PS Vita、発売17週目にして週販4桁 8931台に〜挽回の秘策はあるか
現在携帯ゲーム機で争いを繰り広げているニンテンドー3DSとPS Vita。
3DSは最初2万5000円と携帯ゲーム機としては強気の値段設定をしましたが、発売直後の震災でロンチのお祭りムードが消滅、さらにソフトの延期や単純に弾不足も影響して大きく売上が落ち込みました。ちょうどスマホの波が来ていてキャリアやソーシャル企業が大々的にCMを展開、その広告費が大量にマスコミに流れていたためか過剰なまでにソーシャル持ち上げ3DS叩きの論調が横行していましたね。そんな中、任天堂は一気に1万円の値下げに出るという大博打に。自ら劣勢を認めた形になってバッシングも増加、直前に買った人の失望を招くなどのマイナス面もありましたが、なんだかんだでその後の売上は上向き、9月の発表会でMH3GとMH4を発表してから流れが一変。年末商戦にマリオ3D、マリカ、MH3Gとミリオンタイトルが揃ったことで大爆発して、今も安定した週販を維持しています。
一方のPS Vita。1月にNGPとして発表された当初から高いスペックがゲーマーに好評で発売前3DSの出鼻をくじき、6月E3で3DSよりも安い24980円と発表したときには勝利確定という声が多く聞かれました。予約でも秋葉原で1200人というマジックナンバーの行列ができるなど好評で、発売2日で32万台を売り上げるというロケットスタート。しかし、その後はクリスマスのもっとも売上が伸びるときに販売数が急落、その後も売上は低迷し最近では週販は1万強、3G版にいたっては初回限定版50万台の内いまだ半分しか売れておらず、月販もドコモのプリペイド契約数から1万強しか売れていないという、非常に苦しい状況となっていました。
週販が初の1万台割れ
週販については、一時期1万台＋数十台が3週間続くという離れ業でなんとか5桁販売を維持、その後先々週は春休み効果もあってか1.2万台に復帰していたのですが、発売開始から17週目、先週の週販でとうとう4桁に突入してしまったようです。
4Gamer.net ― 「第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇」が26万5000本のセールスとなった「ゲームソフト週間販売ランキング＋」
PS Vitaの販売台数は8931台。先週一気に伸びた反動か9000台も割り込んでしまいました。ちょうど年度が変わり、ソニーも大きな赤字見直しをした中でVitaも1万台割れと、一気に下方に触れてしまっている感じですね。
ちなみに3DSは上記で上げたゲームデータ博物館によれば1万台割れが34週目、8月1週の3,701台という強烈な数字があります。ただこれは7/28に1万円値下げ発表、8/11から値下げとなっていたちょうど間の週間（8/1-7）という特別な理由があり、翌週21万台と大きく伸びた経緯があります。
任天堂株反発、「３ＤＳ」販売が開始以来２番目の高水準−値下げ効果 - Bloomberg
それと比べると、1万台強で低空飛行を続けてついに割り込んだVitaはちょっと状況は深刻ですね。
ソニーの底入れの秘策はあるか
現状、PS Vitaは既に店頭ではソフト買うと2000円＋4G メモカがついてくるキャンペーンなどがされています。特に3G版はここのところの月販1万というのが示すように事態は深刻で、初回限定版の残り25万台を売りさばくのにあと何ヶ月かかるやら、という状態になっています。中古などではWi-Fi版と1000円程度しか差が無く2万円台前半で売っているところも目立つようになってきています。
ソニーもプレコミュなどでいろいろ宣伝はしているのですが、肝心のソフトがいまいち「キラー」となるものが無いため訴求力に欠ける印象。明日はソニーの経営方針説明会。またすでにファミ通フラゲでばれていますがVitaでのDIVA新作の発表もあります。
ソニーが12日午後に経営方針説明会、平井新社長が会見 | テクノロジーニュース | Reuters
2012.4.12(Thu) 新プロジェクト発表！
まだ発売4ヶ月なのでいきなり値下げは無いでしょうし、実際中古ですでに値崩れが見えている中、ソフト無しに値下げしてもあまり効果はないでしょう。まずはソフトを揃えること、「買っても安心」と思えることが重要で、あとはメモカ標準付属を公にすることじゃないでしょうか。キャンペーンではやっているところもあるようですが、これは店によるところもあるようですし。専用メモカは実質必須なので、これも込みで2万前後、という心理的気楽さを打ち出した方がいいと思います。
個人的にVitaをすでに持っている側としてはもうちょっとスマホとの差別化をつけて欲しいですね。iPhone4Sを持っているだけに、両手持って使わないといけないVitaでFacebookやらTwitterやらやられても全然ありがたみがないですし、電車とかでもそもそも使いづらいです。PS Suiteでユーザー作成アプリが多数出てくると嬉しいのですが、ソニーももっと背面タッチやアナログスティックといった「スマホに無い物」を活用してVitaならではの魅力をアピールして欲しいです。ソニーのファーストによる大型ゲームソフトとかでもいいですけどね。個人的にはポポロクロイスが希望なんですが、キラーにはならないかな…。せめてGTぐらいは持ってこないと、とは思います。
明日の経営方針説明会でのビジョン説明に期待
とりあえず、P4Gとミクが弾で、6月にE3があります。ここまでの段階で何か策が示せないと年末年始商戦が厳しいでしょう。特に海外向けのタイトルはビジネス的に必須。3G版についても、ロンチ購入者のプリペイド契約が6月で切れるため、再契約させるぐらいの魅力ある使い道を示さないと、7月のドコモの解約数が大変なことになってしまうので、こちらも何か策が必要でしょうね。
まずは明日の経営方針説明会でどんなビジョンが示されるのか。ゲーム出身の平井CEOの会見に注目です。
