NPB、統一球の変更を認める〜加藤良三コミッショナー「隠蔽のつもりなし」「不祥事ではない」と逆切れ

今シーズンも毎日チェックしているプロ野球。今シーズンは昨シーズンよりも明らかにHRが多く、「これボール変わってるだろ」と開幕当初から言われていたのですがNPBやミズノは否定していました。それが、ここに来てとうとう統一球の変更を認めてしまいました。

嘘つきNPB!やっぱり飛ぶボールに変えていた!12球団には隠ぺい:プロ野球:野球:スポーツ報知

昨年までの統一球はあまりに飛ばなすぎて、WBCにいたっては「統一球より飛ぶ」と選手からコメントが出る始末。ですので、統一球を変更すること自体は問題なかったと思います。ただ、問題なのはそれを隠していたこと、さらに「変更を認めるな」とミズノにも口止めしていたこと。さらに昨年のボールは規定以下の「違反球」が多数見つかったのにそれも公表せず。オープン戦でこっそり在庫処理させて公式戦から新統一球に変更したということです。これでは、昨年までの記録は違反球に基づくものになってしまいます。さらに、選手の調整期間であるオープン戦から本番でボールが変わるというのもひどい話。選手のインセンティブ契約防御率などを挙げていた投手とかもたまったものじゃないでしょうね。

このため、特にプロ野球ファンの中ではこの隠蔽に対して怒り爆発。スポーツナビのブログなどでも怒りの記事が溢れていました。

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そしてこれをうけてNPBに各種マスコミが確認を求めるもNPBは応じず。ようやく記者会見を設定したと思ったらなんと20時から。セパ交流戦がやっている真っ只中という会見というのだから驚きです。さらにその会見内容がまたひどく、加藤良三コミッショナーが逆切れ状態でした。

「不祥事ではない」と断言=加藤コミッショナー一問一答―統一球問題|ニュース|プロ野球|野球|スポーツナビ

「統一球変更は知らなかった」「隠蔽のつもりは無かった」「不祥事ではない」「ガバナンスの問題」と、完全に自己の責任は否定。昨日加藤コミッショナーに事前説明したとコメントした下田事務局長も今日になって発言撤回して相談してなかったことにする始末。まるっきり政治家の対応ですよね。「秘書がやったこと」ならぬ「事務局がやったこと」というか。ボールに加藤良三と自分の名前を書いておいて「知らせず勝手にやる奴が悪い。自分は悪くない。」で通用すると思っているのでしょうか。元駐米大使の加藤氏ですが、さすがにこの会見はひどいですね。

プロ野球ファンとしても、ボールが以前よりは飛ぶようになることは歓迎ではあるものの、こうした隠蔽と途中公表は最悪です。数々の逆転HRやサヨナラHRとかが、急に色あせて見えます。逆に去年抑えていた投手は「違反球だから打ち取れた」とも見えてしまいますし。まず違反球見逃していたところから間違っていて、嘘を嘘で塗り固めて裏で調整しようとしたため最悪の事態を招いてしまったようにも思います。

加藤氏は不祥事でないので辞任はしないと言っていますが、正直これではファンの心情は収まらないでしょう。下田氏が発言変更しているのがまたたち悪い感じですし。実行犯的には下田氏なのかもしれませんが、加藤氏は最高責任者としてなんらかのけじめは見せる必要があると思います。プロ野球ファンが試合を楽しんで見られるよう、NPBはファンを向いた行動を取るようにして欲しいですね。