来年発売だったので、先手をとって勝負を決めてくるかと思いましたが、WiiUの爆死、Xbox360の惨状も見て「無理しなくても良い」という判断になったのかもしれません。ただ、この状況だとスロースタートにはなりそうですけどね。トータルで利益が取れればいいという感じでしょうか。ライバルがいまいちなのは確かですし。むしろスマホ系が伸びて市場がそちら中心に移っても、一定量残る据え置き需要をがっちり掴む、というのがPS4のミッションとも思います。

Vitaについては新型Vitaは堅実な形のアップデートですね。コスト的にも改善されているんじゃないでしょうか。後はソフトの充実でしょうが、オタク向けの人気はある程度確保しているので、こういったコアな需要を少しずつでも厚みをまして行くことがビジネス的には堅実かもしれません。VitaTVは、AppleTV的アプローチを既存のVitaアーキテクチャでうまいことやってきたという感じ。ただ、その分Vitaの特異性を抑えこむ危険性も生んでしまった気もします。スマホnasneとの連携など、ソニーなりのアプローチでいろいろ広がりを見せているのはおもしろいですね。

全体的には、既存の延長線上として、理詰めで堅実に手を広げてきた印象です。その中で、VitaTVなどで使い回しでも冒険的なアプローチが提供できている感じ。あとはソフトですかね。どうしても似たようなソフトばかりが溢れている印象。PS4も、HDの世界でPS3に対してどれほど差を主張できるか。あまり主張できすぎても、PSPに烙印を押すだけで自分が引き継ぐことの出来なかったVitaみたいになりかねませんし。SCEは自社ソフトでかなり頑張っている印象はありますので、この辺りの出来と、アピールがどの程度できるかがカギになってくるかと思います。とりあえずは、東京ゲームショウで見るのが楽しみです。