PSP UMD版所有者へ安価にDL版を提供する「UMD Passport」発表

年末に発売されるPS Vita。激戦区の中での発売ですが、すでに予約も多くのところも多く、初動がどの程度になるか注目されるところです。さて、そのVitaですが、発売まで後1ヶ月ちょっととなったのですが、3GやらメモリカードやらPSP互換やらで、いまいちはっきりとしないというか、分かりづらいというところもあります。そんな中、PSPとの互換に関連する項目で、UMDとの関係について今日大きな発表がありました。

DL版PSPゲームの割引販売 UMD Passport 発表、ディスク版所有者向け -- Engadget Japanese
PlayStation®Vita | PSP®Gameとの互換性 | UMD®Passport | プレイステーション® オフィシャルサイト
UMD®版ゲームタイトルをお持ちのお客様への サービスプログラム 「UMD®Passport」 2011年12月6日(火)より提供開始

UMD Passportというプログラムが発表されました。これは、手持ちのUMDPSPソフトを登録することで、同一タイトルのDL版を特別価格で購入できるようになるというもの。PS VitaではPSPのソフトを動作可能な互換性を持ちながらも、物理的にUMDドライブが無いために、すでにUMDをたくさん持っている人はどうすればいいのか、というところで疑問が持たれており、それについて以前にも「何らかの救済策をお得な形で提供」といったニュアンスで報じられていました。それの具体化がされた形ですね。

500〜1000円程度の追加支払いでDL版を購入

具体的な値段リストは以下で公開されています。

UMD®Passport対応ラインアップ(一部) |プレイステーション® オフィシャルサイト

値段は大体500円〜1000円というところですね。一律ということではなく、ソフトによって様々。メーカー側が設定できるという事なんでしょうかね。基本的には、すでに持っていてプレイしたことがあるソフトに対して、それのDL版を取得するためだけに追加費用が発生する、ということですね。無料にしてしまうと、中古や貸し借りでいくらでも増殖できてしまうことを問題視しているのかもしれません。

ただ、プレスリリースで補足されているように、一つのUMDの登録は一つのPSN IDに対して行われ、他のPSN IDでは登録できないとのこと。おそらくディスクのシリアルIDをチェックしているんでしょうね。これなら、無限増殖は避けられると思うので、どちらかというと「同じソフトをもう一回同じ人に売る」という、最近の国内サードで流行りの「完全版」商法の亜流みたいなノリもあるのかな、という印象です。メーカーに便宜を図ったというか。3Gの件といい、独自メモカといい、これといい、とにかく「ビジネスモデル」有りきの姿勢が非常に目につくのがちょっとなぁ、という印象はあります。「どこで金を取るか」をあれこれ計算しているところが露骨に眼に見えてしまっているが気持ち悪いというか。ソーシャルのアイテム課金などもそうなんですけどね。

あと、何気にPSP goが存在感を増すかもしれませんね。汎用メモカで容量稼げますし(もう販売終了してますけど。)

中古ゲーム屋は頭の痛い問題?〜相場変動懸念も

またこれだと、中古が非常に面倒な話になりそうです。現状でも、DLCコード同梱のソフトなどだと「DLCコードは使えないおそれがあります」という注意書きと合わせて売られていますので、同じように「このソフトはUMD Passportに登録できる保障はありません」とでも言って売るんですかね。ただ、買う側からすると、結構大きな違いでもあります。ソフトによっては中古で買って、UMD Passportで手数料払ってDL版購入、UMD版は売り払う、なんてことをしてしまった方が安いものもあるかもしれません。

こういうことをされると、中古屋にはUMD Passportが適用できないUMDが大量に出回るわけで、買取価格の定価、再利用ができないことによる価値低下、みたいなことが起きてしまうかも。中古ゲームショップは、相場の変動にかなり気を使わないといけなくなりそうです。ソニーUMDのシリアルからUMD Passport適用可能かどうか調べられるDBでも公開すればまた違うんでしょうけどね。

まとめ〜無いよりはあったほうがいいサービス

以上、自分の印象を含めて述べてきましたが、UMDを持っているソフトを、定価でDL版購入、という選択肢しか無いことに比べたら、断然いいサービスですね。各種サードでこうしたものへの考え方も千差万別なところもあるんでしょうが、それをうまいことまとめた、とも思えます。Vitaを買うユーザーでも、手持ちのソフトのうちに何本かは、DL版としてVitaでも遊びたいというものがあるかもしれません。セーブデータなどは持ち運べますし、バイリニアでの補完で綺麗に見えるみたいですしね。

PlayStation®Vita | PSP®Gameとの互換性 | PSP®Gameを遊ぶには | プレイステーション® オフィシャルサイト

ただ、やはり既にUMD版を「買いきり」の形で所有しており、しかも「過去にプレイしたことがあるもの」ではあります。それに対して、再度お金を支払わなければいけないことに抵抗感を持つ人もいるでしょう。実際、「それならPSPでやるよ」という判断をする人もいると思います。PSPソフトをやるとなるとメモカも大容量のものが欲しいでしょうし、この手数料と合わせると初期出費がまた増えることになります。この辺がVitaのネガティブインパクトにならなければいいですけどね。

ともかく、現状そもそも公開されているタイトルそのものが少ない状態。随時互換性確認やサードとの交渉が進み次第追加なのかもしれませんが、有名どころ早く揃えて公開し、Vitaのロンチへのカンフル剤にするべくソニーには頑張ってほしいところです。