ソニー、PlayStation4を発表〜PC風アーキテクチャ採用、クラウド・ソーシャル連携重視、動画配信も

いよいよ本日発表となった次世代プレイステーション

プレイステーション2013 | プレイステーション® オフィシャルサイト

発表されたのは、あっさりとPlayStation4PS4でしたね。

速報:ソニー プレイステーション4発表、8コアAPUのPC的アーキテクチャ - Engadget Japanese
【速報】PS4は8コアCPUを搭載、コントローラはタッチパッド、ヘッドホンジャックなどを備えた“DUAL SHOCK4”【PS Meeting 2013】 - ファミ通.com

大体リークされていた情報通りの内容でした。以下、いくつかポイントに触れていきたいと思います。

x86アーキテクチャのAPU、GDDR5 8GB採用

PCライクなアーキテクチャを採用し、CPUとGPUが一体となったx86 8コアAPUを搭載、メモリは共有でGDDR5 8GBとかなりリッチな感じです。処理能力は2TFlopsと言っていましたね。HDDも引き続き採用するようです。これなら、現状のPC向けに提供されるゲームはたいてい動きそうな感じです。今はどこもPCでゲームを作ってコンシューマーに落としこむという形で作っていますから、PCマルチについては不安になる必要はなさそう。また、高速なメモリがリッチであることはゲーム作成も容易にさせますので、これまでPS3の変態アーキテクチャへのチューニングで悩まされてきた洋ゲーメーカーとしては大歓迎でしょう。

タッチパッド&MOVE用マーカー付きDUALSHOCK4〜SHAREボタンで即時共有も

次に特徴的なのはコントローラ。こちらもリークされていたものと一緒ですね。タッチパッドが付き、さらに上にはMOVE用の光マーカーも。デザインはリークのものよりは少しかっこよくなっていました。このマーカーは、カメラ側がステレオカメラになるようですね。これにより奥行き方向の動きもとれるようになりそうです。Kinectのように立体形状把握とかは無理でしょうが、点としての利用ならばマーカー&ステレオカメラというのは古典的ビジョン手法であり、精度もそれなりに期待できそうです。PSMoveも流用できそうですし、ステレオカメラで奥行きとれることを活かしてくるかもしれませんね。

その他では、ヘッドセット端子を搭載しており、コントローラだけでチャットができる模様。この辺は360コントローラのパクリですかね。あとはSHAREボタンが特徴的。いろいろな場面でこのボタンを押すことでSNSとの共有が簡単にできるようになっているようです。

スリープ/レジューム対応

PS4では、キーワードとしてSIMPLE、IMMEDIATE(即時)、SOCIAL、INTEGRATED(統合)、PERSONALIZEDが上げられています。メインのアーキテクトとしてジャック×ダクスターラチェット&クランクなどを開発したマークサーニーが関わっているらしく、ゲーム体験の向上に注力していると強調していました。

マーク・サーニー - Wikipedia

個人的に引かれたのは、この中で紹介されたスリープ・レジューム機能ですね。コントローラのボタンで即座に本体をスリープ、次に電源を押せば即座に復帰してゲームのプレイが可能。自分はPCも基本スリープで運用していますし、スマホタブレットなどは当然スリープ運用。いちいち起動・終了するのも煩わしいだけですしね。さらに、ゲームのDLでも部分的にダウンロードできたら即ゲームプレイ開始が可能で、残り部分をバックグラウンドでダウンロードさせることもできると。この辺は、何事も時間のかかるWiiUへのあてつけな感じもします。あっちはダウンロードに何時間、さらに手動でインストールに何十分というひどい仕様ですしね。

クラウド対応、SNSでの共有も強化〜動画の共有も

その他では、クラウドの対応。噂通りGaikai活用してきました。PSのこれまでのプラットホームのゲームをクラウドでプレイ出来るようになるようです。PS3の互換もおそらくここでやってくるんでしょうが、具体的なビジネスモデルに付いての言及は無し。UMDPassport的なのか、PS3ディスク入れてのアクティベーションなのか。遅延がどの程度、とかも今日の発表ではよく分かりませんでしたね。クラウドの利用で「おっ」と感じたのは、「難しいところだけ別のプレーヤーに変わってもらう」というもの。これはたしかにクラウドじゃないと出来ない感じですね。感じとしてはリモートアシスタンス的なものでしょうか。PS4本体でのリモートプレイと、サーバーでのクラウド、この辺をうまい具合に融合させて深く意識せずいろいろなリモート体験ができると楽しそうです。

