第3回ニンテンドーダイレクト配信

昔からとかくファミ通やら一般マスコミやらに偏向・ネジ曲がった報道をされて苦渋を飲まされていた任天堂。そのことを受けて以前より質疑応答の内容を丁寧に文章で自社で書き起こしたり、自社でゲーム紹介チャンネルを作ったりと、マスコミの影響を受けないような直接的な情報配信に努めていました。そんな取り組みの一つとして最近行われているのがニンテンドーダイレクト。ニコ生やUstreamTwitterといった最近のソーシャルメディアも活用して情報配信し、好評を得ています。

昨日、急に第3回の配信が行われることが発表。これまで昼の放送でしたが、今回は夜の配信となりました。

任天堂、「ニンテンドーダイレクト」を配信。発売間近の「新・光神話 パルテナの鏡」のプレゼンから川島教授の新作など発表 - GAME Watch

自分は今回もiPhoneでニコ生で視聴。ほとんど紙芝居状態で音声中心の確認となってしまいました。それでも外出先でも配信がリアルタイムに見られるのはでかいかな、と。内容は上記のGame Watchの記事がかなり詳しく書いていますね。

パルテナの鏡をじっくり紹介

新・光神話 パルテナの鏡 - 3DS

新・光神話 パルテナの鏡 - 3DS

発表の中心は、3DS向けの新規タイトルで任天堂の今期注目作であるパルテナの鏡。対戦シーンを桜井氏がプレゼン。実況も付いていて結構面白かったですね。特別な言葉やルール、ごちゃごちゃした画面など、面白そうではあるけどちょっと分かりにくい印象も受けました。体験版が欲しいところですね。スマブラ同様、対戦がなかなか熱そうなので、まずとっかかり部分をうまく乗り越えさせて大勢にプレイさせられるかが鍵でしょうか。また、難易度調整についての考え方もユニーク。ハートを消費して難易度を上げ、死ねばその投資が無駄に。クリアすればいいアイテムゲット。また、ハート投資で難易度下げることもできる、と。3DSゲームコインにも似てますね。これを現金でやるとアイテム課金扱いと同じで途端に下品になるんですが。発売はちょうど1ヶ月後の3/22。それまでにどれだけアピールできますか。

任天堂作品〜カルト人気のあるソフト群も

それ以外では任天堂の作品として過去に発表したものの具体的な発売日発表など。ファイアーエムブレム覚醒では追加DLCの発表も。アイテム課金とは違うことを強調しています。ただ、発売日からDLC配信など、やはりバラ売り的な印象はしてしまいますね。その抵抗感を削ぐために、5/31まで第一弾を無料にするという措置を取るようですが、ちょっと小手先なテクニックな気はします。もっとも、追加DLCは既に据置では世界的にメジャーな商法なのでいまさらどうこうって感じでもないですが。その他はポケモンカルチョビットカルドセプトマリオテニスなど。3DSではインターネット対戦が当たり前のようについてきていますね。こうなるとモンハンが対応していて無かったのが逆に珍しいような感じになってしまうでしょうか。コアなファンがいるものをじっくり時間をかけてバランス調整してきたということで、ファンには期待の作品でしょう。Wii向けの零 紅い蝶のリメイクなんかも発表ありましたね。こちらも評価の高い作品のリメイクですが、SDからSDへのリメイクってのはちょっとなぁ、というところも。二人同時プレイとか、どうやってやるのかは興味ありますが。

サード作品&eShopソフト〜「Today」も

サード作品としては、目玉タイトルとしてはキングダムハーツ3D。放送終了後にも9分の長時間ムービーが用意されてましたね。ルーンファクトリー4は、ゲーム画面無くアニメOPだけ。ちょっと浮いてましたね。ドラクエモンスターズは移植もの。前作がGBなんで、サガ移植みたいな位置づけですかね。DQMJとかもよく売れていたので、結構売れそう。

