PS Vita、50万台販売とソニー発表〜台湾・香港含む

いよいよ海外で始まった世界最大の家電展示会のCES。それに合わせて、各種メーカーから様々な発表がなされています。そんな中、日本を代表するメーカーであるソニーもPS関連でプレスリリースを出しています。

4Gamer.net ― SCE,2011年の年末商戦期に全世界で合計650万台のPSプラットフォームハードウェアを販売。PS Vitaは約3週間で50万台の実売を記録

「自社調査による推計値」でVita50万台

PS Vitaが50万台を実売で達成という発表です。ただ、これはちょっとトリックがあり、日本だけで無く12/23に発売開始した台湾と香港も含んだ数字となっています。また、集計期間も昨年という形でなく1/5まで。集計もエンターブレインメディアクリエイトでなく「自社集計による推定値」となっています。

まず、「メーカーで自社集計ってどうやってるの?」というのが大きな疑問。基本的にメーカーは小売に売った出荷数しか正確にわからないと思うのですが。ソニーの場合、決算とかではそれを「売上台数」という言葉で表現していましたが、今回は実売。通常こういった数字は調査機関の数値を使うんですけどね。日本の分は調査機関の数字、台湾と香港については出荷数と消化率を自社調べ、とかの合わせ技ってことなんでしょうか。いずれにせよ、このあたりの詳細を出さないことには「ソースはソニー」の域を出ていないと思います。

著しく低い台湾・香港の売上割合

また、1/5までで50万台、というのと日本の1/7までの売上を比べてみるとまた興味深いものがあります。以下が先週のランキング。

4Gamer.net ― 「モンスターハンター3G」が累計100万本を突破。3DSのミリオンヒットタイトルが並んだ「ゲームソフト週間販売ランキング+」

Vitaは1/2〜1/7で4.3万台売っており、12/17の販売から約48.3万台。1/6,7で多くて2万売ったとして、1/5までで46.3万台となります。そうなると、12/23〜1/5の約2週間で台湾と香港では3万台強程度しか売れてないことになります。ロンチでこれというのは、それだけ市場がせまいということなんですかね?

しかし、これだけ売上が小さいものを、わざわざ日本のプレスリリースで含める必要あるんですかね?毎回PSの発表は最近アジア含むになっていますが。

3Gの売上は19万台〜WiFi版を下回る

また、これまで何故かメディアクリエイトエンターブレインが明らかにしてくれなかったWi-Fi版と3G版の売上比率。これについて、ドコモの12月契約数から3G版の売上が明らかになりました。

asahi.com(朝日新聞社):携帯市場にゲーム効果 ドコモ1年9カ月ぶり純増数首位 - ビジネス・経済

上記によれば、Vita 3G版の売上は19万台とのこと。自分のようにSIMカードをいきなり抜いてしまう人もいるとは思いますが、まあそんな物好きも少ないでしょうし、ほぼこれが3G版の販売台数と考えていいでしょう。12月の販売数が44万台でしたので、WiFi版は25万台売れていることになります。ソニー的には3G版を中心に売っていくと話していて、3G版の初回限定版50万台には無料通話時間付きSIMが同梱されているという奮発ぶりでした。

PlayStation®Vita クリスタル・ブラック 3G/Wi-Fiモデル 初回限定版(50万台数量限定) | プレイステーション® オフィシャルサイト

今回3G版が19万台の販売ということは、まだ31万台もの初回限定版が残っていることになります。今年も4:5ぐらいの売上比率になるのだとすると、残り31万台がさばけるのに一体どれだけかかるのか。週4万台ペースだと3Gモデルは月7万台ぐらい、あと4ヶ月以上かかる概算になりますね。

ソフトでの巻き返しなるか

とりあえず、Vitaもこの後TOIR、P4などのタイトルが控えています。3DSもソフトが揃わないときは落ち込みましたし、Vitaも有力ソフトがそろうまでは我慢のしどころというかんじでしょうか。ただ、まだ3月以降に注目ソフトが見当たらないのも不安要素か。何か名前だけでもキラーソフトが欲しいところですね。とりあえず、SCE製の大型タイトルも見せる必要があるんじゃないでしょうか。定番のGTやGoWとかでもいいので。