PSVita「閃乱カグラ SHINOBI VERSUS」出荷+DL販売で初週12万本達成

先週最大1万の大幅な値下げが実施されたPS Vita。

PlayStation Vita Wi-Fiモデル アイス・シルバー PlayStationVita Wi-Fiモデル コズミック・レッド (PCH-1000 ZA03) 【メーカー生産終了】

今日発表された海賊無双2の発表会でSCEJ河野氏が話すには、値下げ前の4倍売れたということのようです。
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さて、その値下げと同時発売タイトルとして注目されたのがPSO2閃乱カグラ

ファンタシースターオンライン2 スペシャルパッケージ - PSVita 閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明- (通常版) - PSVita

とくに、カグラは3DSでも10万くらすのスマッシュヒットとなっていましたが、Vita版ではさらにお馬鹿とエロを突出させて、いろんな意味で大きな話題を集めていました。

自分はVita版発表後にネットのコミュニティでゴタゴタがあり、アイマス騒動を思い出していまいち乗り気にならず。ただ、それでも初代、Burstと特典付きで買っていたので、発売前日に「やっぱり買おうかな」と思うも、時すでに遅しで発売当日はどこも品切れで買えなかった、という感じでした。

そのPS Vita版カグラ、初週の販売数は水曜日のランキング待ちなのですが、いち早くマーベラスがPRを出したようです。

4Gamer.net ― 「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-」の販売本数が5日間で12万本を突破。シリーズ最高の実績を達成

なんでも、国内出荷本数とDL販売数をあわせて12万本を突破したとのこと。3DSの初代、Burst以上の売れ行きですね。

閃乱カグラ -少女達の真影- (特典なし) - 3DS 閃乱カグラ Burst -紅蓮の少女達- - 3DS

正直、ここまで売れるとはびっくりですね。たしかにアニメ効果、さらに前作までで着実にブランド力が上がっていたところはありましたが、これまで苦戦していたVitaでの販売だったので、出荷数自体抑えられていたかと思っていたのですが、思った以上に出荷がされていたようです。もっとも、実際の販売数は水曜日の数字待ちですが。かなりの消化率だったので、ここの数字からDL版がどれほど売れたかが分かるかもしれません。

「家族向け」「オタク向け」など、市場に偏り

こうしてみると、なんだかんだでこういうオタク向けゲームが日本市場では受けている、というのは感じますね。昔は日陰の存在でしたが、お色気に頼らないゲームがどんどん高コスト、マンネリなどでしぼんでいく中、オタク向けゲームは市場を伸ばしている印象があります。ソーシャルのカードゲームだって、オタクゲーの一つですからね。

ファミコンから続くゲーム市場において、客層も年を経るにつれ「結婚して家族などを持ち、家族と一緒かライトゲーしか遊ばない層」と「結婚とかせずオタクゲーに収入たっぷり使える層」が団塊Jrあたりでがっつり増えている気がします。前者をうまく取り込んだのが任天堂、後者にウケてるのがPS、というか。さらに今はスマホとかで学生など金銭的に余裕のない層が基本無料で群がり、金のある社会人オタクがリアルマネーで優位感に浸るのがソーシャル。また特典などを買い集めて悦に入るのが据え置きオタクゲーム、というところでしょうか。

海外では30過ぎとかでもPCなどでFPSがガッツリやる層がいるのですが、この辺が日本ではそういう文化があまり無いですよね。そうした背景が「家族向け」と「オタク向け」という偏りに繋がっている気がします。ドラクエもどっちかというと30ぐらいのライト層にうけてますしね。モンハンだけちょっとちがって、どっちかというとポストポケモン的立場でしょうか。「みんなで集まってやるソフト」という。

「誰がお金を出すのか」〜客層を明確にした商売

結局のところ、「誰がお金を出すか」というところでしょうか。家族向けなら子供向けに親がお金を出します。オタゲーなら比較的お金を趣味につぎ込めるオタクがお金を出します。子供同士で「持ってないと仲間はずれ」的な盛り上がりをするものも、親がお金を出したり、小遣いをつぎ込む価値があると子どもも考えるでしょう。そうなると、「一人で黙々とやる、お色気もないゲーム」というのは、どんどん存在感が落ちて行く感じはしますね。そういうゲームほど、プレイヤーの目は超えていて開発費もかかったりしますし。

「良いゲーム、面白いゲームを出せば売れる」というのは、それだけでは十分ではないでしょう。あくまでゲームは「商品」なので。お金を出す層を選定し、そこへいかにしてアピールし買わせるor課金させるか。そして、それにより満足感を得てもらいリピーターとなってもらえるか。そうしたビジネスとして当たり前のことが、今後もゲーム業界では重要になってくるでしょう。それは別に既存の客層だけでなく、新規客層であってもOKだと思いますし。

ゲーマー的には市場第一には歯がゆいところがあるかもしれませんが、すでにゲーム業界は生き残れるかどうかの瀬戸際まで来ていると思います。とにかく小売に出荷出来ればいいだけ、という売り逃げ商法は、結局中古での暴落やワゴンなどで次の作品での縮小につながるでしょう。適切な客層へのアピールし、その上でしっかりとした満足感を与えること。各社頑張ってゲーム業界をもっと盛り上げて欲しいですね。