元SCEEトップのフィル・ハリソン氏がMicrosoftへ

日本ではすっかり存在感を失っているMicrosoftXbox360

Xbox 360 250GB【メーカー生産終了】

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ただ、米国ではKinectの大成功でWiiのライト層も巻き取り独り勝ち状態、欧州もPS3と接戦を繰り広げ世界トップ据置ハード争いを繰り広げています。

そんなMSですが、米国の次に重視しているのが市場の広い欧州。ここのテコ入れに、思わぬ人物を招き入れました。それは、元SCEEのフィルハリソン氏です。

4Gamer.net ― 元SCEEの幹部フィル・ハリソン氏はMicrosoftへ。開発部門の監督および,Xbox部門のヨーロッパ市場開拓推進を担当

フィル・ハリソン氏といえば、欧州のPS躍進の立役者とも言うべき人物。EyeToyやSingStar(カラオケソフト)を欧州でブームを起こすなど、ライト方面にも鋭い嗅覚を持ってうまいマーケティングを行っていた人物です。

そのハリソン氏ですが、2008年にSCEを退社しています。

SCEフィル・ハリソン氏、「Wiiスポーツこそ真の次世代ゲーム」発言、辞任 - Engadget Japanese

上記記事でも書かれているように、彼の得意としていたライト層、ソーシャルへの取り組みがソニーSCE本体に理解されなかったことが退社理由となっています。Wiiスポーツを真の次世代ゲームとも。現在WiiWiiUの登場を待たず失速してしまっていますが、Wiiのモーションを使ったパーティ路線はKinectががっつり奪い、この方向性が未だ大きな支持をうけていることが分かります(ただし海外)。そうした意味で、元々この分野に得意で、欧州でのPS普及の実績もあるフィルハリソン氏は、MSの欧州戦略においてたしかにぴったりな人選な気がしますね。

一方で、過去のライバル会社のエリアトップが、同じ業界でそっくりライバル会社側へ移転する、というのもなんとも海外らしいドライな感じですね。海外ではかなり衝撃をもって受け取られたようです。

奇しくも、現在ソニーはPS Vitaを中心にソーシャル側、ソフトサービス側に舵を切っています。そうした中で、元社員が同じ路線で敵として現れる、というのはなんとも皮肉な展開とも言えます。任天堂も、WiiUでは巻き返しを狙っているでしょうし、果たしてこの「広く売っていく」戦略において世界規模でどういった情勢になるか、非常に楽しみです。