ソニーもPOSA方式のDLカード販売導入〜PSVitaソウルサクリファイスで

本日から公式に値下げとなったPS Vita。

PlayStation Vita Wi-Fiモデル アイス・シルバー PlayStationVita Wi-Fiモデル サファイア・ブルー (PCH-1000 ZA04) 【メーカー生産終了】

PSO2閃乱カグラという注目作品もあったことで、各地相当賑わったようですね。

ファンタシースターオンライン2 スペシャルパッケージ - PSVita 閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明- (通常版) - PSVita

ソフトも本体も、各地で売り切れ続出だったようです。自分も、昨日急に「せっかくだからカグラ買おうかな」と思い、今日大手量販店やゲームショップなどを何件も回ったのですがどこも売り切れ状態でした。むしろ出荷が足りていないぐらいで、機会損失すら感じられる状態です。

さてそのVitaですが、来週もまた一つソニー的にかなり力をいれているタイトル、ソウルサクリファイスが発売となります。

そのソウルサクリファイス、モンハンに逃げられたカウンター的位置づけとして、2本入りパックなどいろいろな試みがされています。そんな中、今度はDLカードの販売も行われることになったようです。

4Gamer.net ― 「ソウル・サクリファイス」,ダウンロード版のプロダクトコードが印字されたPOSAカードを一部店舗で販売
PS Vitaダウンロード版について | プレイステーション® オフィシャルサイト

任天堂のDLカードと同じPOSA方式

方式はレジを通すことで初めて有効になるPOSA方式、買ってから150日以内に登録しないと無駄になってしまうというのも任天堂のと一緒ですね。見た目もなんか似てます。水色と白というのは元々Vitaのカラーでもあるんですが、WiiUのDLカードとかぶってますよね。縦か横かの違いで。売り場で並べられると紛らわしいかもしれません。

形的には、任天堂が頑張ってどうぶつの森などでキャンペーンも打ちながら知名度を上げたDLカード販売に、「ご苦労さん」という感じでソニーがタダ乗りしてくるような印象もうけます。ただ、ダウンロードでのフルパッケージソフト販売という意味ではPSPのころからソニーが遥かに先を行っていましたし、POSAでのカード販売ももともとPSポイントのカードでは導入していたものです。

POSA技術を採用した「プレイステーション ネットワーク カード」 全国のPOSA導入店にて順次発売開始|プレスリリース 配信サービス【@Press:アットプレス】

さらに、海外ではゲームのDLCの販売などで任天堂が始める前からDLコード販売をしていました。ですので、別に実際はモノマネでもないんですが、POSAかつDLカードの見た目がモノマネ感を強くしている感じですかね。

DL版でありながらモノも手に入るDLカード版〜ネックは割高な独自メモリカード

個人的には、DLカード方式というのは歓迎です。ネットストアからの直接DLだと、どうしても「ものが残らない」ということがこれまでパッケージを買っていた人からすると満足度の低下につながるところがあります。自分はパッケージなどはむしろ嵩張って場所を取りあまりすきじゃないんですが、それでもかさばらないなら物としては残ることは歓迎なんですよね。さらに、任天堂のDLカードでは店舗でのポイント割引なども効きますし。中古で売れないというデメリットが消費者にはありますが、ディスク入れ替えの頻度が抑えられるというのはメリットでもあります。

ただ、問題はVitaの場合、「メモリカードが独自で馬鹿高い」というところですかね。DL版を中心に利用するなら32GBのメモリカードが欲しいところですが、1枚7000円以上しますから。

これがSDカードなら半分以下、激安でいいなら1/4とかでも売ってるので、大きな違いがあります。ソフトサイズが数GBとかだと、それでも直にいっぱいになってしまうかもしれませんしね。

あと気になるのは価格でしょうか。パッケージ版が定価5980円もAmazonでは4890円。そして直接PSStoreからダウンロード購入する場合は4900円。対してこのDLカード版は5380円となっています。販売される店舗で一体どれぐらいのポイント還元があるか、ですね。任天堂の場合だとヨドバシはDLカードは基本定価で10%還元、ビックカメラは5%割引もポイント還元1%とかだったりします。そうすると大体PSStoreから落とすのとたいして変わらない価格ですかね。任天堂ではeShopは定価、WiiUプレミアムだけ1年限定で5%還元。それに比べるとソニーのものの方が若干お得なんですかね?

DLカード、DL版の普及なるか〜中古対策にも効果的?

ダウンロード販売ということでは、任天堂とびだせどうぶつの森の人気&カード生産不足もあって70万とかいうすごい数字をすでにだしています。

『とびだせ どうぶつの森』販売本数の1/4がダウンロード版、既に70万本超え (インサイド) - Yahoo!ニュース

PCではStreamがデファクトになっており、DL販売は基本。スマホタブレットでも、AppStoreやGooglePlayでDL販売が基本となっています。いまや、コンシューマーぐらいなんですよね、ディスクとかメディアで販売しているのって。

パッケージ版は中古に売買できるという点があり、消費者は安く買えたり、いらなくなったら売って回収したりできるメリットがあります。ただメーカーからすると、中古だと発売からしばらくすると中古でぐるぐる回り始めてしまい、メーカーの取り分が減ってしまうという問題があります。そのために、とにかく話題性上げて発注稼いで売り逃げ、中古出回るのを防ぐための無駄なボリュームアップ、中古値崩れに対抗するための早期ベスト版、とにかく新品で買わせようと特典商法、などなど数々の不評を買うビジネスが横行したモチベーションにもなっていたように思います。

すでにPC、スマホなどではDL販売オンリーで中古のない世界。これで回ることで、メーカーは需要に応じて動的に価格も変えられますし、古いソフトでも格安でセールを打てばわずかでも収入が得られます。中古では一銭も入ってこないですからね。ちょうど今、Xbox360でもDL販売のGame On Demandでセールをやっています。210円とかの破格のソフトもありますが、これも中古だったらメーカーに入る金は0なんですよね。

ゲーム オン デマンド セール - Xbox.com

個人的には、「中古で売る」というのがどうももったいない印象があり、ゲームを売ったことはありません。中古で購入することも、数年前の古いソフトを買うときにたまに、ぐらいでしょうか。基本的には、新作を発売日に買い、話題性があるときに楽しむのがいいと思っている性格です。ですので、こうしたDLカード販売やDL販売でのセールとかがもっと流行って中古以外が盛り上がり、結果的にメーカーが潤うならばそっちの方が望ましいと思っています。こっちの方が健全なエコシステムだと思いますので。PSで多いと言われる「新作を発売日に買って2,3日でクリアして即売り、次のを買う」という自転車操業的な買われ方はどうかと思うんですよね。。そういうのに対抗しようとして前述のようなえげつない商法も育っちゃった訳で、非常に負のスパイラルに陥っている印象です。

もっとも、そのDL販売中心していくなら、そうしたえげつない商法を自粛していく、というのが当然前提でもあります。特典商法やるならDLカードに特典つけてほしいぐらいです。カグラだって、DL版早期購入で特典CDのMP3が無料ダウンロードできるならDL版買っちゃうかもしれませんし。まあ、メーカー的には小売に出荷した時点で売上計上できる、というメリットもあるんで、その辺がなかなかコンソールでは普及が進まないところかもしれませんが。

ともかく、任天堂に続きソニーも導入したDLカード方式。MSもDL販売は力入れていますし、次世代Xboxでは何か仕組みを入れてくるような噂もあります。果たして、消費者の固定概念を崩してDL販売を推し進められますかどうか。