「すれちがい通信中継所」のなりすましハック手法が判明〜MACアドレス偽装で

リアルなすれちがいをゲーム要素に取り込むことで独特のゲーム感を生み出すことに成功している3DSの「すれちがい通信」。一方、日本の都心のように電車通学・通勤が主だったところだといいのですが、田舎で車中心だったり、海外のように広いところだとそうしたリアルの近距離通信がまともに機能しないような状況もありました。こうした状況を加味して、海外でまず、ホットスポットやNintendoZoneを介した「すれちがい中継所」が導入されました。

任天堂、米3DSでNintendoZoneを通じた『擬似すれちがい通信』を導入 - わぱのつれづれ日記

日本でも先導入されましたね。このすれちがい通信中継所ですが、早くも仕組みを解析されてないすましハックする手法が見つかってしまったようです。

ニンテンドー3DSの『すれちがい通信中継所』になりすましハック、ネット経由でデータ交換 - Engadget Japanese

仕組み的には、すれちがい通信中継所のルーターに任意のルーターをなりすましさせてしまい、それを使ってすれちがうというもの。「同じMACアドレスの中継所にアクセスしたかどうか」だけで判定しているため、MACアドレスを変更可能で独自プログラムを動かせる環境ならルーターなりすましが出来てしまうようです。Linuxが動けばOK、的なお手軽さ。

てっきり、仕組み的に特定のホットスポットとかに対して認証を入れていて、こうしたなりすましは最初から対応済みかと思っていたのですが、そんなことはなかったようです。MACアドレス偽装とか、LinuxPCのルーター化なんて非常にポピュラーな話ですし、そういうのについて念頭になかったんでしょうか?この仕組を仕様書に起こしたりホワイトボードに記載して議論しているレベルで気づきそうな気もするんですけど。

現状、これにより大きなセキュリティリスクにつながるわけではなく、逆にすれちがい通信を任意の場所でできるようになるなど利便性があがるところもあるようですが、リアルに出歩かなくてもすれちがえるようになってしまうとそれはそれで「すれちがい通信」のコンセプトが崩壊。いわゆる「チート蔓延状態で興ざめする」という事態にもなりかねません。そもそも「すれちがい通信中継所」という時点で時間差すれちがいを導入した事自体、コンセプト的にはぶれがある状態なので、果たして任天堂が今回の件にどの程度の早さで対策を取る、もしくは黙認するのか。任天堂の思惑を見極める上で注目したいと思います。