マイクロソフトがSkypeを買収〜XboxやKinectでの利用も

ソニーがネット関係のトラブルで騒がしい中、マイクロソフトは逆に大きなネット関係の買収を発表しました。買収相手はなんとVoIP最大手のSkype。買収額も85億ドルという凄まじい金額となっています。

速報:マイクロソフトがSkype買収を表明、買収額は85億ドル
Microsoft、Skypeを85億ドルで買収 - ITmedia ニュース

今朝にはこの噂は飛び込んできており、騒然となっていましたね。一時は、GoogleFacebookのどちらかがSkypeと提携するのではというニュースも流れており、この両者ならどちらでも面白いことになるな、とも思っていました。

Google と Facebook、Skypeとの提携をめぐって対決か

それだけに、まさかMSとはという感じです。スマートフォンの分野ではiPhoneAndroidに大きく出遅れているMSですが、ノキアとの契約に続いてSkype買収と、相当な豪腕を発揮して巻き返しを図っている印象ですね。

圧倒的なSkypeブランド〜マルチプラットホームへの影響は?

Skypeは、世界中の人々が当たり前のように使っていたネット電話・ビデオチャット手段。最近はAppleが独自のFaceTimeというものを打ち出して来てはいましたが、Skypeは音声通信だけでも非常に長い実績があり、低額の国際電話や対応周辺機器など、エコシステム的にも現状ではダントツの知名度・インフラを誇っています。マルチプラットフォームiPhoneAndroidPSPなどにも対応しているものだけに、それが一プラットフォームメーカーであるマイクロソフトのものになる、というのは衝撃的でした。

自分もiPhoneユーザーでSkypeもPCやiPhoneで使っていました。それだけに、MS傘下になることでこれらサービスに影響が出ないか心配にはなりますね。ただ、最近MSは脱Windows的な動きも見せており、Officeのクラウド化やAzureのiOS対応など、様々なプラットフォームでソフト・サービスを売り込もうとしてきています。今回のSkype買収は後発で苦戦中のWindowsPhone7のテコ入れ的意味合いは強いでしょうが、一応マルチプラットホームへの対応の方向は変えないようです。以下が公式プレスリリースです。

Microsoft to Acquire Skype: Combined companies will benefit consumers, businesses and increase market opportunity.

一方で、今回でMS傘下にSkypeがなるということを嫌って、GoogleFacebookは独自のサービスを前面に押し出してくるようになるかもしれません。Appleは元々FaceTimeSkypeの牙城を崩しに行っていましたし、ビデオチャット関連でもまたひとつ競争が起きるかもしれませんね。

MSプラットホームでの独自サービスに注目

とはいえ、やはりMSのものになるということで、自社プラットフォーム優遇はされるでしょうね。Googleが当初iPhoneの特徴だったマップ機能をAndroid携帯発売後はAndroid側で独自にナビ機能を充実させているように、SkypeとWP7やXboxLiveを使った独自サービスに力を入れてきそうです。Kinectを応用したAvator KinectSkype対応してくるかもしれませんね。

なにより、Skypeの会員数は1億7000万人ということですから、この会員をXboxLiveのチャットなどに導入出来れば、ネット上でのオンラインコミュニケーションの幅が一気に広がることになります。SkypeIDとXboxLiveIDをリンクさせ、Skypeでやり取りしている人とXboxでチャットや対戦といったこともMSは期待しているところでしょう。

ゲーム機の話においては、ライバルのソニーPSN情報漏洩で大きくネット戦略に躓く中、大きな手を打ってきた形のMS。日本では圧倒的劣勢は変わりませんが、Skypeとの連携でどんな新しいサービスを提供してくるのかには、好奇心をそそられます。E3での発表もありそうですし、そちらにも注目です。