その後、eショップでの配信ソフト。電波人間は既に配信されていて、なかなか評判も良いソフトですね。ザローリングウエスタンは、チンクルスタッフというだけで不安(笑)になるタイトル。世界観がいろいろおかしい感じ。岩田社長が「いわぼう」とか。そしてまさかのTodayの本日配信。

その他のスクープ的なネタとしては、カプコンセガバンナムのクロスオーバープロジェクト。謎です。格闘ゲームかと思うと、セガが良く解らんですし。アトラスのは一部ファミ通フラゲで情報が出ていた世界樹の迷宮IV。「裸眼3Dと3Dダンジョンが相性がいいと前々から話題」と岩田社長が言っていましたが、一体どこで話題になっていたやら。すごく違和感がありましたね。

脳トレ続編は「鬼トレ」〜短時間の難ゲーム?

そしてラストのタイトルがまさかの脳トレ続編。今度は集中力、ワーキングメモリーの強化だそうです。仮称は「鬼トレ」。5分ぐらいを集中して短時間で難しいゲームをやるらしいです。通勤とかに手軽にやるにはむかなそうで、人を選びそうな印象。でも、ブームがさったジャンルについて、真面目に論理的なアプローチを取ってきているところは任天堂っぽくていいですね。とりあえずは赤鬼川島教授が面白い、ってところでしょうか、今のところは。

プレゼン後はキングダムハーツと、ゲームセンターCXでのバーチャルコンソールゲームセンターCXがかなりのボリュームがあって面白かったですね。GBのドンキーコングが面白そうでした。パズル要素が得意な有野課長の見せ場が結構あって。

堅実なソフト紹介〜自社からの積極的情報配信

以上、放送の内容をざっと紹介してみました。全くの新規のタイトルというのはあまりなく、既報タイトルを毎月7月ぐらいまで具体化してきた、という感じでしょうか。サプライズ要素は鬼トレぐらいで、サプライズ的なものとしてはちょっと物足りないところも。とはいえ、2月の発表というとこんなものかな、とも。大体6月のE3までって感じですかね。

任天堂は、冒頭でも触れたようにやたら日経や産経などによる変なバッシングをうけつづけています。とうとう、岩田社長も堪忍袋の緒が切れたのか、Twitterで以下のような発言まで。

[岩田]ところで、月曜日に電子版媒体で当社に対する不正確な報道がありました。このようなことが何度か続いていますが、文脈を無視して恣意的に言葉を抜き出したり、事実と憶測を混ぜて書いたり、まるでゴシップ誌のような手法を採られていることに驚いています。
Twitter / @Nintendo

これはおそらく、以下の日経記事をさしてのものでしょう。
岩田社長が口にした、任天堂の「没落」  :日本経済新聞

記事見出しが、まるで「岩田社長が今の任天堂が没落していると認めた」みたいに受け取れるひどいものですよね。内容はなんか散り散りの情報で良く解らん内容でしたが、一部の任天堂社内情報が抜き出されて、いろいろ脚色されている、っていう批判なのでしょう。また「恣意的抜きだし」とかは、まとめブログ系のやりたい放題な偏向・捏造記事も暗に含んでいるでしょう。法的処置にも出れないことはないのでしょうが、本当にやってしまうとどうしても大企業として「大人げない」扱いになることも。とはいえ、放っておくにはあまりにひどい状態ってことなんでしょうね。これで少しは調子づいたマスコミが冷静な記事を書いてくれればいいんですけど。まとめブログ系はステマ騒動で冷めた目線を向けられているので、後は受け手側がそういった煽りをはねつけられるリテラシーが欲しいですね。

ともかく、業績の悪化に伴い、一時のバブルの反動もあってか他社による悪意を強く向けられている任天堂。DS時代の栄華を消費者も知っているだけに、まだまだ満足されないでしょう。ハードルは高いですが、手を拱いているとどんどん批判する側も調子づいてあることないこと「ゴシップ的」に報じてくるでしょうから、まずは力技で良いソフトの情報を、大量に、直接消費者に届けるという今の戦略で成果を上げて欲しいところです。後は今回の発言のような「牽制」をそろそろちゃんと見せていってもいい頃かな、と思いますね。