ロックマンDASH 3開発中止

本命視されながら苦戦が続くニンテンドー3DS。それでも、ゼルダの評価も高く各種作品が今後予定されており、これらタイトルに期待をかけている方も多いでしょう。そんなタイトルの一つに、懐古ゲームファンの注目を集めていたものとしてロックマンDASH3がありました。これまで、ヒロインのキャラ公募をするなどファン参加型の形で盛り上げながら開発が進められていた作品なのですが、突然開発中止がアナウンスされました。

CAPCOM:ロックマン DASH 3 PROJECT 公式サイト

元々、カプコンを退社した稲船氏が中心に立ち上げ、進めていたタイトル。稲船氏というロックマンのキーマンがいなくなったことで今後が一番心配されていたタイトルではあったのですが、ファン参加型の形式で進んでいた以上、いきなりの開発中止など体裁が悪すぎて無いとも思われていました。

しかし、体験版配信とかいろいろ話が出ていたなかで今頃になっての開発中止のアナウンス。懐古ファン中心で大きな売上が期待できない、キーマンがいない、などなどいろいろなビジネス的観点はあったのかもしれませんが、正直ファンの気持を踏みにじる行為であるように思いますね。ロックマンDASHには根強いファンがおり、これまでも何度も続編希望の声が上がっていて、3が発表されたときには大いに湧いたものです。それなのにここに来ての中止。一度持ち上げておいてさらにたたき落とすような行為です。

開発中止に関して、今おこなっているコミュニティ関連のサービスのQ&Aも出ていますが、これも非常に事務的で素っ気無いものですね。

CAPCOM:ロックマン DASH 3 PROJECT|DASH開発室

カプコンは、過去にもバイオ4発売絡みでファンを振り回した経緯も持っています。開発者と経営者のいざこざも多く、稲船氏の前にも多くの有能な開発者が退社したりしていました。それでも、要所要所でキラータイトルを発売、日本だけでなく、海外でも通用する作品を提供している日本メーカーとしては非常に優れた業績を上げ、今やドラクエを超えるほどの売上を誇るモンハンも持っている会社です。それだけに、こうした昔からのファンを踏みにじるような行為は、正直印象悪いですし悲しくなりますね。

もっとも、稲船氏がやめずにもう少しプロジェクトの面倒を見ていれば状況は違ったかもしれません。プロジェクト立ち上げただけでやめたような状況でしたからね。ファン参加型にすることで中止などできないようにしたつもりだったのかもしれませんが、甘かったようです。稲船氏が退社時のインタビューで「自分がいなくなった後ロックマンがどうなるかで自分の価値が分かる」みたいなことを言っていましたが、こうして実際に彼がいなくなってロックマンというブランド自体が消えようとしていることは、彼の存在感の証明だったのかもしれませんが、実際どう感じているんでしょうね。

新規取り込みの目が潰れてきて、既存ゲームファンにも飽きが続き、今や特定のブランドタイトルやSNS系の刹那的な展開が増えて衰退感が非常に強い最近のゲーム業界。ファンのゲームに対する情熱も失せてきているようにも感じます。ゲームの文化としての側面が失われないでいてくれるといいのですが。