オリンパス、巨額の損失先送りを公表

先月のウッドフォード社長の突然の解任に端を発するオリンパスの疑惑。菊川社長がさらに退任、高山社長が就任して再度潔白性を主張しながらも決算報告を延期、株価は急落を続けるなど混迷を極めていました。そうした中、とうとう本日、オリンパス側が損失先送りを行いM&Aがその穴埋めに使われていたであろうことを認めました。

UPDATE5: オリンパス(7733.T)、買収資金で損失先送り認める 菊川氏らが過去から引き継ぎ | Reuters

結局、ウッドフォード元社長が主張していたものの延長ですね。しかも、菊川会長だけの話でなく、1990年代から長期にわたって行われていた、ということで世界中が愕然としています。世界中から「理解不能」と思われ、「こんな未知な国に投資できない」と資金が引き上げられてもおかしくない事態となってしまいました。

オリンパスブランドの失墜

自分も、パナソニックのGF1ユーザーでレンズとしてオリンパスの広角レンズも持っており、同じm43陣営として興味を持っていた企業でした。過去にはコンパクトデジカメを使っていたことが有りますし、最近ではE-P3なんかもGF1からの移行に興味があった機種なんですよね。それだけに、こうした経営陣の背任行為で会社、ブランドなどさまざまなものが貶められたことには、強い憤りを感じます。

せめて、ウッドフォード氏が内部告発に打って出たときに、それを受けて自発的に発表できていたなら、まだここまでイメージが最低には落ちなかったことでしょう。過去の経営陣のつけを払おうと行った損失隠し、それをさらに新任の外国人社長が暴いた形でしたから。虚偽記載などで上場廃止になったとしても、自浄作用が働いたとみなされていれば、その先の展開もまだ期待できました。

しかし、ウッドフォード氏の要求を突っぱね、さらに取締役会で解任、そのまま追い出し。今日の高山社長の会見を聞く限り、碌にウッドフォード氏の内部告発資料を読んでもいなかった感じですよね、賛成した取締役員も。その後ロイターやWSJなどにも公開された資料を見ても、これだけの情報があって疑問点山積みなのに、「全く知らなかった」というのは誰も納得できない話だと思います。せめて好意的にとらえるのであれば、財務畑出身の菊川、森氏などが主導で実施、技術畑である高山氏はよく分からないけど取締役として承認していた、という可能性もあります。ただ、役職者として言い訳できる内容ではないですよね。

ふがいない国内メディア・組織の追及

あと、いろいろ納得できないのは日本のマスコミ、証券取引所などの不甲斐なさ。自分はウッドフォード氏がFTでインタビューした時から情報を追っていたのですが、本当、日本のマスコミの情報は海外の後追いばかりでした。そもそも、ウッドフォード氏の解任の時点でも、日経新聞は「独断専行」との会社コメントをなぞるだけ。さらにFTでウッドフォード氏が今回の不正を理由に退任させれたという情報が出た後も、なぜか日経はそちらは報じず、「ウッドフォード氏が情報を外部に漏らしていることについて法的手段も検討」というオリンパス側の発言だけを報道していました。この両方を見た時点で、自分も「あれ?」と感じて情報を追いかけ始めた形です。

その後も、主な情報源はロイター、ブルームバーグWSJという外資メディアばかり。日本のマスコミは、それらの報道を「一部報道で」とかそういった感じで報じる程度。ライブドアのときはいきなり検察が踏み込んだのでノリノリで粉飾に関して煽り記事、報道しまくっていたのですが、今回はオリンパスは伝統ある大企業、検察や証券監視も動いていないことから、気味が悪いほど及び腰でした。本当に、今日の今日まで、ろくな追及をするところはなく、辛辣に突っ込んでいたのは今回の疑惑をすっぱ抜いた形のFACTA&その記者の投稿ぐらいでしたよね。結局、権力に弱いというか、日本企業だけでなくマスコミも含めて、世界中に恥をさらしてしまったのが今回の騒動のように思われます。

なんとか生まれ変わりを

今回の騒動、あれだけ大本営発表を繰り返した後に不正を認めた形で、粉飾決算、虚偽報告などの指摘、上場廃止などの判断も免れられない気もします。また、オリンパスブランド自体も激しく失墜したことでしょう。

すでに、株主とかは代表訴訟を起こそうとしたり、経営陣入れ替えの動きに出ようとしていたりします。

「オリンパス刷新、医療・イメージ事業守る」、大株主の米ファンドが声明 - ニュース:ITpro

内部告発をしてやめさせられたウッドフォード氏の主張がほぼそのままだったことから、正直この後はウッドフォード氏にもどってきてもらうぐらいしか、世間に自浄作用を見せられないと思うんですけどね。

オリンパス内視鏡として確かな技術を持っていますし、デジカメでも長年培ったブランドと技術もあります。一番怖いのは、これらがこの株価暴落を受けてどこか外国の企業に二束三文で買われてしまい、大量にそういった代えがたい資産が流出してしまうことだと思います。とにかく、今回の件は中途半端な判断をせずに膿を出しきり、新経営陣の元で一から立て直すこと、それが求められていると思います。今後の信頼回復を祈念します。