あとは、上でも触れたSHAREボタンでの共有について。ツイッターFacebookへの投稿が簡単に出来るだけでなく、ゲームプレイ動画も共有できるとのこと。最新のゲームプレイを常に短時間ローカルに記録しておく、なんてことも出来るみたいですね。Miiverseでも画像貼り付けとかできますが、こっちは動画対応してるが新しいでしょうか。他にもUstreamの配信予約とかとも連携し、動画配信を本格サポートしている感じ。Miiverseと違ってオープン性が高いのと既存のSNSの友人関係がそのまま利用出来るのはメリット大きいでしょうね。Miiverseツイッターとかとの連動もっとできればいいのにと思うんですが。

ハイスペックPCゲーム的なゲーム群〜サードはマルチ中心か

そして後半はゲームの紹介に。ファーストのタイトルとしてはKILLZONE最新作にジャパンスタジオのKNACK、ForzaHorizon風な感じのするソーシャル要素ありレースゲーDRIVE CLUB、インファマス最新作など。他にはBraidを作成したところが作ってるMYST的な雰囲気パズルゲー「The Witness」とかもありましたね。ブリザードも参入してディアブロIIIを提供、UBIはWatchDogsのデモ。ハッキング機能駆使したGTAという感じで結構面白そうでした。

和ゲーメーカーについては、カプコンからは小野さん出てきて新エンジンでのゲームデモ。ドラゴンズドグマっぽい感じですかね。リアル系ファンタジー。そしてスクエニは何を思ったかCEATECとかでデモしてた映像そのまま持ってきました。これにはネットでも大顰蹙でしたね。せめて違う映像もってこいよと。新作ゲーム機に既存の技術デモムービーもってくるなんて、本当何がしたいんだか、この会社。

まとめ〜「ソニー製ゲーミングPC」的ハードに

以上、ざっと今日の発表について触れてみました。今日はスペックやコンセプトの概要説明で、本体の外観もなければ価格の提示、ビジネスモデルの説明なども無し。この辺はE3で詳細出すということなんでしょう。発売が今年のホリデーとアナウンスされたので、まあ特にスケジュール的には問題ないかなとも。

しかし、PSVitaの時と同様、PS4も「ソーシャル連携重視」「アーキテクチャは汎用で作り易いように」というコンセプトでしたね。結果、PSVitaが「スマホもどき」な感じになっていますが、PS4も「ソニー製ゲーミングPC」みたいな感じになっています。ゲームもPCとのマルチが多いでしょうし、現行のPCにKinectでもつなげればほぼ同じような事が出来てしまいそう。ただ、Vitaの時と違うのは、スマホほどゲーミングPCが一般的でないこと。この性能のマシンが4〜5万円で手に入るなら、結構な需要はありそうです。そういう意味ではSteamが一番競合しているかもしれませんね。

現状の発表を見るだけでは、互換はクラウド頼みっぽいですし、ソフトはマルチ中心と、立ち上げはそれなりに苦労しそうに映ります。PS3と360にとどまるコンソールゲーマーも多いでしょうし、こっちへのマルチ展開もサードはしばらくはやめられないでしょうから、この辺の現行ハードとどう差別化して移行させられるかが課題でしょう。PS Vitaのように「PSPを旧世代扱いしてしぼませただけで移行できない」とかになると最悪ですので、その辺周到な対策がPS4では必要になるでしょう。

あとはライバルハードとしては、現行の据え置きハード王者の360の次世代機がどうなるか。任天堂もまだまだファーストタイトルを残していますし、現行機やスマホ、PCなども含め、なかなか混沌とした感じになりそうですね。特に、和ゲーメーカーは据え置き向けが収益悪化や体力・開発力定価もあってかなり厳しくなって来ていますし、3DSが支配的な日本ではそっちに太刀打ちできるか、というのもあります。

ともあれ、ゲーマー的にはPCライクでハイスペックなゲーム機がおてごろ価格で、という感じになりそうですし、既存SNSが利用出来るというのも馴染みやすそうです。ビジネス的にどうかはいまいちまだ不透明ではありますが、今後の詳細や発売を楽しみにしたいと思います。