PSP「三国志VIII」廉価版の中身が「三国志VII」〜過去の類似事例を上回るミス
昨今、バグなどの不具合でいろいろ問題が多いゲーム業界。しかし、今回ちょっと次元が違う問題が発生しました。それは、コーエーテクモがPSP版三國志VIIIの廉価版発売の際、UMDの中身に誤って前作の三國志VIIを入れて販売してしまった、というものです。
GAMECITY [重要なお知らせ]
「三國志VIII」の中身が「VII」だった コーエーテクモが謝罪、交換へ - ITmedia ニュース
具体的に発生したソフトはこちら。
- 出版社/メーカー: コーエーテクモゲームス
- 発売日: 2012/07/12
- メディア: Video Game
- クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る
コーエーの「定番シリーズ」というもので、これはBest版のさらに廉価版という扱いですね。
- 出版社/メーカー: コーエー
- 発売日: 2007/03/21
- メディア: Video Game
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 出版社/メーカー: コーエー
- 発売日: 2008/11/13
- メディア: Video Game
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
2007/3/21に通常版、2008/11/13にBest版が出ていた三國志VIII。それから約3年半が経過しての再廉価版ということになります。
- 出版社/メーカー: コーエー
- 発売日: 2006/02/09
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログを見る
こちらは2006/2/9発売。こちらも2009/7/23に定番シリーズが出ています。
- 出版社/メーカー: コーエー
- 発売日: 2009/07/23
- メディア: Video Game
- 購入: 1人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
UMDの中身だけがVIIIでなくVII
具体的に、どの程度の入れ違いだったのかは、以下のファミコンプラザさんの記事が詳しいです。
(0713)(PSP)三國志8(コーエーテクモ定番シリーズ)に三國志7のデータが?回収品が来たので調べてみました! - ファミコンプラザゲーム最新情報ページ
パッケージ、説明書、UMDのプリントまでは問題なくVIII。しかし、中のデジタルデータだけVIIになってしまっているようです。こう見ると、パッケージングの作業でのミスではなく、ゲームのマスタリング、プレスの段階でのミスっぽいですね。UMDのプレスは別業者が委託して行うはずなので、「プレス業者に渡したデータが間違っていた」「プレス業者がプレスの際にデータを間違えた」のどちらかでしょうかね?
類似事例〜ラベル印字間違いやVC誤配信など
似たような事例というと、最近では同じくPSPの俺妹の続編で、ディスクの1と2の印刷を間違えるというミスがありました。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブルが続くわけがない (通常版) - PSP
- 出版社/メーカー: バンダイナムコゲームス
- 発売日: 2012/05/17
- メディア: Video Game
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
ちなみに、これは交換などの対応が行われないという、バンナムの不誠実さを露呈していたりもしています。
他には新谷良子さんのライブDVDでもレーベルミスがありましたね。こっちも、別の意味で話題になった事件ですが。
新谷良子のライブDVDで、一部印刷ミスがある製品があることが判明…… - 三次元はラノベよりファンタジック
ただ、いずれもレーベル印刷レベルのミス。今回のように、中のデータがそもそも全く別物というのは、次元が違う話ですね。
データの取り違えで全く違うゲームというと、過去に任天堂がやらかしたVCでの誤配信の方が近いかと思います。
任天堂、バーチャルコンソール新作配信でミス - わぱのつれづれ日記
こちらは、VCで配信した際に真女神転生とかまいたちの夜にが入れ替わって配信されてしまっというもの。オンラインのデジタルオンリーの話だったのでそこまで大きな騒ぎにならなかったですが、ミスの傾向としては似たようなレベルに感じます。今回の例は、そのミスをUMDを焼いて、発売するまでいくつも工程があるのにも関わらず見落としていた、というのでさらに問題が大きくなっているわけですが。
ミスを見抜けずそのまま出荷〜ゲーム史に残る珍事
今回のケース、たしかに、同じ三國志というタイトルで見た目も似ています。さらにローマ数字のVIIIとVIIもパッと見わかりづらいです。ですのでミスが起こる気持ちも分からなくはないです。ただ、さすがにそのミスがどこでも検出されず、そのままROMとして出荷されてしまう、というのはゲーム史に残る珍事のように思いますね。
ようするに、マスタリング後の動作確認というのが、一切行われてないってことを露呈した訳です。再廉価版ということで内容に変更がないため、あくまでパッケージングなどの直しだけだったと。そもそも、作業工程に「データを取り違える可能性がある」という想定が抜けていたということでしょう。
今回の事態、とりあえずコーエーテクモとしては赤っ恥でしょう。「三國志VIIIかと思ったらVIIだった」というのは、語呂も良くて多くのポルナレフ状態を産みました。テストもしてないのかよ、と。5年以上前の再廉価版ということで、販売数自体はたいした量ではないでしょうし、損害額自体はそこまで大きくないと思うのですが、これで失った信用は痛いと思いますね。
一方で、たまたまこのVII誤混入のVIIIを買った人は、ある意味では「レアモノ」をつかんだとも言えます。将来的にレアケースとして価値が出てきたりもするかもしれませんね。もともと1890円と安いソフトですし、コレクション的な意味合いで交換に出さず手元に残しておくといいかも、とも思います。
いずれにせよ、失態は失態。他社もこれを他山の石として、こうしたミスが生じないように作業工程などを見直すといいと思いますね。
P.S.
コメント欄で教えてもらいましたが、過去にドリームキャストのKOF99廉価版で同様の事件があったそうです。
- 出版社/メーカー: SNK
- 発売日: 2001/10/25
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (1件) を見る
KOF99EVOLUTIONの廉価版を販売する際、その中身がKOFドリームマッチ1999だったとのこと。
ザ・キング・オブ・ファイターズDREAM MATCH 1999
- 出版社/メーカー: SNK
- 発売日: 1999/06/24
- メディア: Video Game
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る