ソニー業績発表会開催〜PSN復旧時期は明言されず

なかなか復帰しない日本のPSN。今日はソニーの業績発表会が開催され、PSN問題への言及が期待されました。

ソニー株式会社 2010年度 第4四半期 業績発表

ソニー全体の業績説明ですので、ゲームの話はそれほどボリュームはありませんでした。ゲーム事業については、昨年度はとうとう黒字化達成した模様です。特に、PS3の本体コストの削減が大きかった模様。久夛良木氏が「安すぎたかも」と言っていたのが、リアルにゲーム事業の赤字に響いていた感じですね。(実際にはこの発言の後の発売直前の値下げの弊害なのでしょうが…)

PSNの復活時期については、別途記事が出ています。

ソニーのネット配信、月内再開の目標変えず  :日本経済新聞

結局明確な復旧時期は言及されず。5月中をあきらめない、ということのようです。

一方、以下の記事でゲーム関連の質疑応答が触れられています。それどころか、上記の記事では「地域によっては監督官庁との調整などで6月上旬にずれ込む可能性もある」とも追記されています。アジア全体で復帰していないわけですが、果たしてこの地域とはどこなのか。

その他、ゲーム関連の質疑応答では以下の記事でいくつか触れられています。

ソニーCFO、大規模投資のゲーム機開発見直し示す(一問一答)  :日本経済新聞

興味深いところとしては、今後のゲームへの投資。NGPですでにその傾向は見せていましたが、据え置きゲーム機も含めて今後赤字が大きく出るようなハード設計・大型投資はしないということのようです。アーキテクチャはARMなど有りものを使い、PlayStation Suiteなどの独自ソフトプラットホームの方で稼いでいこうということなんでしょう。ソフトメーカー的には素直な普遍的アーキテクチャの方が開発しやすいですし、歓迎されるでしょう。一方で、スマートフォンやPCとの差別化はむずかしくなる可能性もあります。任天堂のDSやWiiでとった戦略のように「ギミック」で特徴付けする、という施策もありますが、これはこれでマルチ化などの弊害でソフトメーカーに嫌われる可能性もあります。どういった施策でソニーが優位性を撃ち出していけるのかは興味深いところです。

一方、情報漏洩の件ですが、最近の連続ハッキング、自分も先日のエントリで「完全になめられている」「面白半分」「公開でバッグ」といった表現を使いましたが、ソニー幹部も同様の認識だったようです。「ハッカーの中でコンテスト的色合いがある」といった表現をしていましたね。「規模的にははるかに小規模」とも。これ、被害を受けている側が気軽にこんな発言をしちゃうと、余計ハッカーを炊きつけちゃいませんかね?ソニー側になめられてる、見下されているとハッカーが感じて過激な行動に出なければいいんですけど。

あとは、相変わらず「損害は出ていない」という言葉を繰り返していたのも気になりましたね。個人情報漏洩事態が被害、というのが消費者側の意識だと思うのですが、経営者としてはそれを被害というと賠償が膨れ上がることを警戒しているんでしょうね。ただ、やはり印象はよくないと思います。

ともかく、日本でも情報漏洩の件についてしっかりとした補償がとられ、セキュリティもハッカーが遊び感覚で破れるつくりを改善し、ネットサービスを提供していただきたいところです。